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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第三百二十六話 カエラの様子を見に行きます

「そういえば、サマンサお姉ちゃんはどこに行っていますか?」

「サマンサなら、結婚式の準備を終えて息子と一緒に村の周囲を確認しに行ったわ。去年のようなことがないように、念入りに確認するって張り切っていたわよ」


 薬屋さんの奥さん曰く、サマンサお姉ちゃんのいつもの冒険者の四人で出かけて行ったらしいです。

 村を守る兵も一緒になっての行動らしいので、きっと大丈夫ですね。


「「アンアン!」」

「クロちゃんとギンちゃんも、サマンサお姉ちゃんのお手伝いに行くの?」

「「アン!」」


 クロちゃんとギンちゃんは、サマンサお姉ちゃんの匂いが分かると言って直ぐに薬屋さんを出ていきました。

 クロちゃんとギンちゃんも加わるとなると、見つけられないものなんて殆どないんじゃないかな。


「じゃあ、僕たちは教会の様子を見に行きますね」

「そういえば、妹がお手伝い役だったね。気をつけて行ってくるんだよ」


 僕とキースたちは、薬屋さんの奥さんに手を振って教会に向かいました。

 既に教会の中はとても綺麗に掃除がしてあって、お供え物を置く仮祭壇も出来上がっています。

 そして、教会の中ではシスターさんから明日の儀式の訓練を受けているお手伝いの女性の姿もありました。

 カエラもいて、真剣に頑張っていますね。

 僕とキースも、みんなの邪魔にならないように教会の入り口から見守っていました。


「はい、では休憩にしましょう」

「「「ありがとうございました!」」」


 暫くすると、訓練も終わったみたいでそれぞれが休憩に入りました。

 すると、カエラが僕とキースの存在に気が付きました。


「お兄ちゃん、キース、来てくれたんだ!」

「キュー」


 僕もいるよとドラちゃんたちもアピールしていて、キキちゃんはカエラの肩にぴょんと飛び乗りました。

 どうやら、訓練は良い感じに進んでいるみたいですね。


「あれ? クロちゃんとギンちゃんは?」

「サマンサお姉ちゃんと一緒に、不審者の確認に行ったよ」

「あー、去年大変だったもんね」


 カエラは完全に他人事のように言っているけど、今年はカエラがシスターさんの補助をするんだから気をつけないとね。

 因みにカエラがシスターさんのお手伝いの最年少だけど、地頭が良いので所作は簡単に覚えちゃったそうです。

 そして、休憩が終わっても何故かキキちゃんはカエラの肩にいました。

 シスターさんや他の人もキキちゃんのことを知っていて、特に何も言わないから大丈夫かな。

 こうして、僕とキースは暫く教会にいて訓練の様子を眺めていました。


「「ただいま」」

「キュー」

「あら、お帰り。早かったのね」


 僕とキースは、昼食の時間よりも早く家に戻りました。

 確認できることはやったし、問題は無さそうです。

 それに、サマンサお姉ちゃんたちもいるから大丈夫かなって思いました。


「じゃあ、昼食まで時間があるから、キースはナオに勉強をみてもらいなさい」

「えー!」


 まさかのお母さんからの指示に、キースはそれはないよとブーイングをしていました。

 でもキースがお母さんに勝てるわけはないので、ショボンとしながら部屋に向かいました。

 スラちゃんが張り切ってキースに勉強を教えると言っているから、昼食の時間までみっちりと教えることになるだろうね。

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