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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第百六十話 クロちゃんと一緒に屋敷の浄化作業

「まてー!」

「キャンキャン!」


 クロちゃんが仲間になって、早くも半月が経ちました。

 今日も、セードルフちゃんとクロちゃんは寒いのに元気に庭を走っています。

 クロちゃんの体調もほぼ良くなり、ご飯もいっぱい食べています。

 実は狩猟や番犬代わりにオオカミを飼っている貴族は普通にいて、なんと繁殖専門のお店まであるそうです。

 なので、飼い方や食事などもバッチリ揃っています。

 因みに僕がお金を出すと言ったら、スラちゃんが自分が出すと頑として譲りませんでした。

 スラちゃんはヘンリーさんと一緒に行動した際に特別報酬をもらっているので、意外とお金を持っています。

 ここのところは催眠術を使ったお仕事もしているので、僕よりもお金をもらっているかもしれません。

 そんなこんなで、今日はクロちゃんも一緒に町の浄化に行きます。

 念の為に首輪とリードをつけるけど、クロちゃんはとてもお利口だから多分要らないかも。

 迎えの馬車もやってきたので、さっそく乗り込んで町に向かいます。


「今日は、貴族の屋敷を中心に浄化する。予定では四件だが、場合によっては追加する可能性もある」


 ヘンリーさんが今日の予定を話してくれたけど、クロちゃんが他の屋敷のよどみを見つけちゃうかもしれないね。

 ということで、さっそく一軒目の屋敷に向かいました。


「キャンキャン!」

「うん、ここは僕にも分かるよ」


 教会謹製のお札がたくさん貼ってある屋敷の前に着くと、クロちゃんもよどみに激しく反応していました。

 因みに、何故かクロちゃんのリードをシアちゃんが触手で持っていました。

 シアちゃんが持っていても問題ないレベルだし、先輩として後輩のクロちゃんに色々教えたいみたいです。

 では、さっそく浄化を始めましょう。


 シュイン、シュイン、ぴかー!


「キャン!」

「いやあ、相変わらず凄い浄化魔法だね」


 ヘンリーさんたちが見守る中、一分くらい浄化魔法を放つとすっかりよどみの反応がなくなりました。

 クロちゃんも問題ないと、尻尾をふりふりとしています。

 確認の手間が省けて、僕としてもとても助かります。

 では、次の屋敷に向かいましょう。


「キャン!」

「ここはそこまでではないのだが、教会の聖職者の力では浄化できなかったところだ」


 僕たちと一緒に訓練した大教会の聖職者が町の浄化をしているんだけど、たまに浄化しきれない時があるんだって。

 だから、ヘンリーさんはそういうところを引き受けているそうです。

 ここは、三十秒もあれば浄化できそうです。


 シュイン、ぴかー!


「ナオにかかると、どんなところもあっという間に浄化できるわね」

「本当ね。失敗したことがないから、感覚が麻痺しちゃっているけど」


 エミリーさんとナンシーさんがちょっと呆れながら僕たちの浄化を見ているけど、僕たちもスラム街で見つけた邪神教の拠点は浄化するのにとても大変だったよ。

 それに比べると、確かに町の浄化はとても楽です。

 こうして予定通りに浄化を進めたんだけど、魔力がまだまだ残っていたので追加二件の浄化を行うことにしました。


「すー、すー」

「ふふ、気持ちよさそうに寝ているわね」


 そして、クロちゃんは僕が背負っている大きめのリュックサックの中ですやすやと寝ています。

 まだ小さい子どもだから、たくさん動くと疲れちゃうんだよね。

 それに全然重くないから、僕が背負っていても大丈夫です。

 こうして、背中にクロちゃんの重さを感じながら、残り二件の浄化を進めました。


「今日はここまでだな。時間が出来たらスラム街の浄化を進めたいが、残念ながら五日間は私とシンシアが活動できないのだよ」

「ヘンリーさんも、お仕事がとても大変ですね」

「新年になったばかりってのもあって、こればかりはどうしようもない。これを乗り切れば、当分は時間が作れるはずだ」


 新年から動く施設とかもあって、公務で式典とかに出ないといけないそうです。

 ヘンリーさんとシンシアさんはとても真面目だから、そういう式典を欠席することはありません。

 ということで、五日間は商店街の浄化を進めることにしました。

 でも、浄化をするのは午後からです。


「午前中は、礼儀作法の勉強があるのよね……」

「私もなのよ。わざわざ王城に行って、礼儀作法の勉強をするとは……」


 エミリーさんとナンシーさんがげんなりしながら予定を教えてくれたけど、王女様だったり王族に嫁ぐ人って勉強が大変なんだそうです。

 他人事のように思っていたら、何故か僕にまで話がまわってきました。


「そうだ、ついでにナオも礼儀作法の勉強をすれば良いのよ。ナオも貴族だし、礼儀作法の勉強をしても全く問題ないわ」

「むしろ、ナオ君は礼儀作法の勉強をやらないと駄目な立場なのよ。明日先生に聞いてみましょう」


 うう、僕まで礼儀作法の勉強をする流れになっちゃいました。

 しかも、ヘンリーさんやシンシアさん、スラちゃんまでこの案に激しく同意しています。

 なんで、こんなことになったのだろうか……

 僕は、思わずガクリと崩れ落ちちゃいました。

 その間にヘンリーさんが通信用魔導具で王城に連絡をして、結局僕まで礼儀作法の訓練をすることが確定しました。

 ドラちゃんとクロちゃんはオラクル公爵家に残るつもりだし、スラちゃんもヘンリーさんたちと別行動するそうです。

 うう、五日間乗り切れるか全く自信がありません……

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