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洞窟の秘密 〜佐久間警部の飛躍〜  作者: 佐久間元三
別離
1/13

不審死

 上野発常磐線快速成田行き、安食駅で列車が出発してすぐに緊急停車した。


 女性が急に苦しみだし、倒れた為だ。


 周囲が騒ぐ中、救急車が到着した。


 救急隊員が担架で運ぶ時点で、女性は心肺停止。


 その後、搬送先の病院で死亡が確認された。


「被害者は、特定出来たかね」


 警視庁警捜査一課の佐久間警部が、千葉県警察からの要請で病院に到着したのは、十四時過ぎである。


「警部、被害者の財布に免許証が見つかりました」


 山川刑事が、分かった情報を報告した。


「被害者は田中和恵、四十歳。死亡推定時刻は、十三時〜十三時二十分。二つ前の木下駅では生存が、確認されています」


「山さん、被害者の生存を確認した人は?」


「列車後方の車掌が、木下駅で被害者に成田参道に行くには、成田駅で降りるのが、一番近いのか、聞かれたそうです」


「死因が分からないが、家族の方は連絡ついたのかな?」


「免許証の住所から、静岡県浜松市北区○○番地と分かりました。ご主人と連絡がつき、東海道新幹線でこちらに向かっているとのことです」


(静岡県浜松市?被害者は、わざわざ静岡県

から成田山にお参りに来たのだろうか?)


「山さん、今成田山では何か行事があるのかな?初詣や節分とは時期が違うが?」


「いえ、今の時期は特に有名な行事はないと思いますが。ただ、成田山は年中、観光客で賑わうところではあります」


 佐久間は、暫くの間、免許証を眺めた。


「死因の特定を聞くのを、待つことにしよう」


 佐久間は、外の喫煙所に向かった。


 喫煙所で、三本目の煙草に火を付けた時、

山川刑事が険しい表情で足早に来て佐久間に耳打ちした。


「被害者は、毒物による死亡のようです。ご家族に電話し、司法解剖に切り替えます」


「毒物中毒?どんな物かね?」


「青酸カリのようです」


「山さん、私は千葉県警察に連絡を入れ、広域捜査のため、警視庁での捜査本部設置を要請してくる。山さんは、解剖結果と被害者の身元を出来るだけ洗い、ご主人が到着次第、詳しく話を聞いて欲しい」


「わかりました。出来る限り調べを進めます」

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