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『十二星天の裏支配者 〜追放された雑用係、実は星座を喰らう最後の蛇でした〜』  作者: パーカー
『星なき少年、蛇を宿す』

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第13話 『開戦宣言』

学院脱出成功。

だがそれは終わりではなく――

正式な“戦争開始”の合図だった。

第一章、決着。

森は静かだった。

あれだけの戦闘の後だというのに、

鳥の鳴き声すら戻っている。

だが俺の胸の中は、静かではない。

三重星紋。

蛇・牡羊・蠍。

そして、さきほどの“拡張共鳴”。

身体の内側で何かが組み変わっている感覚。

「止まって」

リゼが言う。

俺は足を止める。

彼女は天秤を展開した。

淡い光が周囲に広がる。

「追跡は三方向」

「獅子、水瓶、それから……」

彼女の眉が寄る。

「双子」

舌打ちする。

シリウス。

あいつも来るか。

「敵か味方か分からない奴が一番面倒ね」

リゼが低く言う。

その通りだ。

そのとき。

森の奥から、拍手。

「お見事」

現れたのは――

シリウス・ジェミニ。

双子座の紋章が左右で逆に輝いている。

「逃走成功率、67%」

「上出来だ」

俺は睨む。

「何しに来た」

「見送りさ」

軽い。

だが目は笑っていない。

「追手は一時的に逸らしておいた」

「本気なら今ここに三国合同部隊が来ている」

確かに。

追跡はあるが、包囲ではない。

シリウスは続ける。

「正式に開戦が決まった」

空を見上げる。

遠くに、巨大な星陣が浮かんでいる。

十二星座の合同陣式。

「対十三番目専用戦時体制」

喉が渇く。

「世界を敵に回したな」

「違うよ」

双子が微笑む。

「世界が君を選んだ」

腹が立つ。

だが否定できない。

管理者が出た以上、隠しようがない。

リゼが前に出る。

「あなたはどっちなの?」

「敵? 味方?」

シリウスは少しだけ考える素振りを見せた。

そして。

「観測者だ」

最悪だ。

「世界がどう再編されるか、見届ける」

俺は一歩前に出る。

「利用する気か」

「もちろん」

即答。

だが。

「同時に、君に賭けてもいる」

双子の瞳が一瞬、真剣になる。

「僕は今の均衡が嫌いだ」

「だが無秩序も嫌いだ」

「だから君がどんな選択をするかで、立場を決める」

都合がいい。

だが、それが双子だ。

「七つ集める気だろ?」

「ああ」

俺は隠さない。

シリウスは頷く。

「なら最初の標的は決まっている」

指を立てる。

「蠍」

胸の紋章が微かに反応する。

「王家は内部で分裂している」

「暗殺教団と王族派」

「十三番目を利用しようとする派閥もある」

リゼが目を細める。

「罠の匂いがする」

「当然」

双子は笑う。

「だが最も奪いやすい」

理にかなっている。

蠍は殺意を向けやすい。

条件成立が早い。

「どうする?」

リゼが俺を見る。

森の向こうで、再び星の光が瞬いた。

追手は近い。

時間はない。

俺は空を見上げる。

亀裂は、薄くなっている。

だが確実に、広がっている。

未来の自分の声が蘇る。

選べ。

ゆっくりと、息を吐く。

「七つ集める」

改めて言う。

「でも」

視線をシリウスに向ける。

「世界を壊すかどうかは、その時決める」

リゼが小さく頷く。

「私はあなたが暴走したら止める」

「お前なら刺せるかもな」

軽口。

だが本気だ。

シリウスが手を広げる。

「では、正式に宣言しよう」

双子座が輝く。

空の合同陣式が共鳴する。

世界へ向けて、魔力が放たれる。

「十三番目、行動開始」

俺の胸の蛇が強く光る。

俺は前へ踏み出す。

森の奥。

未知の領域。

国家も天界も敵。

それでも。

「来いよ」

小さく呟く。

「全部、喰う」

その瞬間。

空の亀裂が、雷のように走った。

遠くで、十二の星が同時に明滅する。

世界が、正式に動いた。

星座戦争――

開戦。

第13話でした。

第一章、ここで実質的に完結。

・主人公、正式な世界級指名手配

・双子の立ち位置確定

・最初の標的「蠍」決定

・星座戦争、開戦宣言

次章――

蠍王国編。

暗殺と裏切りの国へ。

物語はさらに加速します。

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