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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第二十二話 急遽王城に着ていく服を選ぶことに

 馬車は順調に街道を進み、三時前には王都に到着しました。

 まずは、完了手続きをする為に冒険者ギルドに向かいました。


「あっ、今は三人はいないんだ」

「ここ数日は、冒険者ギルドに行くたびにあの三人がトラブルを起こしていたもんなあ」


 僕の呟きを聞いたヘンリーさんが、思わず苦笑していました。

 ともあれ、平穏な冒険者ギルドが一番ですね。

 買い取りブースで倒した動物や魔物を納品し、受付で完了手続きをしました。

 うん、今日も渡された革袋の中に沢山のお金が入っているよ。

 でも、あの子爵領の森の浄化作業はとても大変だったから、もしかしたらこのくらいは普通なのかもしれないね。

 ギルドマスターも仕事で忙しそうなので、僕たちも馬車に乗って冒険者ギルドから帰ります。


「久々に、緊張しないで冒険者ギルドで過ごせました」

「ナオ君は、やっぱりかなり気を張っていたのよ。あの三人から、心理的にもかなり酷い事を受けていたからしょうがないのよ」

「ナオの心に、ここまでダメージを与えるとは。あの三人、今度見たらしめてあげないとね」

「同感ね」


 いやいや、ナンシーさんもエミリーさんも不穏な事を言わないで下さいよ。

 表情もマジになっているから、本当に騒ぎを起こさないで下さいね。

 車内が賑やかでも、馬車は普通に進んで行きます。

 そして、オラクル家に到着しました。


「では、明日はナンシーとともに馬車で王城に来ると良い。服装も、気にしなくていいよ」

「えっ、だ、大丈夫ですか?」

「心配はないよ。堅苦しい集まりではないからね」


 ヘンリーさんは勇者様スマイルで問題ないと言っているけど、ちょっと心配です。

 なので、ヘンリーさんたちを見送って、ナンシーさんとともに屋敷にいるレガリアさんに相談しました。


「ナオ君から相談してくれて、とっても嬉しいわ。ナオ君はとっても可愛いから、きっとナンシーが小さい頃のドレスも似合いそうだわ」

「うんうん、そうよね。きっと似合うわね」


 あの、親子揃って何を言っているんですか?

 僕も流石にドレスは着ませんよ。

 スラちゃんも、ふりふりと否定をしています。


「ふふ、冗談よ。息子の小さい時の服があるから、それを手直ししましょう」

「お母様、お兄様の服を沢山作っていましたよね?」

「可愛い子には、めいいっぱいおしゃれをさせてあげたいものよ」


 どこまでが本気か冗談かは分からなかったけど、レガリアさんは直ぐに数着の服を持ってきてくれた。

 サイズ合わせをしていて、衝撃的な事実が分かってしまった。


「うーん、ナオ君は息子が六歳の時の服でピッタリね。もっと食事を気をつけないとならないわ」


 何と、八歳の僕と六歳のガイルさんの服のサイズが一緒でした。

 僕も、思わずがっくりとしちゃいました。

 靴だけは揃えないといけなかったのだけど、この前買って貰った服などの中に革靴も入っていました。

 生活魔法で綺麗にして、軽く洗濯をするそうです。

 服もこれでオッケーなので、僕も一安心です。

 問題が片付いたので、僕を待っていた人が抱きついてきました。


「にーに、おふろはいろー!」


 今朝僕とお風呂に入りたいと約束したセードルフちゃんが、思いっきり抱きついてきました。

 イザベルさんは今忙しそうなので、僕はナンシーさんとセードルフちゃんと一緒にお風呂に入ることに。

 もちろん、お世話をする侍従もついてきます。

 

 ゴシゴシゴシ。


「セードルフちゃん、痛くない?」

「だいじょーぶ!」

「ふふ、良いお兄ちゃんをしているわね」


 セードルフちゃんの体は、セードルフちゃんからのリクエストで僕が洗いました。

 優しく洗うと、セードルフちゃんは気持ちいい表情をしています。

 一足先に体を洗ったナンシーさんが、湯船の中で僕たちのことを微笑ましく見ていました。


「「ふいー」」

「ふふ。ふたりとも、おじいちゃんみたいな声を出しているよ」


 そして僕たちが湯船に入って気持ちよくなっていると、湯船から出たナンシーさんがちょっと苦笑していました。

 お湯が気持いいから、仕方ないよね。


「にーに、またおふろはいろーね!」


 でも、何とかセードルフちゃんのお気に召してくれたみたいで、僕としてもとっても満足です。

 心も体も、ぽかぽかと温まったね。

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