第三百五十五話 オラクル公爵家で色々話をします
ちょうどタイミングが良いということで、オラクル公爵家に戻ってお母さんとレガリアさんが色々話をします。
ノリスさんとノーヴェさんもオラクル公爵家にやってきているんだけど、庭でカエラとキースが張り切って二人の相手をしていました。
セードルフちゃんとルルちゃんも、庭に出て四人の手合わせを眺めているそうです。
エミリーさんは、シャーロットさんたちと共に王城に戻っています。
「となると、ナオ君たちは朝は訓練をして日中は依頼をこなすという流れになりそうですわね」
「その間、私も屋敷の準備はできる限りお手伝いしますので」
レガリアさんとお母さんが、今後の屋敷の準備の予定について話し合っていました。
必要なお金はレガリアさんに渡したし、後は任せておきなさいとのことです。
因みに、僕の御用商会は王家とオラクル公爵家と同じところだそうです。
上位貴族の伯爵家なのだから、何も問題ないそうです。
「信頼できる御用商会をつけておいた方がいいのよ。ナオ君はお金を持っているから、あれやこれやと品物を押し付ける商人が必ず現れるわ」
レガリアさん曰く、僕は優良物件なんだそうです。
でも、僕の周りにいる人がガッチリとガードしそうな気がします。
そして、使用人も来週には決定するそうです。
既にスラちゃんが使用人の面接を済ませているらしく、後は僕が実際に会うだけだそうです。
何だか、色々なことが決まっていきますね。
「ナオ君の持っている資産だと、軽く百年は使用人を養えるわ。とはいえ、これからも勇者様パーティとしての仕事は続くだろうし、資産は溜まっていくわ。だから、寄付なども定期的に行なった方がいいわ」
「金持ちの新興貴族って思われると、色々と面倒なのよ。冒険者も、大きな依頼に成功してお金を持つと周りから色々と言われてしまうわ」
うーん、レガリアさんとお母さんのいうことは、自分だけじゃ防ぎようもないなあ。
僕がどんなに気を付けても、文句を言ってきそうな人はいそうです。
屋敷などの件はこのままレガリアさんとお母さんが詰めるそうなので、僕は庭に移動してノリスさんとノーヴェさんの様子を見に行きました。
「わーい、こっちだよー!」
「こっちこっちー」
庭に行くと、セードルフちゃんやちょっと大きくなったドラちゃんに乗っているルルちゃんも混じってみんなで追いかけっこをしていました。
ただの鬼ごっこではなく、みんな身体能力強化魔法を使った追いかけっこです。
しかもカエラとキースも混じって予測不可能な動きをするので、追いかけるノリスさんとノーヴェさんはとっても大変です。
でも、これはとっても良い訓練になりそうです。
「「「「わーい、逃げ切った!」」」」
「「はあはあ、これは大変です……」」
ノリスさんとノーヴェさんはちびっ子たちの動きを甘くみていたのか、一人も捕まえられずに終了しました。
しかも、今度はクロちゃんたちも一緒に追いかけっこをやろうと張り切ってスタンバイしていました。
「ノエルさん、ノーヴェさん、害獣駆除に行くと魔物もこんな感じで予測不能の動きをします。拘束魔法をして確実に倒す方法もありますが、上手く拘束魔法がかからないこともあります。この追いかけっこは、十分訓練になりますよ」
「「頑張ります……」」
もしかしたら、追いかけっこに慣れていなくて目の前に現れた人を無作為に追いかけているのかもしれません。
こういうことに少しずつ慣れていくことで、パワーアップしていくんだろうね。




