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お野菜ゴロゴロたっぷり肥やしカレー【WEB】

作者: 雨澤 穀稼

挿絵(By みてみん)

デザインワークス:アホリアSS様


   お野菜ゴロゴロたっぷり肥やしカレー


 後壱皿(ひとさら)を残りして、父は最近寝込みがちになっていました。

 病気の進行は、もう止められないのかもしれません。

 最近ぐすんぐすんと、涙がぽとりぽとりと頬をぬらしています。

 刻み玉葱が目に染みて……兎さんのお目々みたいに真っ赤っかのかなんです。

 今、父からチャツネの作り方を、今更ながらに教わっています。

 ププププ プリッ ププププ プリッ

 あっ! わたしじゃありませんからね。

 契約肥やし家さんからのお電話です。

 はい、溜まりましたか! 了解です! お受け取りに伺わせて頂きます。

 最近は水洗ばかりで、ぼっとんのお家が減少ぎみで中々お肥やしを集めるのも大変なんですよ。

 父の事は心配ですが、わたしは父の最後の壱皿(ひとさら)の為に全国の契約肥やし家さんの所へ赴き、金色號(こんじきごう)に牽引したバキューム吸引タンクへと回収し、お野菜へと回収させて頂きいた貴重なお肥やしをたっぷり与える日々を過ごしています。

 畑のしたには、お肥やしエキス栄養たっぷりの小さな緑の藻だらけの御池でスッポンも飼っています。

 そして遂にお肥やしの栄養たっぷり蓄えた、お野菜を収穫致しました。

 お肥やしたっぷりのお米の収穫は、数キロ離れたお隣さんやそのご近所さんの奥様がお手伝い頂きまして、くっさあとお鼻あてをしながら手伝って頂きました。

 流石にお肥やしと緑の藻で大きく育ったスッポンは手におえないので父にお願い致して捕まえてもらいました。

 そして今日、父が長年追い求めてきた究極の壱皿(ひとさら)がわたしの目の前に置かれました。

 昨年の聖水カレーのヴァージョンアップ版なのかもしれません。

 お肥やしたっぷりに育てられた野菜と、お肥やしエキスたっぷりの緑の藻の池で育てられたスッポンのお肉を、聖水でことこと煮て作られています。

 聖水御飯にたっぷりとろとろのカレーがかけられています。

 キンキンに冷えた聖水がそえられ。

 キラキラと光る燕三条のスプーンで頂きます。

 長年追い求めてきた父の最後の壱皿(ひとさら)です。

 お野菜ゴロゴロたっぷり肥やしカレー。

 頂きます。

 涙がぽろぽろぽろぽろ……ありがとうお父ちゃん。

挿絵(By みてみん)

デザインワークス:島猫。樣


挿絵(By みてみん)

デザインワークス:なないろかめれおん

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