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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第百九十五話 二人の勲章授与式

 そして、カエラとキースが勲章を授与される日になりました。

 僕も二人のお兄ちゃんとして立ち会うので、キチンとした服に着替えます。


「はい、できましたよ」

「「おー! カッコいい!」」


 女の子のカエラもドレスじゃなくてお揃いの貴族服だけど、双子だからとってもよく似合っています。

 使用人に髪の毛も綺麗にセットしてもらい、準備完了です。

 ナンシーさんも綺麗なドレスに着替えていて、ランディさんもビシッと貴族服を身にまとっています。

 ちなみに、スラちゃんはヘンリーさんと話があるのでついて来たけど、ドラちゃん、クロちゃん、ギンちゃんはオラクル公爵家でお留守番です。

 みんなで馬車に乗り込んで、王城に向かいます。


「あの、ランディさん。今日の謁見は玉座の間ですよね?」

「ああ、そうだ。人数も少ないし、勲章の格を考慮しても玉座の間で十分だと判断された」


 馬車内でランディさんと話をしたけど、多くの人が集まる謁見の間を使うほどの人数じゃないのが一番の理由なんだって。

 確かに謁見の間は広いし、偉い人は十人も集まらないはずだから大丈夫だね。

 何気に、僕も玉座の間は初めてかも。

 そして、あっという間に王城に着いて、案内の役人の後をついて行きます。


「もう、王城に来ている人がいるんですね」

「清掃や資料準備などで、朝早くから王城に来るものはいる。貴族などは、もう少し後から来るがな」


 王城内を歩きながらランディさんに質問したけど、ランディさんは偉い貴族なのにいつも朝早いよね。

 そして、暫く歩くと謁見の間のすぐ近くの玉座の間に到着しました。


「「おおー」」


 ここも、とっても豪華な装飾が施されている立派なドアが僕たちを出迎えました。

 思わず驚いているカエラとキースの気持ちも、僕はよく分かります。

 そして、二人と僕は玉座の手前まで伸びている赤い絨毯を歩いていき、切れ端のところで僕たちは膝をつきました。

 既に偉い貴族の人も来ていて、玉座のすぐ近くに並んでいます。

 ランディさんはその人たちの列に入って行ったけど、ナンシーさんは壁際のところにスタンバイしていました。

 ナンシーさんは第三王子のブレアさんの婚約者だけど、正式に結婚しているわけじゃないもんね。

 そして、暫くすると王族が袖口から入ってきたので、僕たちも頭を下げます。

 うん、何だか軽い足音が聞こえてきた気がするよ。


「一同、面を上げよ」


 陛下の声に僕たちが顔をあげたら、ジョージさんの側に綺麗な服を着たアーサーちゃんとエドガーちゃんがいました。

 僕たちににこーってしていたけど、今は式典中なのだからキチンとしないと。


「では、カエラとキースへの勲章授与式を開始する。二人は幼年の身ながら自ら奉仕活動に参加すると言い、更に自らの危険を顧みずに賊に襲われた王太后を救った。この功績は誠に大である。よって、二人に勇気勲章を授ける」

「「ありがとうございます」」


 陛下の説明に、カエラとキースも元気よく返事をしました。

 そして、係の人に胸に勲章を付けてもらいます。

 勲章自体は小さいけど、二人はまだ僕よりも小さいからとても大きく見えるね。

 周りの人が拍手をしていて、アーサーちゃんとエドガーちゃんも一生懸命に拍手をしていました。


「これで、謁見を終了する。勇気あるものを見いだせて、余もとても満足だ」


 陛下も、表情はキリッとしていたけど言葉尻はとても優しい感じだった。

 あっという間に謁見が終わったので、玉座の間から応接室に移動します。

 玉座の間にいた人もやってきたけど、アーサーちゃんとエドガーちゃんはまだとてもニコニコしていました。


「「おめでとー!」」

「「ありがとー」


 おお、ちびっ子たちは仲良く抱きついていますね。

 祝う方も祝られる方も、とっても嬉しそうにしています。

 僕も含めた面々も、ちびっ子たちのことを微笑ましく見ていました。

 そんな中、陛下がビックリすることを教えてくれた。


「エドガーも、キチンとした公務に参加したことになる。規模は小さいがキチンとした勲章授与式だから、正式な記録にもなる」

「夏までにはナオ君の法衣男爵陞爵があるだろうし、その時にも参加させる予定よ」


 あの、陛下の発言よりも王妃様の発言の方が気になるのですけど。

 法衣男爵って、いったいどういうこと?

 その理由は、ヘンリーさんが教えてくれた。


「スラム街の環境改善に取り組むとともに、多くの犯罪組織を潰すことにも成功した。浄化案件の評判も良く、既に子爵になるくらいの功績はある。スラちゃんは自分が功績を得ても面倒だから、弟分のナオ君に押しつけるみたいだけど」


 僕は直ぐさまのんびりとお菓子を食べているスラちゃんをみたけど、スラちゃんは触手をひらひらとさせながら面倒くさいのは嫌だと言っていた。

 あの、僕もスラちゃん分の功績をもらう必要はないと思うのだけど。

 そもそも、犯罪組織を潰したのは圧倒的にスラちゃんの功績だと思うよ。

 でも、陛下が教えてくれたけど立場的にスラちゃんは僕の従魔扱いなんだって。

 だから、スラちゃんだけでなくドラちゃん、クロちゃん、ギンちゃんが打ち立てた手柄も、必然的に僕の手柄になるそうです。

 僕としては、みんなが頑張ったらみんなにご褒美あげたいんだけどね。


「そうやって、ナオ君が優しくしてくれるからお友達もついてきてくれるのよ。ナオ君はいつも通りにしていて、みんなにもたまにご褒美をあげればいいのよ」


 シャーロットさんが綺麗にまとめてくれたけど、確かにみんなにもご褒美をあげないといけないね。

 ちなみに、スラちゃんはヘンリーさんから個別に美味しいものを貰っているらしいので、僕からはドラちゃんたちに美味しいお肉をあげようっと。

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