第三百二十五話 今年の収穫祭の前日です
今年の地元の収穫祭の前日になり、僕はドラちゃんに乗って実家に戻りました。
セードルフちゃんとルルちゃんも一緒についていきたかったみたいだけど、残念ながらお留守番です。
もう少し大きくなったら、僕の地元の収穫祭にも参加できるかもしれないね。
「ナオも、来年は色々な人を連れてこれればいいわね。今年は皆さん随分と忙しいらしいね」
実家の食堂でお母さんと色々話していたけど、今年は王家の人たちはとても忙しいみたいです。
エミリーさんも公務で忙しいので、今年も僕の地元の収穫祭に参加できないと嘆いていました。
そんな中、お母さんがあるものを僕に手渡しました。
「これはサマンサの結婚式の招待状よ。結婚式は年明けに行うことになったから、ナンシーさんとエミリー様に届けて欲しいのよ」
いよいよサマンサお姉ちゃんの結婚式が決定し、僕ももちろんお祝いをします。
田舎の結婚式なので、教会でお祈りをして新居でホームパーティーをするだけです。
それでも、ウェディングドレスの準備とかでサマンサお姉ちゃんは大忙しだそうです。
ですので、今年の収穫祭ではシスターさんのお手伝いをしないことになりました。
代わりといってはなんですが、カエラが今年のシスターさんのお手伝い役になりました。
なので、僕の実家ではキースが残ってドラちゃんたちと一緒にいました。
「ナオも、年明けからはまた忙しくなるだろうね。適当にとは言わないけど、程々に頑張るんだよ」
僕の家族は僕が勇者パーティの中心として動き出したのを知っているので、お父さんは無理しないでと言っているみたいです。
僕と一緒にいるスラちゃんが、大丈夫だよと触手をふりふりしながらアピールしていました。
因みに今年は収穫祭の準備は殆ど終えていて、僕がやることはないそうです。
でも、時間が余っているので、サマンサお姉ちゃんが嫁ぐ薬屋さんに行くことにしました。
「キース、薬屋さんに行くけど一緒に行く?」
「行くー!」
「キュー」
部屋にいたキースに声をかけると、ドラちゃんたちも一緒についていくとアピールしていました。
因みに、薬屋さんは僕の実家から歩いて一分もかからないご近所さんです。
キースがいたとしても、あっという間に到着します。
「「こんにちは!」」
「キュー」
「あらあら、ナオにキースじゃない」
薬屋さんは広さと量が違うだけで、王都にある薬屋さんと殆ど変わりません。
店頭には薬屋さんの奥さんがいて、僕とキースを笑顔で出迎えてくれました。
「久々に地元に帰ったので、挨拶に来ました」
「きましたー」
「ナオは昔から律儀だね。お貴族様になっても、その辺は変わらないね」
薬屋さんの奥さんは、挨拶をした僕とキースにニコリとしてくれました。
僕の性格は貴族になっても変わらないし、何といってもサマンサお姉ちゃんが嫁ぐところだもんね。
「そうそう、結婚式をとっても楽しみにしています。僕も絶対に参加しますね。お祝いもいっぱいします」
「ナオ、ありがとうね。でも、お祝いは程々にしてくれるとありがたいわ。お金を持ちすぎると、あの三家みたいになるのではと思ってしまうのよね」
薬屋さんの奥さん曰く、かつて僕たちの村を支配していたあの三家へのアレルギーが、未だに村人の間で凄いんだって。
僕も、あの三家には酷い目にあわされたからその気持ちは良く分かるよ。
その後も、僕とキースは薬屋さんの奥さんとしばしの間談笑をしていました。




