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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第百三十四話 不審者と謁見

「おお、ナオ君ではないか。新年おめでとう」


 謁見の間に入ると、たまたまドアの近くにいたバンザス伯爵が挨拶をしてくれました。

 僕も、ランディさんとともにバンザス伯爵の元に向かいました。


「新年おめでとうございます。去年は色々とありがとうございました」

「礼を言われることじゃないよ。そもそも、私がやらないとならないことだからな」


 地元の色々なゴタゴタもあったけど、今はだいぶ落ち着いたみたいです。

 補償対応も完了して、新しい代官も村に来たそうです。

 ドラちゃんに乗って実家に帰った時に新しい代官と会ったけど、とても感じの良さそうな人でした。

 僕の両親も、とっても安心していました。


「ナオ君は、本当に大活躍だったな。もうそろそろ法衣男爵にもなるだろう」

「あのあの、僕はまだそういうのは早いですよ!」

「いやいや、そんなことはない。ナオ君なら、きっと良い当主になるだろう」


 バンザス伯爵が上機嫌に凄いことを言ってきたし、僕の周りに集まった人もうんうんと頷いていました。

 僕はまだ冒険者で活動できればいいなって思っていた、その時でした。


 ドクン!


 僕は、この場にあってはいけない気配を感じて後ろを振り向きました。

 誰だろう、どこにいるんだろうか?

 ランディさんが、急に振り向いた僕に不思議そうに話しかけてきました。


「ナオ君、どうしたんだい?」

「ランディさん、ダークシャドウみたいなよどみを感じました。さっき入ってきた人です」

「そうか。なら、周りに気づかれないように探索をするのだ。近衛騎士に話して、陛下にも伝えよう」


 ということで、僕はバンザス伯爵と話すふりをしながら探索魔法を使って周囲を確認します。

 えーっと、あっ、いた!


「バンザス伯爵様、見つけました。茶髪の短髪の細身の若者で、えーっと、フィース子爵です」

「そうか、分かった。それは私が伝えよう。奴なら可能性はあるな」


 バンザス伯爵もこくりと頷き、直ぐに近衛騎士に話しかけました。

 謁見の間で魔法を使って良いのかなって思ったけど、王家や許可を得た特定の貴族の指示があれば問題ないという。

 この場合は、許可を得ているオラクル公爵家のランディさんが僕に指示を出したことになるという。

 そして、攻撃魔法ではないので許可も取りやすいそうです。

 ただ、今は何かやっている訳でもないので、監視だけにしておきます。


「静粛に、陛下がご入場されます」


 係の人が僕たちに声をかけたので、一斉に臣下の礼を取ります。

 その中を、陛下が威厳たっぷりに歩いてきました。

 他の王族も入ってきた中、残念ながら小さいアーサーちゃんとエドガーちゃんは控え室でお留守番みたいです。


「一同、表を上げよ」


 玉座に座った陛下の言葉で、僕たちは頭を上げました。

 何だか、少し険しい表情をしているのは気のせいでしょうか。

 もしかしたら、ランディさんとバンザス伯爵が伝えた情報の件かもしれません。

 そんなことを思っていたら、陛下が僕たちに向けて話始めました。


「こうして新たな年を皆と迎えられたことを嬉しく思う。昨年は、事件や災害など様々なことがあった。本年も何が起こるか予想はできないが、皆と力を併せて乗り越えていこうではないか」


 そういえば、ダークシャドウ関連だけでなく地震被害もあったもんね。

 ドラちゃんに乗って、ヘンリーさんたちと一緒に王国中を飛び回っていたね。

 勇者パーティに入ったと思ったら、あっという間に一年が経っちゃったんだ。

 その後は、今年の色々な予定をジョージさんが伝えていたけど、そんなに大きな行事はないみたいです。

 そして、陛下がナンシーさんの件を伝えました。


「我が息子ブレアと婚約者であるオラクル公爵家令嬢ナンシーの結婚式を、来年春に執り行うことを発表する」

「「「おめでとうございます」」」


 ナンシーさんが袖口から出てきて、僕たちに深く頭を下げました。

 みんながお祝いの言葉を言っているけど、中には不機嫌な表情をしている人もいる。

 この結婚式に反対している人も、結構いるのにはビックリしてしまった。

 その後も事務的な話をしているけど、後でまとめて通知されるそうです。


「以上をもって、謁見を終了とする」


 陛下が閉幕を宣言して玉座から立ち上がったので、僕たちはもう一回臣下の礼をとります。

 陛下に続いて、王族も退出していきました。


「以上をもちまして、本日の謁見を終了いたします。皆さま、ご退出下さい」


 係りの人の声で、謁見の間の入り口の扉が開いた。

 うーん、何だか今日の謁見はとてもピリピリしていたよ。

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