2話
ジリリリリリリ・・・・・・
聞き慣れていない目覚まし音で私は目を覚ました。寝心地は最悪だった。ベッドが硬すぎて、あまり良く眠れなかったのだ。おかげで体がだるく、節々にも痛みが走った。
昨日聞いた話だと、起きたら朝食を食べて、食べ終わった者から搭乗との事だったので、私はすぐに食堂へと向かった。
食堂には何人かの人がすでに座っており、私は空いている席に適当に座って朝食を食べた。
朝食を食べていると、1人の男が私の隣に座って来た。
「どこから来たんだい?」男は尋ねてきた。
私が答えると、男は「知らないな」と返し、聞いてもないのに自分の故郷について細かく話してきた。どうやら小さい島の出身らしい。男は島の話もしてきたが、私はあまり関心を持てなかった。私の話を一言で切り上げた男の話など聞く耳を持つ気もなかった。私は適当に話を終わらせ、足早に食堂を出て、搭乗場所へと向かった。
搭乗場所に着くと、今日乗る乗り物の全貌を見ることができた。その乗り物は、まるでエイのようなロケットだった。そんなエイの目の横の部分に搭乗口があり、私はそこからエイの体内へと入った。エイの体の内側は、ほとんどが席で埋まっており、人が1人通るのがやっとなほどの通路を挟んで、両側に20ずつぐらいの席があった。席は指定されていたので、私は指定された席に座った。席に座ると、背中にチクリと痛みがした。そのまま私の意識は、より深くへと堕ちていった。
目が覚めると、私はベッドの上にあおむけになっていた。私の他にも、たくさんの若い人が同じようになっていた。・・・・・・若い人?
私は自分の手を見て驚いた。しわしわになっていた私の手は、若々しい頃の自分のような、真っ白な手になっていた。正面から若い女がやってきた。
「気分はどうですか?」女は尋ねてきた。
「お前は誰だ。私の体はどうなってしまったんだ!?」私は尋ねた。
「落ち着いてください。順番に説明しますので。」女は語りはじめた。
「私はメディカル23。あなた達の調子を確認するロボットです。そしてあなたは、人口的に作られた体に、精神を移動させた模倣人間です。」