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幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった  作者: 藤なごみ


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第百六話 ホッとする声

 こうして無事に仮設住宅までできたので、翌朝僕たちは王都に帰ることになりました。

 犠牲者も決して少なくはないけど、この規模の災害にしてはとても少ないそうです。


「これも、皆さまが必死に怪我人の治療をしてくれたおかげです。これだけの領民が助かったのかと思うと、感謝しようもありません」


 ヴィッツ男爵が深く感謝を言ってきたけど、僕たちもとにかく必死で治療していたからそこまで周りを見回す余裕はなかったんだよね。

 それでも、できるだけのことをやったと思っています。


「新たな家の建築に関しても、父が協力してくれることになりました。復興まで長い道のりとなりますが、諦めずに頑張っていこうと思います」


 ヴィッツ男爵夫人も、昨日よりも表情が明るくなりました。

 まだまだやることはあるけど、自分たちだけじゃないってのは大きいですね。

 ちなみに、ヴィッツ男爵領は十年間免税となるそうです。

 ヘンリーさんが正確な被害状況を伝えたのも、免税になった決め手だそうです。

 挨拶も終わったので、僕たちは王都に向かいます。


「グルル」

「「「ばいばーい」」」


 屋敷の前でドラちゃんが大きくなると、子どもたちが大きく手を振ってくれました。

 ドラちゃんも、手をフリフリしていますね。

 僕たちも、ドラちゃんの背中に乗り込みます。


「皆さま、ありがとうございました」

「道中お気をつけて」


 ヴィッツ男爵夫妻が見送る中、ドラちゃんが大きく羽ばたいて空高く飛び上がりました。

 子どもたちの歓声が聞こえる中、王都に向けて飛び立ちました。


「そうか、ひとまず落ち着いたか。災害というのはこれからが大変だ、国としても継続的な支援を行おう」


 王城に着くと、直ぐに会議室に案内されました。

 陛下も、こういう災害の大変さを知っているそうです。

 既に支援計画が進められていて、色々な対策をするそうです。


「しかし、竜使いの騎士様の二つ名が大きく知れ渡ることになるだろう。特に、魔力が無くなる寸前まで治療をしていたと、教会から報告を受けている」

「うう、ちょっと恥ずかしい二つ名です。それに、僕としても目の前の怪我人を助けただけですよ」

「ははは、分かっておる。そういう裏心がないからこそ、ナオの行動が尊ばれるのだよ」


 陛下だけでなく、ランディさんたちもニコニコしながら僕の反論を聞いていました。

 というか、この二つ名を知らなかったのは僕だけみたいです。

 トホホって、思わず思っちゃいました。

 後は王城の役人が色々とやるそうなので、僕とナンシーさんたちはオラクル公爵家に帰ることになりました。

 何だか怒涛の数日間だったけど、やれることをやれてホッとしています。


「「ただいま」」

「キュー」

「お帰り、ナンシー、ナオ君」


 屋敷に着くと、レガリアさんが僕たちを出迎えてくれました。

 セードルフちゃんとリーフちゃんはイザベルさんのところにいるそうなので、僕たちも顔を出すことにしました。


 ガチャ。


「あっ、おかえりー!」

「おかえりなさい、大変だったわね」


 部屋に入ると、ルルちゃんを抱っこしてるイザベルさんと覗き込んでいるセードルフちゃんとリーフちゃんの姿がありました。

 セードルフちゃんの元気な声を聞くと、屋敷に戻ってきたって実感するね。

 そして、僕たちも暫くの間ご機嫌なルルちゃんを愛でていました。

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