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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第三百五十六話 ノリスさんとノーヴェさんの冒険者登録をします

 たたたた。

 ガシッ。


「わあ、捕まっちゃった!」


 ノリスさんとノーヴェさんと出会ってから一週間、毎朝オラクル公爵家で訓練をしています。

 訓練の一環で追いかけっこもしているけど、ノリスさんが見事にセードルフちゃんを捕まえました。

 ノリスさんもノーヴェさんも地頭がいいので、こうすればいいのではと色々と考えているみたいです。

 なので、小さな子ども相手の追いかけっこにはだいぶ慣れてきました。

 残念ながら、クロちゃんたちにはまだまだ敵わないみたいです。

 それでも、だいぶ大きな進歩かなと思います。

 手合わせも真剣に行っていて、最初に会った時よりも格段に向上しました。


「じゃあ、休憩しましょう。この後は、冒険者ギルドに向かいますよ」

「「はい」」


 エミリーさんがノリスさんとノーヴェさんにこれからの予定を伝えたけど、いよいよ二人の冒険者登録を行います。

 今日は、カエラとキースは実家にいるので後日参加します。

 ということで、休憩をしたら馬車に乗って冒険者ギルドに向かいます。


「おっ、ナオか。うん? 新しい顔だな」


 冒険者ギルドに行くと、顔見知りの冒険者が声をかけてきました。

 そっか、ノリスさんとノーヴェさんは初めての冒険者ギルドなので、僕とエミリーさんと一緒なのは珍しいもんね。


「えっと、ノリスさんとノーヴェさんです。ヘンリーさんたちが今度から公務とかをメインで動くので、新しく僕たちのパーティに入りました」

「「「おおー!」」」


 僕がノリスさんとノーヴェさんを冒険者に紹介すると、僕たちの周りに集まった冒険者はとっても盛り上がっていました。

 ノリスさんとノーヴェさんはちょっと恥ずかしがっていますけど、顔見せとしては良い感じですね。

 そのまま受付のお姉さんのところに案内して、冒険者登録の手続きを行います。


「それでは、必要事項の記入をお願いします。分からないことがあれば、遠慮なく質問して下さい」

「「はい」」


 ノリスさんとノーヴェさんは、スラスラと必要事項を記入していきました。

 まだ貴族家の子弟と令嬢なので、貴族名も記入していきます。

 記入が終わった申請用紙を受付のお姉さんが受け取り、内容を確認します。


「記載内容に問題なさそうなので、このまま登録を進めます。少々お待ち下さい」


 受付のお姉さんが登録を進める中、またまた冒険者がノリスさんとノーヴェさんに質問してきました。

 あえて僕とエミリーさんは質問に割り込まないようにして、ノリスさんとノーヴェさんがどんな対応をするかを確認します。


「よう、ナオの教えはどうだ?」

「色々と細かいところまで教えてくれます。でも、全て教えることはしないので、自分で考えることもします」

「ほう、ナオは後輩ができたから張り切って色々と教えると思ったが、意外にキチンとしているな」


 ノリスさんに質問した筋肉ムキムキの冒険者は、指導方法で僕のことをとても褒めてくれました。

 僕だって、ヘンリーさんをお手本にして頑張って教えているんですよ。


「もちろん、パーティに入るのに試験はあったのよね?」

「試験というか、手合わせがありました。でも、スラちゃんとナオ君のお母様に打ちのめされました。まだまだだと、実感しました」

「「「あー」」」


 ノーヴェさんに質問した女性冒険者だけでなく、多くの冒険者が直ぐに手合わせの結果を想像したみたいです。

 スラちゃんとお母さんの強さは、王都の冒険者もよく分かっています。

 逆に、最初に強者と当たって良かったと言っているくらいでした。

 その間に、ノリスさんとノーヴェさんの冒険者登録が完了したみたいです。

 登録内容を確認して、無事に冒険者登録完了です。


「じゃあ、今日は指名依頼で軍の施設で治療を行います。ノーヴェさんの回復魔法強化もありますが、多くの軍人とお話をして顔見せと交流をしてみましょう」

「「はい!」」


 僕がこの後の予定を話すと、ノリスさんとノーヴェさんも元気よく返事をしてくれました。

 ノリスさんは回復魔法を使えないけど、ドラちゃんと一緒なら問題ないもんね。

 すると、エミリーさんと冒険者たちが僕のことを見てニヤニヤとしているのに気が付きました。


「ふふ、ナオも頑張ってリーダーをやっているわ。何だか微笑ましいわ」

「あのちびっ子だったナオが張り切っているのを見ると、成長したって実感するわな。まだちびっ子だけどな」

「張り切っているナオ君が、いつも以上にとっても可愛いわ」


 みんな、僕の保護者みたいな立場で感想を言っています。

 僕だって、頑張る時は頑張りますよ。

 そして、受付のお姉さんも僕のことを微笑ましく見ていたのでした。

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