表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『十二星天の裏支配者 〜追放された雑用係、実は星座を喰らう最後の蛇でした〜』  作者: パーカー
『星なき少年、蛇を宿す』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/48

第10話 『管理者』

禁書庫に降臨した、十二の光を纏う存在。

それは人ではない。

星座を“管理する側”。

十三番目は、回収対象に指定された。

第一章、転換点です。

崩れた天井から降り立ったそれは、人型をしていた。

だが、人ではない。

全身に浮かぶ十二の紋章。

牡羊、牡牛、双子、蟹、獅子、乙女、天秤、蠍、射手、山羊、水瓶、魚。

すべてが淡く光っている。

「統合機構オフィウクス、活動確認」

感情のない声。

「管理プロトコルを実行する」

リゼが一歩前に出る。

「あなたは何者?」

それは即答した。

「星座制御中枢、端末個体」

ぞくり、とする。

端末?

つまり、本体がある。

シリウスが低く呟く。

「天界管理者……」

管理者は俺を見下ろす。

「十三番目、回収対象」

空間が歪む。

見えない鎖が、四方から迫る。

身体が動かない。

蛇が激しく暴れる。

「拒否する」

俺は歯を食いしばる。

管理者の目が、わずかに揺れる。

「拒否権は存在しない」

十二の紋章が同時に輝く。

圧倒的な重圧。

膝が砕けそうになる。

リゼが天秤を展開する。

均衡結界。

だが押し潰される。

「個体出力、不足」

管理者が言う。

「十三番目、未統合」

視線が鋭くなる。

「現時点での再編危険度、低」

シリウスが動く。

双子座が反転。

「ならばなぜ回収する?」

管理者が答える。

「将来的脅威を排除」

合理的すぎる。

つまり。

芽のうちに摘む。

俺の中で、冷たい怒りが湧く。

「勝手に決めるな」

蛇が咆哮する。

黒い紋章が輝く。

三重星紋が共鳴。

炎と毒が混ざる。

管理者の鎖を焼く。

「抵抗確認」

十二の紋章が回転する。

次の瞬間。

俺の体が宙に持ち上がる。

見えない力。

「星紋強制剥離、実行」

何?

胸が裂ける。

牡羊の炎が引き剥がされそうになる。

「やめろ!」

リゼが叫ぶ。

天秤が限界まで光る。

だが管理者は冷たい。

「奪取能力は規定外」

「よって初期化する」

初期化。

蛇が震える。

恐怖ではない。

怒りだ。

俺は叫ぶ。

「俺は装置じゃない!」

その瞬間。

蛇の紋章が、変質した。

黒が、深くなる。

空の亀裂と共鳴。

管理者の動きが止まる。

「異常……」

初めて、声に揺らぎ。

禁書庫全体が震える。

十二の紋章が一斉に乱れる。

シリウスが目を見開く。

「まさか……」

管理者が言う。

「上位干渉、検知」

空の亀裂から、巨大な影。

蛇。

それは今まで見たものより、遥かに巨大。

空間そのものを飲み込む存在。

管理者が後退する。

「本体反応……?」

俺の意識が引き上げられる。

黒い空間。

未来の俺が立っている。

あの冷たい目。

「早いな」

そいつが言う。

「もう来たか」

「お前は……」

「可能性の一つだ」

淡々と。

「管理者は世界を維持する」

「だが均衡は停滞を生む」

俺は叫ぶ。

「だから壊せってか?」

「違う」

未来の俺は首を振る。

「選べ」

その言葉と同時に。

現実へ引き戻される。

管理者が、後退している。

十二の紋章が不安定。

「十三番目、危険度再評価」

声が歪む。

「回収優先度、上昇」

まずい。

今度こそ本気で来る。

リゼが叫ぶ。

「アルク!」

シリウスが低く呟く。

「ここで消されれば、すべて終わる」

俺は拳を握る。

七つ。

集めれば起動。

だが今は三つ。

足りない。

なら――。

「増やす」

管理者が攻撃体勢に入る。

十二の光が収束。

その瞬間。

学院中の星紋が、同時に反応した。

共鳴。

俺の胸の蛇と。

生徒たちが苦しみ始める。

「やめろ!」

管理者の狙いは明白。

共鳴で強制吸収。

全星紋を一気に回収する気だ。

俺は叫ぶ。

「触るな!」

蛇が広がる。

黒い結界。

学院全体を覆う。

十二の光を、弾く。

管理者が初めて後退する。

「出力上昇……予測値超過」

禁書庫が崩壊する。

リゼが俺を支える。

「無茶しすぎ!」

俺は息を荒げる。

限界。

それでも睨む。

管理者を。

「俺は、回収されない」

低く告げる。

「集めるのは俺だ」

管理者の光が揺らぐ。

「再度来訪する」

その声とともに。

存在が分解され、消えた。

静寂。

崩れた禁書庫。

荒い呼吸。

リゼが震える声で言う。

「今のが……星の管理者?」

シリウスが笑う。

だが、その笑みは硬い。

「世界は、君を正式に認識した」

俺は天井の亀裂を見る。

向こうに、まだ蛇の影が揺れている。

管理者。

天界。

回収。

敵は国家じゃない。

世界そのものだ。

俺は呟く。

「七つ、集める」

リゼが息を呑む。

「本気なの?」

「ああ」

目を閉じる。

未来の自分の声が、まだ残っている。

選べ。

俺は目を開ける。

「選ぶためにな」

空の亀裂が、さらに広がった。

第一章、終局へ。

第10話でした。

・天界管理者登場

・強制剥離という脅威

・未来の自分との接触

・学院全体共鳴

・敵は国家ではなく“世界”へ

第一章はあと数話でクライマックス。

星座戦争は、もう止まりません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ