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『十二星天の裏支配者 〜追放された雑用係、実は星座を喰らう最後の蛇でした〜』  作者: パーカー
『星なき少年、蛇を宿す』

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第3話 『奪う条件』

国家反逆者に認定された主人公アルク。

牡羊王国は即時引き渡しを要求。

だが、問題はそこではない。

“星を奪う”とは、どういう現象なのか。

能力のルールが明らかになります。

地下拘束室は、やけに静かだった。

分厚い魔導鋼の壁。

床には三重の封印陣。

両手両足に拘束具。

魔力抑制の首輪。

念入りだな、と他人事のように思う。

「本当に、奪ったのか?」

向かいに座るのは学院長。

その背後には数名の教師。

さらに、見覚えのある人物。

シリウス・ジェミニ。

双子座の生徒会長は、楽しげに脚を組んでいる。

「答えろ、アルク」

学院長の声は低い。

俺は視線を落とし、自分の胸を見る。

蛇。

牡羊。

二つの星紋。

「……奪いました」

ざわり、と空気が揺れる。

学院長が問う。

「どうやってだ」

分からない、とは言えない。

なぜなら。

分かってしまったからだ。

あの瞬間、すべてが“理解”できた。

俺は静かに言う。

「条件があります」

シリウスが微笑む。

「ほう?」

「まず一つ。“明確な殺意”を向けられること」

教師たちが顔を見合わせる。

俺は続ける。

「二つ。星紋の発動状態で接触すること」

学院長の眉が動いた。

「そして三つ目」

喉がひりつく。

言葉にするのが、妙に怖い。

「相手が俺を“排除対象”として認識していること」

沈黙。

やがて一人の教師が叫ぶ。

「馬鹿な! それでは――」

「敵対者からしか奪えない」

俺は頷く。

そう。

無差別ではない。

少なくとも今は。

学院長が杖を鳴らす。

「ならば……王子は確実に殺意を持っていた」

「あの状況なら当然でしょう」

公開処刑だ。

笑って炎を振り下ろしてきた。

シリウスが、指を立てる。

「質問その二」

楽しそうだな、この人。

「奪った星紋は、どうなる?」

俺は拳を握る。

意識を集中。

炎が、灯る。

牡羊の力。

拘束具の隙間から、赤い火が漏れる。

教師たちが息を呑む。

「使用可能です。ただし……」

蛇の紋章が疼く。

胸の奥が、焼ける。

「使うほど、身体に負荷がかかる」

首筋に、熱が走る。

教師の一人が青ざめる。

「蛇の痣……増えているぞ」

壁の鏡に映る。

首筋に、黒い鱗のような紋様。

昨日より広がっている。

シリウスが言う。

「保存制限は?」

「……たぶん、複数可能です」

ざわり。

学院長が顔色を変える。

「複数だと?」

俺は頷く。

確信がある。

「十二全部、入る」

空気が凍った。

シリウスの笑みが、初めて深くなる。

「つまり、君は」

立ち上がる。

「全星座を統合できる可能性がある」

その言葉に。

胸の蛇が、強く脈打った。

ドクン。

一瞬、視界が歪む。

黒い空。

崩れた世界。

十二の星が落ちる光景。

その中心に立つ、俺。

いや――。

“俺じゃない”。

もっと成長した姿。

冷たい目。

そいつが言った。

――まだ足りない。

はっとして、意識が戻る。

学院長が険しい顔で俺を見ている。

「今、何を見た」

「……未来?」

自分でも分からない。

だが確実に。

蛇は“時間”に触れている。

シリウスが静かに呟く。

「十三番目」

「歴史から削除された星座」

「王殺しにして、統合の王」

教師の一人が怒鳴る。

「生徒会長! その話は禁書指定の――」

「知っているさ」

シリウスは肩をすくめる。

そして俺を見る。

「君は危険だ」

あっさりと言う。

「十二星座国家の均衡を崩す存在」

地下室が揺れた。

地上から爆音。

学院長が顔を上げる。

「……来たか」

通信石が赤く光る。

緊急報告。

「牡羊王国軍、学院外周に展開!」

早すぎる。

王は即断した。

俺を奪還する気はない。

処刑だ。

シリウスがくすりと笑う。

「さて、アルク」

双子の星紋が左右で異なる輝きを放つ。

「君は今、誰から殺意を向けられている?」

答えは明白だ。

王国軍。

王。

星持ちの騎士たち。

俺は拘束具に力を込める。

蛇が、ゆっくりと目を開く。

「……全員だ」

次の瞬間。

拘束具が、軋んだ。

第3話でした。

・能力の発動条件確定

・複数星紋保持の可能性

・身体崩壊の伏線

・未来視(?)の片鱗

・王国軍襲来

次は――

学院攻防戦。

天秤ヒロイン、本格参戦。

物語、加速します。

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