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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第三百二十一話 やっぱりレガリアさんは凄いです

 侯爵家以外にも四家あったけど、同じ感じであっという間に治療を終えました。

 やっぱりレガリアさんの知名度は抜群です。

 この分なら昼食前に全部終わっちゃうかなと思ったら、最後の一家が曲者でした。


「ふん、どうせいい加減な治癒師を連れてきたんだろう? あたしゃ信じないよ」


 やってきたのはとある子爵家で、先代の奥さんの治療依頼でした。

 しかし、先代奥さんの部屋の前で僕たちは物凄い罵声を浴びせられちゃいました。

 その瞬間、子爵夫人の顔が固まってしまい僕たちにペコペコと何回も謝ってきました。

 これは良くないと、一旦応接室に戻りました。


「確か、先代子爵様は治療を頼んだのに間に合わなくて亡くなってしまったのよね」

「はい、その通りになります。治癒師が駆けつけた時には、お義父様は既に息を引き取っておりました。どうも、教会側で対応の不備があったようで、そのことでお義母様はかなり怒られました」


 今は大丈夫なんだけど、一時期教会の対応が悪い時があったそうです。

 今の教皇猊下になってかなり改革を進めたんだけど、昔の遺恨が残っている人がいるそうです。

 でも、こうなると一筋縄ではいかないですね。

 すると、レガリアさんがすくっと立ち上がりました。


「なら、私が話をしましょう。あくまでも公爵夫人が見舞いに来た形にして、一緒に治療しちゃいましょう。ナオ君たちはここに残って、スラちゃんとドラちゃんは私と一緒に行きましょう」

「キュー」


 おお、流石はレガリアさんです。

 確かに今の僕は冒険者の格好だし、貴族当主とは見られないかもしれません。

 でも、レガリアさんは公爵夫人に相応しい綺麗なドレスを着ているし、念の為にリルムさんも一緒についていけばバッチリです。

 スラちゃんとソラちゃんも任せてと僕にアピールしているし、バッチリと治療できるもんね。

 レガリアさんは、子爵夫人と共に再び先代奥さんの部屋に向かいました。

 そして、程なくして回復魔法の魔力が放たれるのを感じました。

 どうやら、治療は上手くいったみたいですね。

 僕は、思わずホッとしちゃいました。


 ガチャ。


「ナオ君、お待たせね」


 一時間ほどして、レガリアさんと子爵夫人がスラちゃんとドラちゃんと共に応札室に戻ってきました。

 子爵夫人がとてもホッとした表情をしているので、間違いなく治療はうまくいったのですね。

 すると、レガリアさんはこんなことを話してくれました。


「先代夫人は、治療が間に合わずに夫を亡くしたことを随分と悔いていたわ。だから、自分が治療を受けるわけにはいかないと頑なに治癒師の派遣を断っていたのよ。最後は、溜まっていたものが溢れて号泣していたわ」


 きっと、レガリアさんは先代奥さんに優しく話をしたのでしょう。

 そういう意味では、僕はそこまで話すことはできないなあ。

 レガリアさんが来てくれて、本当に良かったね。


「ルルちゃんの面倒をみるために屋敷にいる機会が多かったけど、これからはもう少し人前に出て話を聞こうと思うわ。そうすれば、更に多くの人の悩みを解決できるはずよ」


 おお、ニコリと微笑むレガリアさんをとっても凄く感じました。

 スラちゃんも、思わず拍手をしていますね。

 僕も、今日の治療の経験はとてもためになりました。

 これからは、こういう依頼も積極的に受けようと思いました。

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