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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第百四十五話 屋敷に現れた人

 翌日にかけて頑張って浄化を行い、合計で十ヶ所の屋敷を浄化しました。

 これで、当分は屋敷の浄化をしなくても問題ないってことになりました。

 ボンバー伯爵の乱入はあれ以降なく、平穏無事に進みました。

 というのも、帰省した時にボンバー伯爵の手下がお母さんたち主婦陣にボッコボコにされたという噂が流れたからです。

 サマンサお姉ちゃんが襲われたのは冒険者活動中で関係者もそこまで多くなかったけど、ボンバー伯爵の関係者が撃退された時は多くの人がいました。

 なので、噂話が一気に広まり、バルガス伯爵領が王都に隣接するのもあるので王都にも時間差で広まりました。

 ボンバー伯爵は情けないっていうのと、白銀の竜使いの一家も強いという二つの噂です。

 そのため、ボンバー伯爵とその関係者は動きにくくなっていました。


「悪いことをして自爆したのだから、自業自得としかいいようがない。これ以上馬鹿なことをしないかと監視は続けるが、体裁を気にする奴らだから暫く動けないだろう」


 帰りの馬車内でヘンリーさんが言っていたけど、他の人も問題ないって言っていました。

 個人的には、僕の家族はとても強いって噂が流れるのはどうかなって思っちゃいます。

 こうして今日のお仕事を終えて屋敷に帰ると、なんとびっくりする人が来ていました。


「ナオ、お帰り」

「あっ、サマンサお姉ちゃん。どうしたの?」

「ほら、地元で変な噂が立っちゃったから活動しにくくなっちゃったのよ。他の人たちはうちの仕事があるけど、私はないから思い切って王都に来たのよ」


 サマンサお姉ちゃんなら一人でも余裕で活動できるけど、わざわざ王都に来るなんて。

 これには、僕もびっくりです。

 そして、もう一つ王都に来た理由がありました。


「事件が起きているから、ナオの様子を見に行ってって言われたのよ。それでオラクル公爵家のお屋敷に来たら、少し待っていてねって言われたのよ」


 どちらかというと、お母さんじゃなくてお父さんが僕の様子を心配しそうです。

 それにしても、馬車でも一日で着く距離だとはいえ、行動力が凄いですね。

 僕の様子を見たらどこか宿を取ろうとしたらしいのですが、ぜひ泊まっていってと言われたそうです。

 すると、ヘンリーさんがサマンサお姉ちゃんにあることを聞いてきました。


「ナオ君のお姉さんは、いつまで王都にいる予定ですか?」

「最低でも一週間はナオの様子をみる予定です」


 ふむふむと、ヘンリーさんが頷いていました。

 僕的には、サマンサお姉ちゃんは事件が落ち着くまで王都にいる気がしますよ。

 というか、自分も事件に巻き込まれたからちょっと頭にきているかもしれません。


「それなら、明日ナオ君たちに同行してくれませんか? 私とシンシアが公務で不在なので、代わりに同行してくれるとありがたい。もちろん、規定の報酬をお支払いします」

「私でよければお手伝いいたしますわ」


 おお、なんということでしょう。

 明日、まさかのサマンサお姉ちゃんが一緒になるなんて。

 僕は普通の魔法使いだけど、サマンサお姉ちゃんは僕とは比べ物にならない超人さんなんだよなあ。

 張り切ってやりすぎないか、とっても心配です。

 こうしてヘンリーさんたちと別れて、僕は屋敷に入りました。


 たたた!


「おかえりー!」

「わっ。セードルフ、ただいま」

「にへー」


 玄関に着くと、セードルフちゃんがナンシーさんにニコニコ顔で抱きつきました。

 仲が良いきょうだいだなって見ていたら、サマンサお姉ちゃんがとんでもないことを言ってきました。


「ナオも、小さい時は『お姉ちゃん、お帰り』って抱きついていたのよ」

「わあ、ちっちゃい時ですよ!」

「へえ、そーなんだ!」


 セードルフちゃんが、キラキラした目でサマンサお姉ちゃんを見ていました。

 何だかとっても嫌な気がします。


「じゃあ、後でナオの小さい時のことを話してあげるね」

「やったー!」

「ナオ君の小さい時の話なんて、とても面白そうだわ」


 サマンサお姉ちゃんとナンシーさんと手を繋いでいるセードルフちゃんが、とっても嬉しそうな声を上げていました。

 うう、こうなったらもう止められないです。

 こうして、夕食の時にサマンサお姉ちゃんが僕の昔話をいっぱい話しちゃいました。

 レガリアさんやイザベルさんも盛り上がっちゃって、もう僕も止めることができません。

 何だか、とてもいたたまれない気持ちになっちゃいました。


「すー、すー」


 そして、サマンサお姉ちゃんは僕の部屋に一緒に泊まることになり、僕を抱き枕みたいにして抱きしめながら寝ていました。

 がっしりと捕まれちゃったので逃げ出すことはできず、結局そのまま僕も寝ちゃいました。

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