第三百三十三話 新しい年です
いよいよ新しい年になりました。
僕も、今年で十一歳になります。
サマンサお姉ちゃんの結婚式が、今年の僕の中では一番大きな出来事かもしれません。
リルムさんと一緒に貴族服に着替えて、スラちゃんたちと一緒に食堂に行きます。
「新年、おめでとう」
「「おめでとー!」」
オラクル公爵家の面々が席に座り、ランディさんの声にセードルフちゃんとルルちゃんが元気よく返事をしていました。
ちびっこたちも出会った頃よりもずっと大きくなっていて、とても元気ですね。
「昨年はナンシーの結婚式も無事に終わり、本当に何よりだった。まあ、孫を見るのはもう少し先になるだろうな」
「そうですわね。今年、新しい屋敷に移ってからになるでしょうね。王城に居る間は、公務で忙しいはずよ」
ランディさんとレガリアさんの言う通り、昨年ナンシーさんは結婚式後は公務でとても忙しそうでした。
シンシアさんとマリアさんの妊娠発覚もあり、その分の公務も引き受けないといけません。
ナンシーさんは、とっても忙しくなりそうです。
すると、他人事ではないとランディさんは僕にも言ってきました。
「エミリー殿下も、代わりの公務が忙しくなるだろう。そして、必然的にナオ君が勇者パーティの取りまとめとして頑張らないといけないのだよ」
あっ、そうか。
エミリーさんも王女様として忙しくなるんだ。
ヘンリーさんも絶対に忙しくなるはずだし、僕たちで色々と動かないといけないんだね。
「じゃあ、僕が勇者様になる!」
「ルルもー!」
ランディさんの話を聞いた瞬間、セードルフちゃんとルルちゃんが元気よく手を上げていました。
いやいや、流石に二人が勇者パーティに入るのは早すぎるよ。
もう少し頑張って大きくならないと駄目だね。
それでも、食堂の雰囲気はとても明るかったです。
「じゃあ、行ってくるね」
「「いってらっしゃーい!」」
「キュー」
朝食後は、僕とランディさんは一緒に馬車に乗って王城に向かいます。
新年の謁見に参加するためで、スラちゃんはついてくるけどドラちゃんたちはお留守番です。
僕達を乗せた馬車はあっという間に王城に到着し、王族の居る応接室に案内されました。
「新年おめでとうございます」
「「おめでとー!」」
応接室に入って新年の挨拶をすると、アーサーちゃんとエドガーちゃんがニコニコしながら出迎えてくれました。
王家の方々も勢揃いしていて、僕たちを出迎えてくれました。
「昨日は、急に呼び出してすまなかったな。二人の体調もよくなった。本日の謁見で、妊娠の件を報告する予定だ」
「おにーちゃんになる!」
「なるー!」
アーサーちゃんとエドガーちゃんも、元気よく返事をしています。
王太子妃であるマリアさんが第三子を妊娠したというのは、国にとっても大きなニュースです。
王家にとっても嬉しいことで、子ども好きな王妃様は祖母になる喜びもあるみたいですね。
「ナオの伯爵への陞爵とエミリーとの婚約も発表する。煩い貴族は殆ど自滅したし、文句をいうものはいないだろう」
あの、なんというかもうお腹いっぱいです。
そんなに偉くなってもしょうがないと思いますよ。
エミリーさんは、ようやく正式決定だとニコリとしていました。
そんな事を話しながら、謁見前のお話は進んでいきました。




