裏を取れ
三人は、三条春名から美樹の居場所を聞き出せぬまま、アトリエを後にした。
「・・・・山さん?」
「わかっています。思った通りです」
「どぎゃんしたとですか?」
佐久間はパトカーの中で若宮に説明した。
「この事件、三条春名が、キーマンだ」
「何もわからんかったばい。どぎゃんこと
ですか?」
「いいかい、我々は田中和恵が死んだ事しか告げていない。でも、三条春名は美樹の話の時、『田中和恵がいなくなった』や『勝手に東京に行くから』、『事故に巻き込まれた』など発言したんだ」
「ばってん、大介とかいう男から、連絡ば行ってるんじゃないとですか?」
「はじめは、田中大介から連絡が入っていると思った。しかし、連絡が入っているなら田中和恵の死を話した時に、聞いています等の表情をしただろう」
「知らん振りをしとっとじゃなかですか?」
「田中大介から、連絡はありましたか?と聞かなくても、捜査で確認すれば、すぐにバレることだし、三条春名も馬鹿ではないだろう。田中大介には捜査本部から、捜査状況を漏らしていない」
「ということは?どぎゃんことです?」
「どう考えても、青酸カリで、殺されたことは知らないはずなんだ。美樹は何も知らないとか、事故に巻き込まれたとか、自業自得なんてことは、友人の立場からの言葉ではないんだ」
佐久間は、三条春名と美樹が事件に大きく
関わっていることを確信した。
「山さんは、熊本に残って、三条春名のバックに誰かいるのか、調べて欲しい。それと、必ず近いうちに、三条春名は東京に行き、美樹と接触するか、大介と接触すると思う。私は、一足早く美樹と接触し、女性三人の関係を紐解いてみるつもりだ」
「私も何か手伝えることは、なかですか?」
「若宮刑事は、山川刑事の捜査に協力をお願いします。熊本署には、警視庁捜査一課より正式に捜査協力依頼を入れておきます」