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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第百六十七話 王城で会議です

 建物の中から、暗黒杯の影響を受けた血を飲んだ人以外の人も運ばれていきました。

 既に兵が多数控えていたので、連行するのもとってもスムーズです。

 そして、意外と直ぐにヘンリーさんたちが建物の中から出てきました。


「暗黒杯はあったが、幸いにしてあまり血は溜まっていなかった。拠点を作っている最中だったのだろう」

「だから、ここは残った兵に任せればいいわ。スラちゃんに確認してもらったけど、ほぼ重要なものはなかったわ」


 シンシアさんが言っているけど、スラちゃんチェックまで終わっているのなら安心ですね。

 クロちゃんももうダークシャドウの反応はないと言っているし、僕たちは一旦王城に行くことにしました。


「新たに拠点を作るということはあまり良くない。邪神教が勢力衰退しているのなら、新たな拠点を作ることすらできない」

「そう考えると、邪神教に手を貸しているものがまだいると考えた方が良さそうね」

「考えたくはないが、その可能性は高いだろう。本当に頭の痛いことだ」


 馬車内でヘンリーさんとシンシアさんが深刻そうに話をしていたけど、いったい誰がこんなことに手を貸しているんだろうか。

 連行した人への聴取と町の人からの情報、それにクロちゃんの鼻の良さくらいしか手がかりがないんだよね。


「末端の拠点なんて、幾らでもできるものだ。元を絶たないとどうしようもない。その辺の対策も含めて、これから会議をする」


 ということで、僕も一緒に会議に参加することになりました。

 流石にドラちゃんとクロちゃんは会議室に行っても理解できないので、アーサーちゃんとエドガーちゃんのところに向かいました。

 友達同士、仲良く待っていてほしいです。


「誰かが後ろで資金提供をしている可能性は高そうだ。王城としても、不明瞭な資金の流れがないか調査を行おう」


 陛下は、万が一王城から資金が流れていないか調査を行うと言っていました。

 そんなことはないと思いたいけど、やることはやると言っていました。


「ヘンリーたちは、明日明後日の調査結果を受けてどう動くか決まるな。まずは、目の前にあるやるべきことをやろう。母上の炊き出しに話を聞く件は、国民から町の改善案を聞くという建前で行おう。これなら、不審に思われることはないだろう」


 本当に、慎重に慎重を期すやり方で行うんですね。

 どこで聞き耳を立てているか分からないから、念入りに行うみたいです。

 そして、ここから別の話に変わりました。


「これだけ町の浄化が進めば、町の再編計画もかなりのペースで進む。屋敷の再編と合わせると、効果は計り知れないな」

「スラム街の再編もありますが、それも徐々に進めていくべきかと。特に、スラム街には教会では浄化できないよどみのある建物が複数あります。しかし、ナオ君にかかれば些細なことかと」

「うむ、そうだな。現時点で男爵級の活躍をしているが、スラム街再編を達成すれば伯爵陞爵でも全く問題な」


 あの、陛下とランディさんが何やらニヤニヤしながら話をしているんですけど。

 今の準男爵でさえ凄いと思っているのに、伯爵だなんて僕にはもったいないですよ。

 他の人も、当然だとうんうんと同意しないで下さい。


「ナオは、屋敷の浄化をすることで多数の貴族に恩を売ったことにもなった。今まで屋敷の数の問題で貴族街に住むことができなかった貴族が、晴れて屋敷に住むことができるんだからな。商店街でも、使えなかった店舗が使えるようになる」

「今まで誰も出来なかったことを、ナオ君が成し遂げたんだ。それに、あくまでも勇者様パーティの一員として活動している立場を崩さないから、王家の名を上げることにも繫がっているんだよ」


 陛下とランディさんが何か言っているけど、とりあえず町の人の役に立っているのは間違いなさそうです。

 実際に、町のおばちゃんがありがたいって言ってくれたもんね。

 ということで、僕たちは今後も浄化作業を継続することになりました。

 場合によっては、地方の大きい領地から頼まれることもあるそうです。

 こうして話し合いは終わったので、僕たちはアーサーちゃんとエドガーちゃんの所に向かいました。


「だからね、これからも町の人のために浄化作業を続けることになったんだよ。ドラちゃんもクロちゃんも頑張ろうね」

「キュー!」

「キャンキャン!」


 ドラちゃんとクロちゃんには、今後も頑張ろうねという話をしておきました。

 まだまだ僕よりも小さいから、余計なことを言ってもしょうがないですもんね。

 すると、今度はアーサーちゃんとエドガーちゃんが僕たちに話しかけてきました。


「ナオにーに、プリンちゃんかつやくできる?」

「ブドーちゃんは?」


 そっか、ドラちゃんだけでなくクロちゃんも活躍し始めたから、プリンちゃんとブドウちゃんのことを心配していたんですね。

 でも、二匹ともとっても凄いスライムだけど、まだまだ小さいからこれからです。

 僕は、ちょっと不安げな二人の頭を撫でながら話しかけました。


「プリンちゃんもブドウちゃんも今はまだ小さいけど、大きくなったらスラちゃんやシアちゃんみたいに凄いスライムになれるよ」

「「ほんとー?」」

「本当だよ。ほら、スラちゃんも大丈夫だって言っているよ。だから、アーサーちゃんやエドガーちゃんみたいにいっぱい食べて大きくならないとね」

「「うん!」」


 ようやく、二人と二匹も元気になってくれました。

 これで一安心ですね。

 そんな僕たちのことを、シャーロットさんとマリアさんが微笑ましく見ていました。

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