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根暗先輩はお気に入り  作者: 西京 李多呂
2/9

2:変化

「……あの」

「びええ(はい、なんですか)」

 あああ色々と間違えた。前から薄々感じてたのだけれど多分私バグってるわ。言語機能的な意味で。

 しかし広辞苑で調べても出てこないような難解な返事をしてしまった私を前に目の前の彼女は顔色ひとつ変えない。もしかして通じたのか。いいやそんなわけない、いっそ笑ってくれ……


「お昼、一緒に食べません?」


 ……幸村弥生(ゆきむらやよい)は、高校2年生にして「お昼、一緒に食べません?」の意味を必死になって思い出そうとしている。私がこの日本語の意味を理解できるようになった小学生の頃から意味が変わっていないとするならば……いやいや。


「へっ、えええええ?? あのさ、ここまでお話しといて何なんだけど人違いじゃ……」

「ちゃんと先輩に話しかけてますよ」

「で、ですよね……」

「じゃあ隣、失礼しまーす」


 有無を言わさず私の隣の空席に陣取った彼女は頼んでもいない自己紹介を面白おかしくしてくれたのだ。さすがリア充な容姿(?)をしているだけあって中々面白いじゃないか……。

 いわく、彼女の名前は篠宮茉莉(しのみやまり)、写真部所属という、派手な見た目からはあまり想像できない意外なスペックをお持ちのようだ。

 何故私に近づいてきたかは一番の謎だが、どうせリア充特有の「気まぐれ」ってやつだろう。

 しかしこの子、見れば見るほど……綺麗だ。派手な見た目でも下品さを感じないのは、このモデルのようなルックスのせいだろうか。尚更こんな芋みたいな女じゃなくてこう……清楚でお人形みたいな可愛い系の子と絡んでほしいものだ。


「じゃあ先輩がそうなればいいじゃないですか」

「へえ!?」

「声に出てましたよ。アタシが先輩に近づいたのは気まぐれとかじゃなくって、ただなんか可愛いなって思ったからですんで。アタシ可愛いものには目がなくて~」

「ええ……」


 この子の言っていることが理解できないというのは当然の反応だろう。なんだろう、この子の部屋にはひじきとか飾ってあるのかな。可愛いと思うものは人それぞれだからなあ。


「アタシ、知ってるんですよ。先輩がほんとはめっちゃ可愛いってこと」

 

 ひええ……もう何が起きているのか全然わからないよ……。今なら少女漫画の主人公の気持ちがすごくわかるよ。そりゃこう言いたくなるよな……



 私、これからどうなっちゃうの~~!?

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