表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノベルマテリア・メーカーズ  作者: そらごめ
7/7

盆栽で無双しよう その5

『うーん、設定は良いんだけど、話がありきたりというか』

『いまいちパッとしないんだよね。どこかで見たことある感じ』

『今までのもそうだったし、今日持ってきてくれたこの原案も全く同じ』



『正直に言うと、小説家向いてないよ。君』





「………ん」


どうやらいつの間にか眠っていたらしい

それにしても嫌な夢を見た。ここ最近は見ることは無かったんだけどな


「………ストーリー、考えなきゃな」


盆栽の小説を考え始めてから数日たった

あれからフミ華ちゃんと何度も話し合って、大体の話の流れは決まった


「まずは主人公が死ぬところ…」


『主人公は定年退職を過ぎた老人』

『生涯孤独で趣味は盆栽』

『心臓麻痺で孤独死。それを憐れに思った神様が若返った状態で異世界転生させてくれる』


見れば見るほど可哀想な人生に思えてきた。考えたの自分だけど


「そして転生後は…」


『転生した世界は、自然あふれる魔法が使える世界』

『だが科学の発展とともに環境汚染が深刻化』

『自然とともに生きる種族と文明の発展を目指す人間側で争いをしていた』


もっといい世界に転生させろと神様に突っ込みを入れたいところだ。考えたのやっぱり自分だけど


「次はヒロイン…」


『最初に会ったのが、ヒロインであるドリアードの面倒を見ていたエルフの少女』

『ドリアードはエルフや人間とともに生きる種族』

『しかし科学の発展と共に、人間から見放されることになる』

『ドリアードと人間の交流が断たれて数十年はたっている』


この辺りはフミ華ちゃんと一緒に考えたところだ


『ドリアードは剪定をしてもらうことでパワーアップする』

『エルフは自然そのままを愛するので剪定の技術はない』

『人間側の剪定技術は失われており、主人公が出会ったドリアード達も枝や葉がぼさぼさの状態だった』

『そこで神様から強化してもらった盆栽の技術を使って、主人公はドリアードの剪定を行う』

『神の力が宿った剪定を受けたドリアード達は、今まで以上にパワーアップを果たす』

『強くなったドリアード達は主人公に協力を頼み、自然あふれた世界を取り戻すために戦いを始める』

『女性に免疫がない主人公は、言われるがままヒロインたちに協力することになる』



「…こんなものかな」


やっぱりストーリーを考えるのは苦手だ。いつ考えても『これでいいのか』との考えがよぎってしまう


これは本当に面白いのか

面白いと思っているのは自分だけではないのか

他者に喜んでもらえるのか


何度考えても、何度考えても



『この作品は否定されるのではないか』



「………いま考えることはそれじゃないよな」



そうだ。考えるのはストーリーだ

俺の仕事はプレゼンター。依頼に応えなければ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ