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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第三百六十九話 食堂のおばちゃんからの洗礼

「ここが食堂です。外部の人も食堂を利用できます。とても美味しいですよ」

「日替わりランチとかもあって、ボリュームもあるわよ。さあ、行きましょう」


 まだ時間が早いのか、食堂にいる兵の数は少なかったです。

 僕とエミリーさんの先導で、食堂のメニュー看板がある配膳前に向かいました。


「僕はお肉ランチにします。ドラちゃんたちの分も注文します」

「私は日替わりランチにしようかな。ミートソースが美味しいんだよね」


 僕とエミリーさんはたまに軍の食堂を利用するので、直ぐにメニューが決まりました。

 ノリスさんとノーヴェさんは、どちらにしようかと悩んでいますね。

 すると、食堂のおばちゃんが僕に声をかけてきました。


「ナオじゃないかい。おや、新顔がいるね」

「僕たちの新しい仲間の、ノリスさんとノーヴェさんです」

「そうかい。勇者様パーティも、色々と変わっているんだねぇ」


 ノリスさんとノーヴェさんは、ペコリとおばちゃんに頭を下げていました。

 軍の中でも、食堂のおばちゃんを敵に回すと大変なんだよね。


 ドーン。


「ほら、日替わりランチだよ。若いんだから、たくさん食べな」

「「あ、ありがとうございます……」」


 ニコニコ顔のおばちゃんは、ノリスさんとノーヴェさんが注文した日替わりランチを大盛りで出してきました。

 当の二人は、大盛りの日替わりランチを目の前にしてどうしようという表情をしています。

 午後は予定はないし、ゆっくりと食べましょう。

 席に移動して、さっそく食べ始めます。


「「「ハグハグハグ」」」


 ドラちゃん、クロちゃん、ギンちゃんは、特製の焼肉をもらって美味しそうに頬張っています。

 キキちゃんも、サラダを食べていますね。


「私も、初めて食堂を使った時に大盛りのパスタが出てきたわ。残したらおばちゃんに怒られるってヘンリーお兄様に言われて、何とか食べきったわ」

「「が、頑張ります……」」


 エミリーさんが昔のことを思い出しながら語っていると、ノリスさんとノーヴェさんも何とか食べ始めました。

 そういえば、僕が初めて食堂で昼食を食べた時もとっても量が多かった気がします。

 すると、訓練を終えた兵が続々と食堂に入ってきました。


「ナオ、おばちゃんの洗礼を受けているものがいるぞ?」

「あっ、僕の仲間になったノリスさんとノーヴェさんです。初めて食堂を利用しました」

「ははは、そういうことか。あのおばちゃんは、全ての兵の顔を覚えているからな」


 顔見知りの兵が僕に声をかけてくるけど、それだけあの食堂のおばちゃんが凄いんだよね。

 そして、ノリスさんとノーヴェさんは何とか大盛りの日替わりランチを完食したのでした。


「エミリーさん、この後の予定は何か知っていますか?」

「いいえ、特に決まって……ちょっと待ってね」


 昼食を食べ終えてから僕がエミリーさんに午後の予定を聞いたタイミングで、エミリーさんの通信用魔導具に連絡が入りました。

 因みに、ノリスさんとノーヴェさんはお腹いっぱいでダウンしていますね。


「元々軍の施設での治療は、丸一日を予定していたらしいわ。だから、ナオに下賜された屋敷で休んでていいってあったわよ」


 エミリーさんに連絡したのはヘンリーさんで、ちょうど僕の通信用魔導具にも同じメッセージが入りました。

 しかも、軍の施設から僕の屋敷まで歩いても直ぐに着きます。

 でも、安全のためにと軍が馬車を用意してくれました。

 ノリスさんとノーヴェさんは、歩かなくて済んでホッとしていますね。


「ナオ、これからは移動はできるだけ馬車を使いなさい。ナオ自身は戸惑うかもしれないけど、上位貴族の当主になったんだからね」


 屋敷に着いて僕たちを出迎えてくれたお母さんに、かなり真面目な顔で注意されちゃいました。

 僕としては、また自分の周りの変化に慣れていないんだよね。

 すると、お母さんはノリスさんとノーヴェさんにあることを提案しました。


「二人とも、客室で少し休んだ方がいいわね。ちょうど、来客を泊めるいいシュミレーションになるわ」

「「ありがとうございます」」


 お母さんは、テキパキと使用人に指示をしていました。

 新しい屋敷だから、色々な事を想定して動かないといけないんだって。


「ナオも、部屋で少し休んでいなさい。私は、エミリーさんと備品関連で少しお話するわ」


 元々王城住まいのエミリーさんなら、圧倒的に僕よりも備品や調度品関連に詳しいはずだよね。

 カエラとキースはドラちゃんたちと庭で遊んでいるし、僕はちょっとお昼寝していようっと。


「お部屋にご案内します」


 うーん、屋敷の中でも常に使用人がついているんですね。

 何だかこそばゆい気持ちで、大きな僕の部屋に向かいました。


「ナオ、ノリスさんとノーヴェさんはこのまま屋敷に泊まってもらうわ。もちろん、ナオの上客としてもてなす訓練よ」

「「訓練だよ!」」


 夕方になって帰ろうとしたら、今日屋敷に泊まるお母さんがこんな事を言っていました。

 僕としてもとっても助かるし、実際にノリスさんとノーヴェさんは午前中の治療とかで精神的にも疲れているもんね。

 念の為にクロちゃんとギンちゃんも屋敷に残るし、そもそもお母さんがいるからきっと大丈夫ですね。

 ということで、僕とエミリーさんは馬車に乗って帰ることになりました。


「ナオのお母さんって、本当に凄いわ。細かいところまで、凄く気がつくわ」


 エミリーさんは、少し興奮気味に僕に話をしてきました。

 食後に相談されたことが、それほど凄かったそうです。

 なんというか、お母さんは冒険者なのに完璧超人なんだよね。

 因みに、相談された備品関連などは既に注文済みだそうです。

 その辺の手際の良さも、流石お母さんですね。

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