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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第百九十四話 きょうだい仲良くね

 その間にも、みんながどんどんと証拠を集めていきました。

 更に、クロちゃんの悪い人を見分ける嗅覚で屋敷の中にいる犯罪者を捕まえていきます。

 なんと、その中に公爵家の執事が混じっていました。

 簡易聴取で、長男次男のどちらが当主になっても自分に有利になるように動いていたそうです。

 他にも、次男の件とは全く関係ない横領などの罪で捕まった人もいました。

 この結果に、侯爵は大変なショックを受けていました。


「侯爵、思うことは多々あると思うが、今は心を落ち着ける必要がある。明日、もう一度屋敷に行く予定だ」

「殿下、お気遣い頂き感謝する。馬鹿な子ほど可愛いと言いますが、賢い長男と比較してまさに次男に関してはそうでした」


 かなり悔しそうな表情の侯爵が印象的だったけど、父親としてとても複雑な思いなのだろう。

 何とかまともになってもらおうと、出来ることはやってきたのでしょうね。

 いずれにせよ今日はここまでなので、僕たちは引き上げることになりました。


「うーん、親兄弟なのに殺そうとすることがあるんですね」

「貴族の場合は、当主になるのとならないのでかなりの差が出てしまう。次男は自分が優秀だと信じてならなかったようで、次期当主の座を諦められなかったみたいだな。どうも、失敗した時のリスクは全く考えていなかったみたいだ」


 周囲のことを考えずに自分のことだけを考えていたので、計画が破綻した時に大きなしっぺ返しが来てしまうそうです。

 贅沢をするためだけに当主になろうとして、その結果多大な責任を果たさないとならなくなったそうです。


「次男はまだ犯罪組織にお金を渡した状態で、犯罪組織もそのお金を他の犯罪には使っていなかった。なので、まだ侯爵家内の事件として扱われるが、もし資金を使って別の犯罪を犯していたらかなり大事になっただろう」


 でも、実際に金品のやり取りがあったので、犯罪を計画から実行に移す段階だと判断されるそうです。

 犯罪組織が絡んでいるので裁判にかけられるらしいけど、厳しい処分が待っているのは確実だそうです。

 僕のきょうだいはとても仲がいいけど、そこまでいがみ合うきょうだいもいるんだね。

 ちょっと複雑な気持ちになりながら、オラクル公爵家に到着しました。


「「「おかえりー!」」」

「あぶー」


 屋敷に到着すると、庭で遊んでいた面々が元気よく僕たちを出迎えてくれました。

 この子たちは、まだ小さいのもあってか本当に仲がいいですね。

 あの侯爵家の長男次男も小さい頃は仲が良かったのかなと、そう思ってしまいました。


「おにーちゃん、元気ない?」

「元気ないの?」


 そんなことを考えていたら、カエラとキースが心配そうな表情で僕のことを覗き込んでいました。

 うん、いつまでも暗いことを考えないで気持ちを切り替えないとね。


「大丈夫だよ。そろそろ暗くなるから、屋敷に入ろうね」

「「はーい」」


 ということで、僕たちは屋敷に入ってそのまま一緒にお風呂に入りました。

 そして、夕食時にランディさんがカエラとキースの勲章授与について色々と教えてくれました。


「そんなに大げさな式典にするつもりはなく、関係者だけ集まってササッと終わらせるつもりだ。ナオ君も立会人としていてくれれば助かる」

「きょうだいのことなので、もちろん立ち会います」

「そうか、それは助かる。朝イチで式典を行い、そのまま奉仕活動に移ることになる。奉仕活動をしつつスラム街の改善をしたので、ナオ君たちの評判もとても良いよ」


 予定通り、二人が実家に戻る前日に勲章授与を行います。

 たぶんお褒めの言葉を貰って、勲章を渡して終わりですね。

 二人ともその後の奉仕活動に参加する気満々だし、やる気があるのは良いことです。

 服装もバッチリみたいだし、礼儀作法も大丈夫です。

 まあ、元から二人はお母さんに色々と仕込まれているみたいだけどね。

 というか、お母さんってどこでそんな礼儀作法を学んだのだろうか。

 ヘンリーさんたちとも、普通に礼儀正しい会話をしていたよね。

 うーん、色々と謎だ。


「ほらほら、料理が冷めちゃうから早く食べましょうね」


 考え事をしていたら、イザベルさんが僕に声をかけてくれた。

 よく見ると、ルルちゃんが僕の料理を狙っていてソラちゃんに止められていますね。

 ちょっと苦笑しながら、僕は目の前の料理を食べました。

 カエラとキースを実家に送る時に、お母さんに聞いてみればいいよね。

 しかし、今日は殆ど何もせずに終わっちゃったよ。

 もっとみんなのお手伝いができるように、もっともっと強くならないと駄目だね。

 魔法や剣技もそうだけど、今やっている勉強も頑張らないと。

 そう思いながら、僕はお肉を頬張りました。

 ちなみに、ルルちゃんはお腹いっぱいになっていたので、僕の料理への興味は無くなってソラちゃんと遊んでいました。

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