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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第二百二十七話 浄化開始

 暫くして、シンシアさんが涙にくれるシスターさんを抱きしめました。


「きっと、今は色々なことを理解できずにいると思うわ。でも、お兄さんは立派よ。自分自身の罪から逃げなかったのだからね」

「ぐすっ、はい……」


 シンシアさんがシスターさんの頭を撫でながらゆっくりと話していると、段々とシスターさんも気持ちが落ち着いて来たみたいです。

 そして、シンシアさんから離れてペコリと頭を下げました。


「あの、その、抱きついちゃって本当にすみませんでした」

「いいのよ、逆にこのくらいしかできないわ」


 シンシアさんは、頭を下げているシスターさんの頭を優しく撫でていました。

 そして、顔を上げたシスターさんが、二人の境遇について話をしてくれました。


「実は、兄さんは本当の兄さんではないんです。お互い両親と死別して、それで身を寄せ合って生きていました。兄さんは本当に優しくて、いつも私のことを気にかけてくれました」


 スラム街あるあるで、親を亡くした子ども同士がきょうだいのように育つことがあるそうです。

 まさに、今回もそのパターンですね。

 そして、シスターさんのお兄さんは、シスターさんを懸命に見守ってくれたんですね。


「まだ色々と気持ちの整理が着きませんが、私もスラム街の人が悪の道に進まないように頑張ります。きっと、いつか兄さんも手伝ってくれると思います」


 そして、シスターさんもある種の決意を語ってくれました。

 きっと、シスターさんもとても素晴らしい人になる気がします。


「その為にも、我々が悪の親玉を叩かないとならない。これ以上悲劇的なことがないように、人々が安心して暮らせるようにな。それが、私たちの責務だ」

「「「はい!」」」

「キュー!」

「「ワン!」」


 ヘンリーさんの決意に、みんなも元気よく返事をしていました。

 犯罪組織は潰れても直ぐに新しいところが出来ちゃうらしいけど、それでもいまある犯罪組織を潰して犯罪組織が生まれ難い環境を作らないと。

 その為にも、今日は確実に邪神教の拠点を潰さないといけません。

 もうそろそろ邪神教の施設に人が集まる頃なので、ある程度人が集まって儀式が始まったら一気に突入して浄化も行う予定です。

 僕たちは、教会の窓から外の様子を監視していました。

 そして、監視を始めて一時間経った頃でした。


「あっ、前の建物に人が入っていきます」


 もうすっかり辺りも真っ暗になったタイミングで、如何にも怪しい人達が邪神教の拠点に入っていきました。

 突入のタイミングを見計らうので、スラちゃんがこっそりと教会から建物の中に入っていきます。

 その間に、僕たちも突入の準備を整えます。

 暫くすると、建物からスラちゃんが出てきました。


「えっと、一人を除いて人が集まったので、先に儀式を始めるそうです」

「では、突入しよう。ついでだから、その遅れてきている者も捕らえるか」


 遂に、ヘンリーさんのゴーサインが出ました。

 僕、スラちゃん、ドラちゃんは、直ぐに魔法を撃てるように魔力を溜め始めました。


「皆さま、どうかお気をつけて」


 シスターさんの声を背に受けながら、僕たちは教会を出ました。

 そして、素早く建物の陰に隠れます。

 近衛騎士が建物の中の様子を確認し、突入オッケーサインが出ました。

 僕も、既に浄化に必要な十分な魔力が溜まっています。

 そして、近衛騎士がハンドサインでカウントしていきます。


 三、二、一、ゴー!


 ガチャ!


 近衛騎士が、勢いよく建物の扉を開けました。

 直ぐさま、ダークシャドウが建物の中から溢れ出ました。

 間髪入れず、僕、スラちゃん、ドラちゃんは建物の中、そしてダークシャドウ目掛けて浄化魔法を放ちます。


 シュイン、ぴかー!

 ズゴゴゴゴ!


「な、中々の手応えです。これだと、浄化が終わるまであと五分ぐらいかかりそうです」

「分かった。ナオたちはそのままダークシャドウの浄化に専念してくれ」


 ヘンリーさんが僕たちに指示を出してくれたけど、ここ最近では中々の手強さですね。

 とにかく、僕たちは目の前の浄化に専念します。

 というか、僕たちが頑張って浄化をしないと、建物の中にいる人たちを連行できないもんね。

 そして、もう少しで浄化し終えるタイミングで、儀式に遅れているという一人がやってきた。


 パカパカパカ。


 ガチャ。


「な、な、な、何をしている!」

「何をしているは、こちらのセリフだ。オカネスキー伯爵」


 何と、豪華な馬車から降りてきたのは、ここ数日僕とオラクル公爵家に色々と噛み付いてきている、あのオカネスキー伯爵だった。

 どうやら、オカネスキー伯爵が儀式の最後の一人だったみたいですね。

 でも、よく考えるとオカネスキー伯爵は国を掌握できるだけの力を得ると豪語していたはず。

 邪神教に手を出していたのなら、力を得たという妄想に浸ることもありえるよね。


「既に、内部への潜入調査の際に、今夜の儀式にオカネスキー伯爵が出ることは把握している。邪神教に関わるだけで、捕縛対象になるぞ」

「ぐっ……」


 どうやら、午前中のスラちゃんの調査でオカネスキー伯爵が邪神教に関与していることが分かったみたいですね。

 そして、この件はスラちゃんとヘンリーさんだけが共有していたみたいです。

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