第三百四十三話 村中で色々な色々なことが発覚しました
それにしてもお父さんは遅いなと思ったら、先に教会に来たカエラとキースが色々と教えてくれました。
「あのね、代官と悪いことをした人について話をしていたんだよ。念の為に、盗まれたものはないかって」
「僕のお家から盗まれたものはなかったけど、他のお家で食べ物やお金がなくなっていたんだよ」
これは、村の中や周辺を確認していたクロちゃんたちと村の人たちが発見したそうです。
しかも、クロちゃんとギンちゃんの臭いの確認で、犯人はさっき捕まった三人だと分かりました。
火事場泥棒ならぬ、結婚式泥棒ですね。
なので、バンザス伯爵領兵も呼び寄せているそうです。
おおう、とんでもなく大事になっていますね。
因みに、王都に犯人である三人を連行しているドラちゃんとスラちゃんもまだ戻ってきていません。
すると、サマンサお姉ちゃんの着付けを手伝いに行ったお母さんとリルムさんがかなり激怒して僕のところにやってきました。
「あの三馬鹿は、サマンサともう一人のウェディングドレスを切っていたわ。前に収穫祭に参加したことがあるから、どこに鍵があるか分かっていたのね。ボロ雑巾にしてやれば良かったわ」
「せっかくの晴れ姿なのに、本当に酷いです。幸いにして何とか修復出来ましたが、私も犯人を許せません」
お母さんとリルムさんの話を聞いて、僕もかなり憤慨しちゃいました。
自分たちが幸せじゃないからといって、他人の幸せを壊すのはあり得ないです。
しかも、自分たちが幸せじゃないのは完全に自業自得なので同情できません。
幸いにして教会内で壊されたところはなかったけど、教会に放火までしようとしたんだよなあ。
「シスターさんと話をしたけど、結婚式は一時間遅らせて色々なところを確認することにしたわ。万全の状態で晴れの舞台を迎えさせないとね」
お母さんの話を聞いて、僕も納得しました。
代官邸は警備が厳重だから侵入は厳しいけど、教会は誰もが利用するからその分警備も難しいよね。
僕も、念の為に教会内を確認することにしました。
「「お手伝いするー!」」
カエラとキースも、僕と一緒に教会内の確認を手伝ってくれます。
リルムさんはもう一度サマンサお姉ちゃんのところに向かい、お母さんはシスターさんとスケジュールを詰めています。
そして、教会にお父さん、代官、バンザス伯爵領兵がやってきたタイミングで、ドラちゃんとスラちゃんも王都から帰ってきました。
ドラちゃんとスラちゃんに村であったことを伝えると、物凄く怒っていました。
やっぱり、悪いことはやっちゃ駄目ですね。
因みに、引き渡しの際にあの三人は大暴れしたらしく、兵を蹴っ飛ばしたりしたそうです。
仕方ないので、スラちゃんが睡眠魔法で眠らせてから連行したらしいです。
それじゃあ、王都から戻ってくるのが遅くなっても仕方ないですね。




