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洞窟の秘密 〜佐久間警部の飛躍〜  作者: 佐久間元三
別離
3/13

被害者の足取り

 翌日から、本格的な捜査が開始された。


 佐久間は、十五名で捜査班を組織し、聞き込みや防犯カメラの分析を行った。


 捜査の過程で、上野駅の防犯カメラと安食駅の防犯カメラに被害者と同じ電車に乗り、安食駅で下車した男が浮上したのである。


 捜査履歴から、一人の男の名前が、浮上し、任意で事情を聞いたところ、あっさり事件について口を割った。


 犯人の名前は、楠木 一夫、二十三歳。


 新宿区に住むチンピラだった。


 被害者とは、前日の夜、バーで知り合い、一夜を共にしたらしい。


 不倫したことをネタに強請るつもりで、翌朝から行動を共にしたが、柏駅を通過した時点で、口論となり、なだめたが、成田に着いたら警察に行くと言ったので、衝動的に持っていた青酸カリを紅茶に入れて、飲ませて殺害に至ったと自供した。


「どうも解せないな」


「解せませんね」


 二人とも、難事件を幾度となくタッグを組んで解決してきた。


 そんな二人だから、あまりにもあっけない結果が、逆におかしい気がしたのだ。


「山さん、どう思う?殺され方が不自然であっけなさ過ぎだと思わないかい?殺し方も、青酸カリを衝動的に使用したと言ったが、普段から持ち歩くものでもあるまい」


「昨晩、会って一夜を共にしているということは、会う前から楠木は青酸カリを持っていたことになります。不倫をネタにと言っていますが、何か違和感を感じます」


「山さん、被害者は何をしに東京に来たのだろうか。普通、地方から上京する際に何を持参するか考えてみよう。目的地までの、地図やパンフレット、同窓会案内などが、予想出来る。今一度、被害者の持ち物を確認してみよう」

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