I/1
私は荷物を後ろに置き剣を両手で握る。
片手で握る用の武器だが、剣を握り初めてまだ1日も経ってない人間だ。
しかもスキルでダメ認定されている私。片手剣を片手で使うなんて無理。
ってことで両手で使います。ステータスは10万以上も差がある。うん。死ぬな。でも凛は完全後衛。戦闘の経験も少ない。スキルもステータスも凛に負けているが、戦闘の経験だけは勝っている。戦闘したことないだろって?あるよ!妄想の中でだけど……
「凛……私はあれを殺す。もとクラスメイト?関係ないね!殺さないとね……」
「ま、麻耶さん?なにを言ってるんですか?百恵さんは仲間ですよ?しかも殺人は日本では犯罪ですよ!」
「なら、そのままあいつの言うとうりEXPつまり経験値になればいいのかね?」
「そ、それは…」
「あとここは異世界だよ~殺人くらい起こしたって罪にはならないんだって~だからね☆」
私はそういうと地面を蹴り百恵との距離を詰めた。地球にいるときよりは少し早く走れた。ステータスが関係してるのかな?こういうのは考えるより先に体動いてるんだよ。この前の体育の授業でもなにも考えずにやってたら相手が止まったかの様に動けたしね!
このまま勢いでやろうと私が百恵に対して両手で片手剣をもち距離をつめ一撃を与える………前に、目の前にいた百恵がいきなり消え、それと同時に横から強い衝撃がお腹を襲う。私は、瞬間横に吹っ飛び木にぶち当たる。痛い。この言葉以外私の頭では私の気持ちを表せる言葉が思い浮かばなっかった。私は、ボロボロの体にムチを打ち。衝撃が来た方向に目を向ける。そこには口をニヤッとしながらすこしずつ歩いてきている百恵の姿があった。
「ねぇ?ねぇ?誰を殺すって?私?私じゃないよね?もしかして凛ちゃん?まぁ麻耶ちゃんきみならどっちとも殺せないよね?だって全ステータス120だよね?ねえぇ!ねえぇ!ねえぇ!そんな貧弱なステータスで私をどう殺すって?教えてよ!どうやって殺すの!」
百恵はころがっている私の体のお腹を蹴ってくる。
確かにこのステータスの差を気合で埋めようとした私はバカだった。
私は、文字化けしているスキルがこの瞬間発動して私が圧倒的有利な状況になると思っていた。
しかし、現実は辛いものだそんなに都合のよくスキルが発動するわけなく、コテンパンにやられているってわけだ。
それにしても痛いな。
一撃でサクッとやってくれれば楽なのだがじわじわとHPを削ってくる。
ちらっと、HP標示をみてみると一蹴りに付き1~3ダメージぐらい与えてくる。それは痛いよ。
もう殺す。絶対殺す。あの女殺す!
私は近くにある剣に手を伸ばす。だがその行為をあの女が許すはずも無く、伸ばした手を踏まれる。
私は痛みを歯を食いしばり、上を向いて百恵の目を見る。
そいつの目は私をそこらへんにある死体と同じもしくはそれ以下としか考えてないような目で私を見下してくる。
恐ろしい。だが殺さなければならない。殺さなければ殺される。だから殺す。なんと言われようが殺す。
百恵は私が取ろうとした剣を手に取る。そしてそれを私の足に刺す。
HPが一気に減る。さきほど80あったのが今はもう10にまで減っている。
「ぐぅぎゃう……ハァハァハァ」
「もういいよ君はよく持ったよ。ほら早く死ねよ」
追い打ちをかける様に百恵はわたしのお腹を蹴る。
HPが1減る。さらに蹴る。またHPが1減る。さらに蹴る。またHPが1減る。さらに蹴る。HPが1減る。さらに蹴る。またHPが1減る。さらに蹴る。またHPが1減る。さらに蹴る。HPが1減る。さらに蹴る。またHPが1減る。さらに蹴る。またHPが1減る。
HPが1になる。意識が朦朧としてくる。私の頭にあるのは純粋な殺意。そして、殺意。からの殺意
百恵はどこからか取り出し剣を私に向ける。
「転移者のEXPはどれくらいなのかなぁ~あ、でも麻耶ちゃんは雑魚だからEXP少ないかもねぇ~まぁその時は後ろにいる凛ちゃんをやればいいか♪じゃあね」
百恵は剣を私に振りかざす。
はぁ~せっかく異世界に来たのに魔物にもあってないし(魔物の死体はノーカンで)魔法も使えてないし、冒険者ギルドにも登録してないし。はぁ~走馬燈のようなものが見える。
ま、もし神様がみていたら来世は超絶美少女の彼女もしくは超絶美少年の男の娘を恋人にください。あ、ついでに魔法を使えるようにしてください。
私は、そう思い目を閉じ、痛みに備える。
しかし、その痛みは一向にこない。
目を開ける。
どうやら神様は私があきられることを許してくれないようだ。
私の前には血を流しながら倒れている女性がいる。
そして12時を回ったのであろう。HPが回復する。
先ほどまでの痛みはなくなり傷もなくなる。
私は立ち上がり百恵をにらんだ
「もうだるい。ほんとにだるい。だからお前を殺す」
私はにらみつける。目が充血してるのかわからないが目が熱い。