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私達は魔王の後2mを維持しつつついて行った。
「そんなり警戒せんでも我は負けたのだからなにもせんのじゃから」
「そう言って裏切る魔王を何回も見て来た」
ゲームの中でだがな!
「ほほ〜異世界にも魔王がいるのか〜その魔王と我。どっちの方が強かったか?我か?我であろうな、だって魔界最悪の生命体だぞ、そりゃ我の方が強いであろうな」
確かにゲームのラスボスよりかはこの魔王のほうが強い。最上級闇属性魔法を使ってくるし、 肉弾戦も強いし、そしてさすが魔王第三形態まであった。まぁ第三形態は魔力が足りなくて元の姿に戻ったらしいけど……あの姿が一番強かった。純粋な火力。普通の殴りで周りの物が吹っ飛ぶとか………ヤバすぎるでしょ。歩き始めて2分ほど経つと図書館?書斎?まぁとても大きな本棚が沢山あるとこに連れてこられた。その本棚にはざっと見た感じでも1万冊以上はあるだろう。
「さて、ここで私のいい所とかを話してやろう。まず君たちにとってのメリットを話そうか。まず魔物がどうやって生まれか知ってるか?」
「???。空気中にある魔素が溜まりすぎると発生するものだろ?それで濃い魔素ほど強い魔物が発生するんでしょ?ってかなんで私は魔王と普通に会話してんだ………」
「まぁまぁまぁ、とりあえず話を聞いてくれ、君の回答は100点満点中90点だ。確かに溜まりすぎた魔素が具現化するものが魔物だが、それだけでは魔物はこの世界に誕生した瞬間消滅してしまう。理由はわからん。だが生まれてきた魔物が魔王の魔力を微小に受け取るとどうなると思うか?そう、消滅しないのだ。魔族専用の称号【魔王の加護】この称号がある事によって魔王は消滅しなくなる。」
「称号ねー……称号ってあれでしょ?一定の条件を満たした場合獲得できる物のことでその称号に見合った能力を貰えるやつでしょ?」
「そうだそうだ…まぁ受け取ると言うより強引に持ってかれてると行ったほうが正しいがな」
「で、それがどう関係あると?」
「魔物がいなくなると安全になるが人間の間の職業が消えるだろ?例えば……冒険者。冒険ギルドの職員。そして君たち異世界からの勇者。あの王様は異世界からの勇者だろうがなんだろうが捨てるときは捨てる」
「つまり?」
「人間社会があらゆる面でも成長するが……君たち異世界人からするとこの世界が君たちの世界のようになるのは面白くないだろ?」
「つまり?」
「なんでもしますから助けて下さい。お願いします。」
魔物は私達の方に向き、足をたたみ地面につけ、手を前に合わせて頭下げる。
日本人なら誰でも、知ってる事だった。
それは、DOGEZAだった。