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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第百四十三話 とても大変な浄化対象

 翌日は、ヘンリーさんたちと一緒に王都内の建物の浄化作業を行います。

 二つの事件関係で何か動きがあるかもしれないということで、今日は王城のすぐ近くで直ぐに動けるようにします。

 やってきたのは、なんとオラクル公爵家の屋敷からも程近い大きなお屋敷でした。


「以前は王弟が住んでいたのだが、相続を巡って事件が起きたそうだ。そして、恨みによる怨念が残ったという」

「な、何だかちょっと怖いです……」

「実際に教会の聖職者が浄化を行ったのだが、全部対応しきれずよりよどみが大きくなったという。なので、こうして厳重に封印している状態だ」


 なんというか、屋敷の中からどよーんと嫌な感じが洩れっちゃっているので、僕もドラちゃんも思わず身震いしちゃいました。

 近所では幽霊屋敷として有名なんだけど物件としてはとても良いものらしく、浄化すれば直ぐにでも住みたいって思っている貴族がいるそうです。

 なんだかんだ言って、王族関係者が住んでいた屋敷に住むことが一種のステータスらしいです。

 ということで、最初から全力の浄化を行います。


 シュイン、シュイン、シュイン、ぴかー!


 屋敷の外から、浄化の眩しい光が屋敷全体を包み込みます。

 僕とスラちゃん、ドラちゃんの全力浄化なんだけど、長年浄化できなかっただけあって中々大変でした。

 一分近く浄化を続けて、ようやくなんとかできました。

 でも、屋敷の外からの浄化だったので、念のために屋敷の中に入ってもう一回浄化を行います。


 シュイン、シュイン、シュイン、ぴかー!


 浄化自体は上手くいったみたいで、よどみは綺麗さっぱり消えていました。

 屋敷は庭も草が伸びて荒れ放題で、尚且つ屋敷も暫く使われていなかったのでだいぶ汚れていました。

 長い間使われていなかった形跡が、手に取るように分かります。

 それでも、掃除を行う専門業者の手にかかればあっという間に綺麗になるそうです。

 大きなお屋敷なのに、業者さんって凄いんだなって思っちゃいました。


「さて、では次の屋敷に向かおう。次の屋敷も、中々大変なところだ」

「ああ、あの屋敷ね。ちょっと曰く付きの屋敷なのよね……」

「仕方ないだろう、私だって浄化してもあの屋敷に住むのは嫌だ。でも、早く片付けないとならない」


 ゲンナリとしたシンシアさんにヘンリーさんが苦笑しながら答えていたけど、ナンシーさんとエミリーさんもテンションがガタ落ちになるところらしい。

 近衛騎士もゲンナリするほどの屋敷だなんて、逆に興味を持っちゃった。

 また直ぐ近くなので、歩いて移動することになりました。


 どよーん。


 建物の側でも直ぐに分かるくらい、ものすごくよどんでいる屋敷が現れました。

 厳重に封印されているはずなのに、いやーな空気が屋敷の周辺から漏れている気がします。

 まるで、屋敷の周辺だけ景色が歪んでいるみたいです。

 ここまで酷いよどみが漂っているなんて、いったい何があったんだろうか。


「この屋敷の当主であったものは女好きでな、不倫相手とその旦那によって滅多刺しにあったんだ。今でも、その怨念がこの屋敷を包み込んでいるのだ」

「どうしようもない理由でお家断絶したのよね。しかも、多くの貴族家を巻き込んだ大騒動になったらしいし」


 ヘンリーさんの説明にシンシアさんが補足したけど、なんというかとんでもない理由で大変なことがあったんだ。

 ナンシーさんとエミリーさんも、思わず顔をしかめるような内容です。

 すると、不意にエミリーさんが僕に質問してきました。


「ナオは浮気とかする?」

「しないですよ。いけないことですし、とっても悪いことです」

「うん、そうよね。ナオは誠実な人だもんね」


 なぜかエミリーさんはホッとしているけど、そもそも僕は背も低いちびっ子だしモテる要素はないと思うけどなあ。

 女性陣とスラちゃんが僕たちのやりとりを見てくすくすとしているけど、まずは目の前の強敵を片付けないと。

 僕たちは、改めて魔力を溜め始めました。


 シュイン、シュイン、シュイン、ぴかー!


「わあ、これはちょっと大変です!」

「キュー!」


 なんというか、今までの建物の浄化で一番大変です。

 屋敷内を漂っているよどみが、まるでゼリーみたいに濃密なんです。

 ちょっとずつ時間をかけて浄化していきました。


「はあ、はあ、はあ、な、なんとか終わりました……」

「キュー……」

「ナオ君、ご苦労様。休んでくれ」


 流石に全力で十分近く浄化をしたので、僕もだけどスラちゃんとドラちゃんもヘロヘロです。

 ペタリと座り込んで、袖で汗を拭いました。

 真冬なのに、もう汗だくです。


「な、ナオ、大丈夫?」

「だ、大丈夫です。さ、流石に魔力が空っぽになるくらい疲れちゃいました……」

「ゆっくり休んでて良いわ。汗を拭いて、体を冷やさないようにね」


 エミリーさんだけでなく、シンシアさんとナンシーさんもタオルを渡してくれたり、飲み物をくれたりしました。

 というか、汗を拭いて一気に着替えちゃいました。

 スラちゃんとドラちゃんも、飲み物をごくごくと飲んでいます。


「流石に、ナオ君でも大変だったか。屋敷の中の確認は、明日以降にする」


 ヘロヘロな僕たちを見て、ヘンリーさんも今日は終了と言ってくれました。

 お仕事を始めてからまだ一時間くらいしか経っていないけど、こればっかりは仕方ないですね。

 今いる場所からオラクル公爵家まですぐなので、僕たちは歩いて向かいました。


「皆さん、お疲れ様です」

「お疲れ様。私たちは王城に行くけど、ナオ君はゆっくり休んでね」

「また明日会いましょう」


 僕はオラクル公爵家の前でみんなと別れました。

 ナンシーさんもエミリーさんも一緒に王城に戻って、お仕事とか勉強をするそうです。

 僕は、少し休んでから勉強しようと思いました。

 因みに、レガリアさんに今日浄化した屋敷を話したら、よくあの凄い屋敷を浄化したねと驚かれちゃいました。

 そして、部屋に戻ってベッドに入ると、ちょっと休憩のつもりが昼食前までガッツリ寝ちゃいました。

 思った以上につかれちゃったんですね。

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