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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第八十六話 王都に無事に帰還です

 翌朝、僕たちは軍の施設を後にしてベストリア子爵家の屋敷に出発の挨拶をしに行きました。

 短い期間だったけど、中々濃い経験をすることができた。

 それは、この二人もそうだった。


「皆さまのお陰で、我が家に巣食う悪を取り除くことができました。流石に両親のことなので簡単には割り切ることはできませんが、これからはより一層民のことを思いながら統治を行います」

「今回の件で、色々なことを知ることができました。人とはとても弱いものだと気づき、私も両親のようにならないようにと自分を戒めます」


 屋敷の玄関で出迎えてくれた嫡男さんと妹さんも、両親の件はやはり大きな影響があった。

 それでも、前を向いているのは二人がとっても強いからだと思います。

 それに、領民も二人を支持しているし、今後も大きな混乱はないと思います。

 というか、僕たちもいきなり屋敷を捜索したんだよね。

 悪と対峙するのって、かなり難しいです。

 それでは、僕たちは王都に向かいます。


 シューン、ぴかー!


「グルル」


 庭の広いところで、ドラちゃんが大人モードになります。

 僕たちも、ドラちゃんの背中にある鞍に乗ります。

 屋敷の外では、またまた小さい子が集まって大きくなったドラちゃんに手を振っていますね。

 では、僕たちも王都に向けて出発です。


「色々と世話になった。今度は、良いことで会おう」

「皆さま、道中お気をつけて」

「ありがとうございました」


 バサッ、バサッ、バサッ。


 ヘンリーさんが代表して挨拶し、僕たちを乗せたドラちゃんは力強く大空へ飛び立ちました。

 そして、ベストリアの町の上空を三回旋回してから王都に向けて一気に進み始めました。

 町並みが、あっという間に小さくなりました。


「この後だが、王城に行って報告したのち解散となる。ナンシーもナオ君も、今日はゆっくりと休んでくれ」


 ドラちゃんの背中の上でヘンリーさんがこの後の予定を教えてくれたけど、なんだか久々に王都に帰る気がするよ。

 でも、気のせいかドラちゃんの飛行速度が速くなっている気がする。

 これも、昨日一昨日と王都とベストリア領とを往復したおかげかもしれないね。

 あっという間に王城の玄関前に到着し、ドラちゃんは慎重に着陸しました。

 すると、元気な三人のちびっ子が玄関前で僕たちの帰りを待っていました。


「「おかえりー!」」

「りー!」


 ドラちゃんの背中から降りた僕めがけて、ちびっ子三人が勢いよく抱きついてきました。

 レガリアさんもいるということは、どうもセードルフちゃんは屋敷に帰ってくるまで待ち切れなかったみたいですね。

 リーフちゃんも、セードルフちゃんの頭の上にちょこんと乗っていました。

 僕も、抱きついてきた三人をギュッと抱きしめてあげます。


「ただいま、アーサーちゃん、エドガーちゃん、セードルフちゃん」

「「「えへー」」」


 僕は、ニコニコしながら見上げてくる三人の頭を撫でてあげます。

 スラちゃんとシアちゃんも僕のところにやってきて、ちびっ子三人の頭を触手で撫で撫でしていました。

 でも、陛下に報告しないといけないので、僕たちは手を繋ぎながら王城の中に入っていきました。

 エドガーちゃんは、エミリーさんが抱っこしていますね。

 そして、みんなで会議室に入りました。


「ははは、さっそく捕まったか。ヘンリーが毎日帰ってきたとはいえ、我慢できなかったようだな」


 僕たちがちびっ子三人に囲まれている姿を見て、陛下が目を細めていました。

 無事に帰ってきたという、何よりの証だと言っていました。

 ジョージさんたち王族に、ランディさんたち大物貴族もにこやかに僕たちのことを見ていました。

 僕たちも席に座ったけど、ちびっ子三人は話の邪魔にならないようにと保護者のところにいきました。


「邪神教の脅威を食い止めただけでなく、現地の人々への支援も大義であった。押収した資料の分析を行っているが、まだまだ動くことは間違いなくある。今回のケースが、一つの行動する際のモデルとなった」


 陛下が話し出すと、みんな真剣に耳を傾けました。

 場所によって対応方法が違うので、これからも臨機応変に対応しないと駄目ですね。


「押収資料を分析する間は、淀みの候補を一つ一つ潰してもらう。ナオは普通の冒険者として依頼を受けたいだろうが、今は辛抱してくれ」

「僕は、全然大丈夫です。僕たちのやっていることが、人々のためになっていると実感できましたから」

「そうか、なら良い。ある程度対応が終わったら、ナオの爵位を準男爵にしてやらんと駄目だな」


 ええ!

 いつの間にか、僕の爵位の話になっちゃったよ。

 僕には準男爵はまだまだ早いと思うけど、僕以外の人はこのくらいは当然だと頷いていました。

 うう、もう色々な事は避けられなさそうですね。

 これで報告は終わって解散になったんだけど、ちびっ子三人が「遊んで!」と熱い視線で訴えかけていました。

 これは、遊んであげないと駄目みたいですね。

 その後は王城の中庭に移動して、みんなで追いかけっこをしていました。

 スラちゃんとドラちゃんも楽しそうに三人と遊んでいて、エドガーちゃんが遊び疲れて寝ちゃうまで続いていました。

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