第1章 兄妹そろって異世界へ!?
夕陽が沈む。
兄妹の記憶の奥深く、思い出の場所。
そこには、光の柱のようなものが輝いてた…
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高校から家に帰るとき必ず寄るところがある。
それは、自分の趣味でもある読書のできるところ…そう、図書館である。
自分は読みたい本を手に取り、図書館の端っこの席で一人読書をする。
だが、今日はいつもと違う……なぜなら。
「おにいちゃーーん!」
と、図書館にその声が響く……
この声は俺の妹、『神城 恵』だ。
「なんだよ恵!もう少し小さな声で喋ろよ!」
と俺は注意をするが、
「いいじゃんお兄ちゃん!」と聞く耳を持たない。
あ、そうだ自己紹介が遅れた。
俺はこのブラコン妹の兄『神城 十魔』という。
ごく普通の高校生だ。妹は普通の中学生?
だが、本当に妹のブラコンは勘弁して欲しい…
ブラコンじゃなければ可愛い奴なのにと心に思う。
本当なら静かに本を読んでいるのだが今日は別だ。
妹と偶然ばったり会ってしまったのだ、この図書館で……。
まあ、俺は恵のことは嫌いじゃないし別にいいのだが、うるさい。
「お兄ちゃん!かまってよー!!!」
と、このように何回連呼されたのだろう…
その言葉を言うたび俺は、
「本に集中させてくれ、家でかまってやるから。」
と言うのだが、恵はやめず…
「お兄ちゃんは、私のこと…嫌い……なの?」
と潤んだ目でこちらを見てくる。
これが恵のすごいところであり、嫌な点でもある。
俺は心の中で「その目は、ダメだ。」と繰り返される。
俺は諦め、
「わかったわかったから!早く帰ろう。」と言った。
すると恵は「やったー!」と喜んでいる。そんな中、俺はため息をついた。
図書館をでて家に帰る途中ふと空を見上げると綺麗な夕焼けが空を覆っていた。
小さい頃この景色を見た思い出がある。
恵と見た景色。
「なあ恵、久しぶりにあそこの高台にいかないか?」
「いいけど、あそこに何かあったけ?」
「いいんだったらいくぞ!」
と恵の質問に答えず手を引っ張る。
そして階段を登っていく。
この場所は俺と恵にとっては思い出の場所でもある。
町と空を見渡せる景色のいいところだ。
(ここで俺たちは…なにか約束した気がする。)
進むと何か違和感を感じた普段と違う、まるで違う別世界のように。
景色を一望し、帰ろうとすると目の前に光の柱のようなものが光り輝いていた。
「なんだあの光…」「なんだろう?」
兄妹揃って首を傾げた。
夕陽ではない。柱のように光が天高く昇っていた。
「触れて…みるか……」
2人が恐る恐る触れてみると急に輝きが増し、2人の意識が途絶えた。
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「……ちゃん!お兄ちゃん!」と誰かが呼んでいる。
「お兄ちゃん!」
そして俺は目を開ける。恵の顔が近い。
「あー!やっと起きた!」
後頭部には柔らかい感触。これが膝枕?と言うものなのだろうか。
「悪い恵こんなことさせちゃって。」
「いいよ別に!でもこんなことするのは……お兄ちゃんだけ…だからね。」
後半は小声で聞き取りにくく俺は、
「こんなことするのは…?」と聞いた。
すると恵は手を振りながら
「なんでもないよー。」と言った。
恵は小さな声で「お兄ちゃんのバカ………」と呟いた。
「にしても、ここはどこだ?」
2人で周りを見渡す。
「あれって学校……だよね?」
恵の見ている方向を見ると東京駅より数倍大きい建物が建っていた。
「とりあえずあそこに行けば何かわかるかもしれない、行ってみよう。」
そして2人は立ち上がり、校舎に向かおうとすると後ろから
「動くなっ…!」
という声が聞こえた。
振り返ると2メートルほどの大剣を持った騎士のような人がいた。
「剣!?」
俺はとっさに
「悪い者ではない!俺たちは気がついたらここにいたんだよ!」
ただ、正直に言っても伝わるかどうか…
騎士らしき人は、
「それは嘘だな。もう少しまともな嘘をつくんだな。」
嘘なんてついていないけど信じてもらえる分けないよな…
しかも「異世界転移したんだ!」などとは言えない……
俺は「この学園に通いたい。」と言った。
騎士の人は
「ほう、ならこの学園の入学テストを受けると言うのだな?
なら学長にあってこい貴様らの能力を見つけてもらえ。」
能力?何それ。完全にファンタジーか…
「了解、わかった。」とそう答えた。
「なら私が学園長の元まで案内してやる。ついてこい。」
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騎士の人に連れられ学園長のところに向かった。
「失礼します。学園長。」
俺たちも続き「「失礼します。」」と挨拶をし、騎士の人に続き、学園長室に入室した
…のだが学園長室に入ると目の前には明らかに小学生の見た目をした小さな女の子が立っていた。
「ようこそ。我が学園、リンネーション学園へ。」
恵は笑顔で「可愛いー!!」と、俺は「…」
学園長は怒ったのか殺気がすごい。
「見た目だけで判断するなよ人間。」
右手には黒炎の球体ができていた。
マズい…俺ら確実に殺される。
兄妹揃って「「すみません。」」っと誤った。
「じゃあまず能力テストするからついてきてね。」
まずは俺からだ。
学園長に言われた通りに、まず意識を集中し、そして学園長の手に触れるとわかるらしい。
学園長を初めてすごいと思った。
「……ふむふむ。」
すると学園長は、「こんなに珍しいこともあるのか……。」と言った後、
「君…神城十魔くんは自らの手で武器を自由に作り出す能力だ……」
俺はそれが珍しいのか…と思っていたら、
「それに、」と続けた。
「君は能力眼持ちだ。」
能力眼?頭にはハテナができていた。
「それはなんなのですか?」と質問をしたが学園長は口を開こうとしない、
まあ使ってみればいいだろうとそう思った。
「次は妹さんだ。」
恵は元気よく「はーい!」と返事をした。
「これまた珍しい能力だ……」などと言いながら学園長は、能力テストを続ける。
「妹、神城恵さんは、個人魔法を有し、全ての魔法が使える能力だね。そしてヒールアイを持つとは…滅多にいないから貴重な存在だ。」
恵は笑顔で「なんかすごい!」と言う。
学園長が口を開くと、
「次は入学テストを行う。」
入学テストか…高校入試みたいなものかな。
………だが違った。
その入学テストは自分の能力を使い、学園の騎士団の1人とある程度バトルをすると言うものだった。
しかも普通は勝負して怪我をしてもリアルにダメージがいかないものだと思うが、これは本物の決闘だ…
「あー、帰りたい。」
そんなことを言うと、「情けないなー!」と声がする。
「悪い!あ、あと俺は神城十魔!あなたの名前は?」と一応自己紹介をして、相手の名前を伺う。
「私は、この学園の男子騎士団団長『影宮 刃』と言う!」
おいおいいきなり騎士団団長ですか!?
あと影宮 刃か覚えておこう。
「じゃあ準備はいいかー?」と学園長は言う。
「「OK!」」
カウントダウンが始まる。
3………2………1………GO!
(さっき知った能力使ってみるか)
俺は手に力を込め意識を集中させる。
体の中の何かが手に流れ込む。
ものの10秒で剣ができた。
「これで戦える。」と言ってる間に距離を詰められていた。
相手は大剣だがなかなかの速さで走る。
「攻めるか……」と言い走る。
この世界は体がものすごく軽く足もめちゃくちゃ速い。
日本だと足はそこそこ速かったが、ここまで速くはなかった。
刃に接近すると、刃は大剣を振り回す。
「はあぁぁぁぁ!」
大剣を軽々と振りましながら攻め込んでくる刃の攻撃を俺はギリギリかわしていく。
これに当たったらタダじゃ済まないなーと心で思い、苦笑する。
なんとかかわしながら頭を働かせるが全くもっていい動きができない。
妹も見てるんだし無様に負けられないよななどと思いならがも必死に頭を働かせる。
大剣を右手の剣で受け止めるが力の差で押し負けてしまう。
「ぐわっ………!」
痛みが体を襲い膝をつく。
その間に影宮は攻め込み、俺は右手の剣でガードしたがもう1度吹き飛ばされる。
「はぁ…はぁ……」
刃の猛攻を避けるが肩や足などに切り傷がたくさん出来る。
そして左肩を切られ、血が溢れる。
その場に倒れ込み、負けを確信した。
「まだ……だ、学園長はもう1つ俺に能力があると言っていた………」
学園長に言われた1言を思い出した。
「君は能力眼持ちだ。」
と学園長が言っていた能力眼を思い出す。
使うしかない…!
「どう…使うんだっけ……、確か……魔法陣展開!
魔眼発動!」
と言い右目の周りに魔法陣ができ、両目をつむる。
十魔の雰囲気が変わる。そして両目を開くと右目の瞳の色が変わっていた。右目からは黒いもやがでていた。
「さあ、いくぞ。これが俺の能力…魔眼だ!」
身体能力は桁違いに高くなっていた。
スピードはさっきの2倍は速くなっている。
大剣を片手剣で抑え、もう片方の手に剣を作り、攻撃を仕掛けた。
刃はなんとかしようとするが俺のスピードについていけず動けなくなった。
この強さはどこから来ているのだろうか。
スピードに身を任せ、刃に切りかかる。
「はあぁぁぁぁ!!!」
「な、なんだ!?この力!!」
相手の剣を吹き飛ばした。
「勝負終了!勝者 神城十魔!」
これ入団テストだよね??
とりあえず怪我はたくさんしたが、勝利した。
どうも皆さんこんにちは!こんばんは!
結城神矢です!
初投稿作品なので面白くないかもしれないし、不備が沢山あるかもしれませんが、その辺はこうした方がいい、ここをなくして違う表現したら?などなどのコメントをお待ちしています!