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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第八十一話 軍の施設へ

 そして、僕も荷物運びとかのお手伝いができたので、ドラちゃんと一緒に書類を馬車に乗せていきます。

 二時間もすると、沢山の書類を押収できました。

 ちなみに、ベストリア伯爵夫人も捕まったけど成人したばかりの嫡男は捕まっていません。

 どうやら父親の件とはほぼ無関係で、ひたすら仕事をさせられていたみたいです。

 スラちゃんの鑑定でも、邪神教と関与がないことがバッチリと分かりました。


「父が、たまに母とどこかに行っているのは分かっておりました。それに、最近は私が成人したのもあり、領内のことは殆ど私に任せて何かをしておりました。私は領内統治で忙しくて、自分の仕事で精一杯でした」

「不幸中の幸いなのか、領内は安定しているように見えた。ただ、両親のしたことは大罪だと認識して欲しい。取り潰しはないが、爵位の降格は免れないだろう」

「自覚しております。しかし、まさか邪神教と繋がっていたとは……」


 真面目な嫡男さんなのが、より一層可哀想だった。

 本人も、まさか両親の尻拭きをすることになるとは思っていなかったのだろう。

 ちなみに、執務室はベストリア伯爵しか使っていないので、領内統治には影響ないそうです。

 兵にも説明をして、父親の配下にあるものは拘束したそうです。

 こうして多数の証拠品を押収し、僕たちは馬車に乗って軍の施設に向かいました。


「領内は安定していたので、ホッと一安心ですね」

「あの様子だと、ベストリア伯爵夫妻は秘密裏に計画を進めていたのだろう」

「秘密裏だったからこそ、表に出る前に制圧できたのよ」


 ヘンリーさんとシンシアさんがため息をつきながら話をしていたけど、とにかく町に大きな被害が出なくて本当に良かった。

 計画がばれないように、最後の悪あがきはしていたけどね。


「軍の施設に着いたら、昼食をしながら軍の責任者と今後について話そう。とはいえ、統治は問題なさそうだしナオ君にやってもらうことはないはずだ」

「怪我をした人がいたら、治療します!」

「そうだね。では、今日明日はナオ君には治療をお願いしよう」


 僕だけ何もしないのは心苦しいし、ここは頑張らないと。

 そして軍の施設に着くと、ビックリすることが。


 ザッ。


「ヘンリー王子殿下、シンシア殿下、エミリー王女殿下、オラクル公爵家令嬢ナンシー様、ナオ騎士爵様に敬礼!」

「「「はっ!」」」


 まさか、沢山の兵の敬礼を受けながら出迎えられるとは。

 僕だけでなく、スラちゃんとドラちゃんもとてもビックリしていました。

 でも、他の人たちは平然としていたから、ここが王族と大貴族との差なのかもしれないね。

 そして、僕たちは会議室に案内されました。


「皆さま、こちらになります」


 兵に案内されて、僕たちも席に案内されました。

 そして、とても大柄で茶髪の短髪に顎髭もじゃもじゃの、如何にも軍人って感じの人が部下を引き連れて入ってきました。


「ヘンリー殿下、お久しぶりです」

「司令官も、お元気そうで何よりです」


 ヘンリーさんと司令官がガッチリと握手をして、僕たちは席に座りました。

 さっそく、昼食を食べながら話を始めます。


「しかし、殿下がドラゴンに乗ってやってくると聞いた時は信じられませんでしたが、今朝施設上空を旋回するドラゴンを見てこれは凄いことになったと思いましたぞ」

「強力な仲間を迎え入れたのですよ。あくまで仲間であって、従魔ではないですよ」

「キュー」


 ヘンリーさんの言う通り、ドラちゃんはあくまでも僕たちの仲間だもんね。

 それに、やっぱりドラゴンを仲間にする人は殆どいないんだってね。


「しかし、嫡男はとても誠実な青年なだけに、両親の逮捕はとても残念です。兵も、同じ思いでおります」

「私も嫡男と話をしたが、本人も両親が邪神教幹部だとは知らなかったみたいだ。かなり複雑な表情をしていたよ」

「とはいえ、実際に拠点も出来ておりました。無実とはいかないでしょう」


 司令官も複雑な表情をしていたけど、でも悪いことはしちゃ駄目ですね。

 僕も嫡男とヘンリーさんの話を聞いたけど、問題なさそうって思ったよ。


「そして、こちらの少年が勇者様パーティに加わったものですな。既に、騎士爵を叙爵する程の成果をあげているとか」

「スライムとドラゴンの友達でもある。強力な浄化魔法を使えるし、何より全属性の魔法が使えるのだ」

「ほほう、それは凄い。将来が楽しみですな」


 あれれ?

 いつの間にか、僕のことが話題の中心になっちゃったよ。

 僕は皆さんのように凄い人じゃないし、今日はスラちゃんとドラちゃんの方が大活躍したよ。

 と、僕が言える状況でもないし、何よりも他の人も当然って感じで頷いていた。

 僕は、ただニコニコしているしかできなかった。

 うう、緊張し過ぎて料理の味も分からなかったよ。

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