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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第三百三十二話 年末に発覚した大事件?

 年末間近の奉仕活動も終わり、これで無事に新年になるのかなと思っていました。

 そしたら、まさかの大晦日にある意味大事件勃発です。

 何か反乱が起きたとか犯罪が起きたわけではないけど、僕たちは急いで王城に向かってくれと言われました。

 すると、直ぐに王城の医務室に案内されました。

 ベッドにはマリアさんが辛そうにしながら横たわっていて、陛下があれこれ職員に指示を出していました。

 年末ということもあり、王城内の職員の数はかなり少なめでした。


「陛下、遅くなり申し訳ございません」

「おお、すまんな。大丈夫だと思うが、念の為に治療と鑑定をしてくれ」


 なんで鑑定もするのかなと思いつつ、僕はさっそくマリアさんの側に行って回復魔法を放ちました。


 シュイン、ぴかー。


「ナオ君、ありがとうね。だいぶ楽になったわ。原因は、何となく分かっているんだけどね」


 マリアさんの顔色はだいぶ良くなったけど、まだ少し辛そうです。

 でも、これだけ体調が悪くなるって一体何だろう。

 そう思いながら、僕はマリアさんに鑑定魔法を使いました。


 シュイン、もわーん。


「えーっと、特に問題がある表示はない……あれ? 妊娠中って表示が出ています!」

「ふふ、やっぱりそうだったのね」


 おお、なんとマリアさんに第三子の妊娠が発覚したのです。

 悪阻が酷かったから、体調を崩してしまったんですね。

 でも、このくらいなら宮廷医でも直ぐに分かると思うんだけどなあ。

 そういえば、その宮廷医はどこに行ったのだろうか。

 王城では宮廷医は交代勤務になっていて、年末年始も軍の治療兵が待機しているはずだよ。

 すると、陛下がまたまた驚きのことを教えてくれました。


「実はな、ヘンリーと共に年末の挨拶に来たシンシアも似たような症状が出た。先にシンシアが体調を崩したので、非番対応の治療兵はそっちに行った」


 なんと、シンシアさんにも妊娠の兆候が現れたそうです。

 念の為に僕も確認してくれと陛下に言われたので、陛下と共に王族の居住スペースに向かいました。

 医務室は兵ががっちりと警護しているけど、念の為にスラちゃんたちもマリアさんの側に残るそうです。


「陛下、こちらになります」

「うむ」


 というか、何で陛下がこうして色々と動いているのかなと思ったけど、多分王妃様に色々こき使われているのかなって思っちゃいました。

 そして、王族の居住スペースの食堂に行くと、顔色が良いシンシアさんと心配そうにしているヘンリーさん、エミリーさん、シャーロットさんの姿がありました。


「あなた、マリアは大丈夫だったの?」

「ナオが直ぐに治療して、妊娠中だと分かった。外に出ているジョージ、アーサー、エドガーも、王城に戻るように指示を出した。ブレアとナンシーも、そろそろ戻るだろう」


 やっぱりというか、王妃様が陛下をこき使ったようですね。

 年末の挨拶にみんな出ていて、ブレアさんとナンシーさんとはたまたま入れ違いになっちゃったそうです。


「初めての妊娠というのは、誰もが不安になるものよ。安定期に入るまで、シンシアは屋敷でゆっくりした方がいいわね」

「わざわざ配慮頂き、ありがとうございます」


 シャーロットさんは、ニコリと微笑みながらシンシアさんのことを労わっていました。

 ヘンリーさんも、祖母であるシャーロットさんにお礼を言っています。

 その間にササっとシンシアさんを鑑定したら、やっぱり妊娠中って表示が出ていました。

 王家に関係のある人が二人も妊娠が発覚し、来年は間違いなく盛り上がりそうな気がします。


 ドタドタドタ、バタン。


「「おかーさま!」」


 すると、元気の良い足音と共にアーサーちゃんとエドガーちゃんが食堂に入ってきました。

 きっと、急いで挨拶に行った屋敷から戻ってきたんだね。


「二人とも、ちゃんとノックして部屋の中に入るのよ」

「「はーい」」


 シャーロットさんがちょっと苦笑しながら二人のことを注意したけど、気持ちは分からなくもないもんね。

 そして、シャーロットさんが二人の手を引いて医務室に案内してあげました。

 間違いなく、二人とも医務室に行ったら盛り上がるだろうね。


「シンシアさん、体調は大丈夫ですか?」

「ええ、大丈夫よ。回復魔法をかけて貰ったらだいぶ良くなったわ」


 シンシアさんの顔色はよく、僕に気を使っている訳でもなさそうです。

 念の為にエミリーさんがシンシアさんに回復魔法をかけたけど、もう大丈夫そうでした。


「しかし、赤ちゃんを授かるってこんなにも大変なのね」

「ふふ、私もこうなるとは思わなかったわ。エミリーも、そのうち分かるようになるわ」


 シンシアさんとエミリーさんは、僕のことをチラチラと見ながら何かひそひそと話をしていました。

 でも、大事件が起きている訳じゃなくて本当に良かったです。

 因みに、医務室に言ったアーサーちゃんとエドガーちゃんは、「お兄ちゃんになる!」と大喜びでした。

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