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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第百三十一話 無事に色々落ち着きました

 翌朝も、僕たちはドラちゃんに乗ってザイス子爵家に向かいました。

 最初は、ザイス子爵に治療を行います。


「ザイス子爵、朝早くから申し訳ない」

「殿下、何も問題はない。一晩ゆっくり寝たら、非常に体調が良くなった」


 ザイス子爵は僕たちに気がついてベッドから体を起こしたけど、顔色は非常に良かった。

 治療したけど、殆ど必要ないくらいだった。

 あとは、食事をとりながら体力をつけるだけですね。


「おちおち寝てもいられぬよ。やることが山ほどあるのだからな。息子にも多くのことを教えないとならぬし、当分は当主引退はできぬな」


 ザイス子爵は元気そうに見えるけど、きっとまだ心の中は辛いのかもしれない。

 少なくとも、側室とは結婚生活を共にしていたのだから。

 ヘンリーさんも、ザイス子爵に無理をさせないでと言って部屋を後にしました。


「本日同行できずに申し訳ありません。兵からは、魔物は特に出ていないとの報告を受けております」

「報告感謝する。マンデラは、自分がやるべきことをやるのだ」


 森に向かう際にマンデラさんが頭を下げてきたけど、昨日の大事件の後処理があるのでこればかりはどうしようもないですね。

 王国が介入する件でもないし、あとはザイス子爵家にお任せです。

 ということで、僕たちは馬車に乗って現地の森に向かいました。


 シュイーン、ぴかー。


「うーん、今のところは大丈夫ですね。というか、逆に反応が少ないかも」

「あれだけの魔物がいたのだ、他の動物を餌にしていた可能性もある。ともあれ、ナオ君の広範囲探索魔法でも反応がないのなら問題はないだろう」


 ヘンリーさんも頷きながら森を見ていたけど、今は本当に静かな森って感じです。

 これなら、あとはザイス子爵領兵に任せればよさそうですね。


「では、我々は王都に戻る。これからも巡回を続けるように、ザイス子爵に報告するように」

「はっ、畏まりました。道中お気をつけて」


 僕たちは、兵に見守られながら大きくなったドラちゃんの背中に乗り込みました。

 そして、王都に向けて飛び立ちました。

 今日は、あっという間の帰還ですね。


「何もないっていうのが大切なのよ。それこそ、まだ魔物がいて住民に怪我をさせるようなことがあってはならないわ」


 シンシアさんもホッとしながら返事をしてくれたけど、確かに危険が何もなければ安心だもんね。

 こういう確認もとても大切だと教えてくれました。

 そして、空の旅も終わって王城に到着しました。

 直ぐに、会議室に案内されました。


「御苦労だった。お家騒動があったみたいだが、特に問題ないだろう。ザイス子爵家内での問題だ」


 陛下も、ザイス子爵家で起きたことは王国として関与しないと宣言した。

 これが税金を納めないとかそういうことになれば話は別だけど、今のところそういうこともありません。


「ザイス子爵は、普段は優しい性格だ。だからこそ、側室の子も自分の子として育てたのだろう。しかし、今回は人の業の方が上回ったということだな」


 決断したときは、躊躇いなく動くそうです。

 だから、ザイス子爵はハッキリと二人を断罪したのでしょうね。

 貴族として、そして人として動いたのでしょう。


「とにかく、今日はこれで終わりにしよう。まだ午前中の早い時間だが、昨日激しい戦闘があったのでゆっくりするが良い」


 陛下の配慮もあり、この後の活動は免除されました。

 でも、ヘンリーさんたちは別のお仕事をするそうなので、僕はシャーロットさんのお部屋に向かいました。


「「きゃー!」」

「キュー!」


 いつも通り、アーサーちゃんとエドガーちゃんとドラちゃんの追いかけっこが始まったけど、本当に仲がいいよね。

 マンデラさんも、小さい頃は兄弟の仲は良かったのかなって一瞬思っちゃった。

 すると、シャーロットさんがあることを教えてくれた。


「残念ながら、ザイス子爵家の子どもたちは小さい頃から仲が良いとは言えなかったわ。側室が自分の息子だけを甘やかしていたのもあるでしょう。この子たちは、そういうことはないわ。時には厳しく叱る時もあるけど、愛情を持って育てているわよ」


 楽しそうに遊ぶ二人と一匹を、シャーロットさんも微笑んで見ていました。

 きっとこの兄弟なら、大きくなっても仲良く過ごすと僕もそう思いました。

 そして、昼食の時間まで元気の良い声がシャーロットさんの部屋の中に響いていました。

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