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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第百七十九話 今日もスラム街で活動をします

 翌日、更に多くの兵に守られながら僕たちはスラム街にやってきました。

 兵の中にはスラム街出身の人も結構いるらしく、自分たちの育ったところを良くするのなら是非とも手伝いたいと言っていました。

 それに、ヘンリーさんも王都の巡回部隊をもう少し増やしたいと言っていたので、良い人材がいれば軍にスカウトすると言っていました。

 僕が治療していた人も、体が良くなれば働きたいって言っていた人もいたもんね。

 きっと、やる気のある人材は見つかるはず。

 ということで、僕はここ数日と同じく最初に建物の浄化を行います。

 スラちゃんは、またまたヘンリーさんと特殊活動をするそうです。

 午前中に犯罪組織を二つ潰すと、スラちゃんはやる気になっていました。


 シュイン、ぴかー!


「本当にスラム街は、よどんでいる建物が多いなあ。少しずつ、時間をかけて浄化するしかないね」

「キュー」

「キャンキャン」


 僕と一緒に浄化作業を手伝ってくれているドラちゃんとクロちゃんも、とても大変なお仕事だと認識していました。

 でも、諦めずに頑張らないといけないですね。

 こうして、今日も手早く十件の建物の浄化を終えました。

 夕方になればまた一区画の廃墟の撤去が完了するので、またまた土魔法の仮設住宅を作ります。

 ではでは、次は無料治療の準備ですね。

 僕は、スラム街入り口にある教会に移動しました。


「「「ドラちゃんだ!」」」

「キュー!」


 教会の中では、保護された子どもたちがドラちゃんを熱烈歓迎していました。

 少しずつ体調も良くなってきているけど、念の為にドラちゃんが回復魔法をかけていました。

 というのも、今日はシンシアさんが炊き出しの補助をしているからです。

 シャーロットさんに何かあってはいけないので、護衛を兼ねるそうです。

 そして、ナンシーさん、エミリーさんクロちゃんが、炊き出しや無料治療に並んでいる悪い人をたくさん捕まえるぞと意気込んでいました。

 これなら、安全が確保されるのも当然ですね。

 治療を始めて少しすると、ちょっとした動きがありました。


 パカパカパカ。


「あっ、護送用の馬車がたくさん来たね。きっと、ヘンリーさんとスラちゃんが犯罪組織を壊滅させたんだ」

「キュー」


 治療を受けるために並んでいた人たちも思わず護送用の馬車を見ていたけど、このままだと本当に午前中のうちに二つの犯罪組織を壊滅させそうだね。

 僕とドラちゃんの意見は一致していたけど、僕たちは治療を頑張らないと。

 そう思って、とにかく治療を頑張りました。


「またまた、保護した子どもが増えましたね」

「でも、仮設孤児院ももう少し余裕があるわ。まだ大丈夫よ」


 忙しい奉仕活動の合間に教会内でぱぱっと昼食を済ませたけど、今日も複数の孤児を保護しました。

 シンシアさんが大丈夫って言ってくれたけど、実は教会の裏手の廃墟を取り壊してもう少し大きな仮設孤児院を作ることになりました。

 ちなみに浄化も終えていて、手の空いたスラム街の人々が作業するそうです。

 ボロボロの廃墟でも、完全に取り壊すには数日かかるそうです。

 こればっかりはしょうがないですね。

 ちなみに、キチンと報酬も出ているのでスラム街の人々も安心して働いています。

 流石にボロボロの廃材の再利用はできないので、専門店が引き取って薪にしたりするそうです。

 そんなことを話していると、今度は遊撃班として動いていたナンシーさん、エミリーさん、クロちゃんが昼食を食べに教会内に入ってきました。


「はあ、流石に疲れたわ。やはりスラム街だけあって、重犯罪が多かったわね」

「それでいて、平然と炊き出しに並んでいるのよ。普通にあり得ないわ」


 ナンシーさんはともかくとして、エミリーさんはとてもプリプリしていますね。

 たくさんの犯罪者を捕まえたのもあるけど、自分が犯した罪の意識を認識していないことに怒っていました。

 確かに、今まで捕まった人を見ると罪の意識が低いっぽい人が多かったよね。


「ハグハグハグ」


 ちなみに、大活躍だったもう一頭のクロちゃんは、お腹ペコペコなのか勢いよく昼食用のお肉を食べていました。

 まだまだ成長中の子狼だから、ご飯をいっぱい食べないとね。

 ドラちゃんは、昼食を食べ終えてちょっとまったりモードです。

 僕の腕の中で、のんびりしています。


「そうそう、中には炊き出しに並んでお祖母様に直接危害を加えようとしたものがいたわ。思わずぶん殴ってやったわ」


 文句を言いながらエミリーさんが昼食を食べていたけど、シンシアさんとナンシーさんも何度も頷いていました。

 そんな酷い人がいるなんてと、僕とドラちゃんもちょっと怒っています。

 でも、シャーロットさんは鉄壁のガードを受けながら炊き出しを手伝っているし、シンシアさんがいない時は女性兵三人体制での護衛だそうです。

 まあ、その前に遊撃班の面々が全員捕まえているけどね。


「さて、じゃあ私はお祖母様のところに戻るわ。ゆっくり体を休めるのも大切な仕事よ」

「キュー」

「キャン」


 長椅子から立ち上がってシャーロットさんの元に戻るシンシアさんを、みんなで見送りました。

 僕も、もう少し休憩したら治療に戻らないと。

 きっと、多くの人が並んでいるはずだもんね。

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