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そもそも批判って誰のため? 批判って作品にとって+になっているの? 意見を押し付ける場所を探して正当化しているだけじゃない?

作者: 月澄狸

 2017年~2018年に利用していたなろうに3年ぶりに帰ってきた。3年ぶりというか、ちょこちょこ修正したりメモに使わせていただいたりはしていたけれど。


 なろうはなんとなくギスギスしていた……そんな印象を持ったままだったけれど、それは私の偏見かも。

 そう思いつつエッセイランキングやコメントを覗いてみる。



 ああ、やっぱ「なろう」だ。変わってないわ。



 なろうでは「批判こそ正義」派と、その反対派がいる。この構図は数年経っても変わっていない。


「世の中には色々な考え方をする人がいるのだ。その多様性、様々な意見を聞き入れられない作者はおかしいし、意見を言っただけで否定されたと怒ったり落ち込んだりするのはおかしい」と批判派は言う。



 たしかに発信する側は先に放っているのだから、それに対して反応があるのは当然だろう。先に放っておいて何もないということはない……

 けれど批判派が言う「こちらが正しいのに意見を聞き入れない人がいる」的な正義感も妙である。


 そもそもその批判、一体「誰のため」なのか?



 作者の視野を広げてあげるため、つまり作者のためだろうか。


 でもコメントが苦痛でなろうを離れたり、コメント欄を閉じたりした作者さんもいると耳にした。

 投稿している個人個人の意図までは知らないが、趣味としての楽しみであったり、書籍化を目指していたり、色々な方がいるのだろう。

 その楽しみや夢、これからますます伸びるかもしれない才能の芽を叩きつぶすことが「作者のため」なのか?



 その作品が好きで、コメントしたくて、その上で残念な部分について言いたいなら分かる。私も映画やマンガを楽しんで、「でもここが気になったなー」とか「この方が私好みだったな」と言うことはある。


 でもそれは「私好み」でしかない。勝手に期待して見て、勝手に裏切られたと思っているのだ。作者さんの方向性も知らないのに。


「私としてはー……」という個人的な意見を作者さんが聞き入れてくださったところで、それで賞を取れるとか売れるとかそういうことはない。賞を取ったりお金をもらったりできるほどの価値が私の意見にあるなら、作者さんに向かって言うより個人の力で、エッセイとかで書いてみればいい話である。そしたら賛否両論いただけるし、人の心を動かすほどの意見かどうか分かる。



 作品を読むか読まないかというのは自由だ。だから作者さんは意見の押し売りをしてはいないと思う。別に読みたくなければ読むのをやめれば良いだけの話だ。


 でもコメントはいただいたら絶対目に入るし、作者に読んでもらいたくて(批判の場合は読ませたくて)書くものだろう。「読むも読まないも自由」な作品と、「読め」といって渡す批判コメント、どちらも同じ土俵で意見を述べているか、「表現の自由」と言えるかというと、そうではない気がする。意見の押し売りをしているのはどちらだろう。



 色々な意見があるのだから、1つの作品ですべての読者を満足させることはできない。そんなことは最初から分かっている。分かっているのに本人に意見をぶつける理由は何だろう。


「色々な意見があるんだから受け取れ!」というのは「自分のため」でしかなくないだろうか?


 ここは小説投稿サイトであって議論サイトではない。個人的な意見をぶつけてくる人を相手にすることまで投稿者の役目だとは思わない。中には議論したい人もいるかもしれないが、次から次へと沸いてくる様々な意見相手に、毎日議論したいとは思わない人も多いだろう。



 なんだか「お客様は神様だぞ?」的風潮がある。


 で、批判の中にもちゃんとした批判があるとは思うのだが、どうも批判推奨派って上から目線で偉そうで、マウント取りたいだけということも多いような気がするのだ。「こんな作者より私の方が賢いぞ」的な。


 自分が正しいと見せつけたいだけで愛がない。わざわざ一軒一軒ノックして、「私はそうは思いません」「あなたとは違うんです」と言って回る意味や心理、それを正当化する風潮が分からない。なんでそこまで自分の批判に自信を持って「価値がある」と思えるのか分からない。喧嘩売っているだけの行為を批判だと履き違えていないか。



 または自分の言葉で人を操りたい、動かしたいだけとか。

「ほら私のコメントで作者が文を書き換えたぞ!」とか、ラジコンじゃないんだからそんなつまらない欲求のために創作の場を使わないでほしい。

 なんでそんなに自分の言葉や意見に自信を持てるのか。私だったら「私の意見を聞きなさい。そしてちゃんと理解し、変わりなさい」などとは思わない。



 あと、「もう少し柔らかい言い方できないのか」と思うほど、言い方がキツい。無意味に感じ悪い。わざと辛辣な言葉遣いをすることを強さや格好良さだと思っている節さえある。なのに作者の非ばかりが叫ばれるのがどうも納得行かない。作者の器の心配をするより、そんなキツい言い方しかできないご自分の心配をした方が良いんじゃないとか思ってしまう。


「褒め言葉だけくれ、だって? 冗談じゃないぜ」とおっしゃる方もいるが、褒め言葉か罵倒か、生か死か、そんな両極端な話しかないのが変じゃないか。


 良いところは褒め合い、納得行かないところは指摘する。それも思いやりを持って。ただそれだけで良いはずだ。



 この風潮は正直、批判をすることで鬱憤を晴らす人間に都合がいいようにしか思えない。泥棒された人に寄ってたかって「ちゃんと防犯しないお前が悪いんだ!」と言うようなものではないか。


 コメント欄はストレス発散場所じゃない。思ったことをなんでもかんでもぶつけて正当化していて良いのだろうか。「作者が悪い」みたいな言い方をされるけど本当にそうだろうか? こんな風潮が許容されるのってなろうだけではないだろうか。



 なろうが「ここは批判大歓迎の作者専用です。批判を受け付けない人は登録・投稿しないでください」って書いているのなら分かりやすいけど。


 ……投稿サイトに「甘口」「中辛」「辛口」「激辛」とか選べるモードがあれば面白いかもしれない。「色んな人がいる」のを色んな人がいるカオス状態のままにしておくから、ずーっと対立みたいになっているんだなぁ。


 とにかく作者さんにも批判ください派もいるのだろうし、やっぱり誰にも決められないか。こちらが選べるのは「誰にコメントをするか」「どんな投稿をするか」であって、「誰からどんなコメントをもらうか」は選択できない。



 けどもうちょっと、「意見を押し通す」より「作風や作者の意図を汲む」風潮が出てくることに期待したい。

 最初から粗探しする気でいれば当然欠点ばかり探し出すし、粗にしか目が行かないから汲めるはずのものまで汲めなくなる。言うまでもないこと、見れば分かることをわざわざ言う人もいるだろう。それが作者さんを伸ばすやり方とは思えない。


 花屋に向かって魚がないと言うのは、正当な批判じゃなくただの難癖である。





 最後に、なろうの風潮で傷ついている方へ。


 小説投稿サイトはなろうだけじゃないです。他にも色々あります。他のサイトなら全員優しいということはないですが、この「批判すべき」「批判を受け入れないなら書くな」的風潮はなろう特有のように感じます。辛口コメント率はここが一番高い気がします。


「なろうにはチャンスが多いからここじゃないとダメなんだ!」「とにかくたくさんの人に読んでもらいたいからアクセス数が少ないのは嫌なんだ!」というわけでなければ、自分に合うサイトを探されてみてもいいかもしれません。

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[一言]  「感想」というのがなんとも言い難いラインなんですよね。  「面白くなかった、辞めちまえ」も感想だし、「没頭して読みました! 続きが楽しみです」も感想だし。  今までの設定と大きく矛盾して…
[一言]  うーん、そもそも感想欄と作家を紐づけるシステムの問題だと思います。  感想は論評を含むもので、その読者にとって作品がどう捉えられているのかという指標でもあるので(これは作家の為ではありませ…
[良い点] 読者側に作者視点がないと、一方的な押し付けになってしまいますよねf(^_^; たとえ一人称の作品でも作者は作品全体を、それこそ最後の瞬間まで俯瞰して見ているのに、読者側の一部のシーンを切…
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