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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第百三十六話 今のうちに帰省します

 新年の次の日は、軍の内偵が続いているのもあって僕たちは特にやることはありません。

 なので、今のうちに実家に帰って新年の挨拶をすることにしました。

 ちなみに、ナンシーさんとエミリーさんも同行したいと言っていたけど、王城で来客対応があるらしいので泣く泣く断念しました。

 オラクル公爵家からの贈り物も、僕のアイテムボックスに入れて準備万端です。


「ナオ君、ゆっくりしてきていいのよ」

「帰りは明日で良いわ」

「えー」


 レガリアさんとイザベルさんのご厚意で、帰りは明日の夕方になりました。

 セードルフちゃんはちょっと不満そうだけど、こればかりは仕方ないですね。

 ということで、庭に移動して大きくなったドラちゃんに乗り込みました。


「いってきまーす」

「「気をつけてね」」

「いってらっしゃーい!」


 こうして、僕はオラクル公爵家の人々に見送られながら実家に帰省しました。

 とはいえ、王都から実家のあるバンザス伯爵領は隣接しているので、ドラちゃんにかかれば僅か数分で辿りつきます。

 こうして、あっという間の空の旅は終わり、実家前に着陸しました。


 ガチャ。


「「帰ってきたー!」」


 ドラちゃんの着陸もあったので、実家からカエラとキースが笑顔で飛び出してきました。

 僕にぎゅーって抱きついてきたけど、スラちゃんとドラちゃんも双子に抱きついていますね。

 すると、サマンサお姉ちゃんも家から出てきました。


「あらあら、みんな仲良しね。外は寒いから、早くうちに入りなさい」

「「はーい」」

「キュー」


 僕は、両手を繋がれた状態で家の中に入りました。

 すると、ちょうど朝食後だったのかお母さんが後片付けをしていました。

 お父さんも、お茶を飲みながら僕を出迎えてくれました。


「ナオ、お帰り。今日はどうするんだ?」

「お父さん、ただいま。今日は泊まって、明日の夕方に帰るよ」

「「やったー!」」


 質問したのはお父さんなのに、喜んでいるのは双子だった。

 お母さんもあらあらって言っているけど、とっても嬉しそうな表情をしていました。

 ちなみに、今日は大官邸に有力者が集まって新年の挨拶があるそうです。

 僕の家だと、お父さんが行って話を聞いてきます。

 すると、お母さんがこんなことを言ってきました。


「うーん、ナオも一緒に行った方がいいわね。昨年色々あったし、それに今のナオは準男爵だもんね」

「「えー!」」


 おやおや、今度は僕と遊べなくてブーイングをしている人がいるよ。

 でも、スラちゃんとドラちゃんは実家に残るし、一緒に遊ぶのは問題なさそうですね。

 ということで、身支度を整えてお父さんと一緒に大官邸に向かいました。

 すると、道中で会った人に次々と声をかけられました。


「おお、ナオも来ていたのか。去年は色々と世話になったな」

「あの馬鹿どもを倒してくれてありがとうな」


 多くが、皆に迷惑をかけていた代官と三人の家族の問題を解決してくれたとお礼を言っていました。

 僕としては、そこまで特別なことをしたつもりはないんだよね。

 僕も普通に返答していたんだけど、何だか話がおかしい方向に進んでいきました。


「いやあ、もう直ぐナオも男爵様か。どんどんと出世していくんだろうなあ」

「ちげーねーな。王女様と結婚して、大豪邸に住むんだろうな」


 あのあのあの、僕はもうこれくらいで十分ですよ。

 これ以上出世しなくて良いんです。

 僕がぴょんぴょんと飛び跳ねながら否定しても、全く聞いてくれませんでした。

 お父さんも、思わず苦笑いです。

 そして代官邸に入っても、集まっている人から同じことを言われちゃいました。


「うむ、ならナオ君は特別席に座ってもらった方が良いだろうな」

「「「そーだな」」」


 なんと、新しい代官からも凄いことを言われちゃいました。

 周りの人も同意しちゃったので、僕だけ前に用意された椅子に座ることに。

 他の人が立っているのに、僕だけ良いのかなって思っちゃいました。


「どうせ来年はもっと凄いことになっているんだ。今年は予行演習だと思えば良いだろう」

「んだんだ、凄いお貴族様になるだろうな」


 こうして、僕の意思とは別に周囲の人の視線を感じながらの代官邸での挨拶が進んで行きました。

 うん、お家でカエラとキースと一緒に待っていた方が良かったかも。

 椅子に座りながら、僕はそんな事を思っていました。

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