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『十二星天の裏支配者 〜追放された雑用係、実は星座を喰らう最後の蛇でした〜』  作者: パーカー
『星なき少年、蛇を宿す』

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第11話 『指名手配』

天界管理者、撤退。

だがそれは“見逃し”ではない。

世界が、正式にアルクを脅威と認識した。

そして――

地上もまた、動き出す。

管理者が消えた後も、空の亀裂は閉じなかった。

学院全体が、不自然な静寂に包まれている。

誰もが理解していた。

今の戦いは、序章にすぎない。

「アルク」

リゼが俺の肩を支えたまま言う。

「あなたはもう、国家どころじゃない」

「世界規模だな」

自嘲気味に笑う。

だが笑えない。

禁書庫は半壊。

学院の結界も限界。

そのとき、通信石が一斉に発光した。

赤ではない。

白。

全域通信。

嫌な予感しかしない。

学院長が投影を起動する。

空中に、巨大な紋章が浮かび上がった。

十二星座すべて。

円形に並び、中心が空白。

そして声。

「緊急共同宣言」

複数の王の声が重なる。

「十三番目の発現を確認」

「対象個体、アルク・ノクス」

俺の姿が投影される。

公開処刑の映像。

王との交戦。

管理者との衝突。

全部、流されている。

シリウスが低く呟く。

「仕事が早い」

声が続く。

「本日をもって、アルク・ノクスを」

一瞬の間。

「全星座共通指名手配対象とする」

空気が凍った。

リゼの手が強く握られる。

賞金額が表示される。

国家予算級。

思わず笑いそうになる。

「……ずいぶん高く売れたな」

だが、冗談じゃない。

これで俺は、世界中の星持ちから狙われる。

「捕縛、あるいは討伐を許可」

「生死は問わない」

最後の一文が重い。

生死は問わない。

つまり、殺せ。

映像が消える。

静寂。

そして。

学院内部の視線が、変わった。

さっきまでは恐怖。

今は――計算。

賞金首。

「アルク」

リゼの声が震える。

「もう学院にいられない」

当然だ。

ここにいれば、学院が狙われ続ける。

シリウスが歩み寄る。

「予想より早かったね」

「予想してたのか」

「もちろん」

双子の瞳が静かに光る。

「十三番目は“例外”だ」

「例外は、排除される」

腹が立つほど冷静だ。

俺は拳を握る。

「ならどうする」

シリウスは即答した。

「逃げる」

リゼが驚く。

「あなたが?」

「僕は合理主義者だよ」

肩をすくめる。

「学院を守るためにも、君は外に出るべきだ」

正しい。

悔しいが。

外へ出れば。

七つ集める道も開ける。

だが。

「狩られるぞ」

「うん」

あっさり。

「それが星座戦争の始まりだ」

その言葉に、蛇が反応する。

戦争。

もはや避けられない。

塔の外で、悲鳴が上がった。

窓から見下ろす。

学院門前。

すでに複数の星紋反応。

速い。

近隣国家の先遣隊か。

情報は世界中に流れている。

「時間がない」

リゼが言う。

「裏門から出るわ」

「お前は残れ」

即答する。

リゼが睨む。

「冗談でしょ」

「狙いは俺だ」

「だから一人で行く?」

天秤が強く光る。

「均衡を取るのは私の役目よ」

その目に、迷いはない。

俺は一瞬、言葉を失う。

シリウスが小さく笑う。

「面白いね、天秤」

「自分で自分の重さを決めた」

リゼは双子を無視する。

俺にだけ言う。

「逃げるのは敗北じゃない」

「選択のための時間稼ぎよ」

未来の自分の言葉が蘇る。

選べ。

なら、今は。

「……行く」

決断する。

その瞬間。

学院門が爆散した。

獅子の紋章。

黄金の騎士団が突入してくる。

さらに空から、水瓶の飛行部隊。

速すぎる。

「もう包囲されてる!」

教師が叫ぶ。

俺は笑う。

「派手な送別会だ」

蛇が静かに光る。

三つの星紋が脈動。

「リゼ」

「何?」

「死ぬなよ」

彼女は睨み返す。

「あなたこそ」

次の瞬間。

俺は屋上から飛び出した。

炎を足場に。

学院を囲む騎士団へ一直線。

「アルク・ノクス!」

怒号。

殺意。

完璧だ。

条件は常に満たされている。

俺は笑う。

「歓迎ありがとう」

炎と毒が交差する。

戦場が、開く。

学院を背に、俺は跳ぶ。

十三番目の逃走劇。

同時に。

星座戦争が、正式に始まった。

第11話でした。

・全星座共同指名手配

・主人公、世界級賞金首

・学院脱出決定

・各国が動き出す

・第一章、最終局面へ

次話――

学院脱出戦。

そして最初の“同行者”。

第一章クライマックス、突入です。

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