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ハーレムを作る私と逆ハーレムを作るアイツ

 とりあえず始めは短編だったものを移動。

「世哉。放課後俺様の家に来い」


  何で?


「世哉。今日お昼一緒に食べませんか?」

「「僕たちもー!」」

「一緒に食べよぉ~」

「食べ、る」


  ねえ、何で?


「ふざけんなテメェら! 世哉は俺と食うんだよ!!」

「俺とも食おうぜ、世哉」


  どうして?


 「世哉」「せーやぁ」「世哉~」



 何で何で何で!? 何でアイツばっかり! その場所にいるのは私のはずなのに! そのためにこの世界に来た(・・・・・・・)のに!




 私は一度死んだ。そして転生した。この恋愛シミュレーションゲーム、《JUWEL!》の世界に。


 《JUWEL!》とは、"A Revolution of Strange Kings"、通称"AROSKアロスク"が開発した恋愛シミュレーションゲームだ。従来のゲームと違って、ヒロイン、つまり自分の容姿や性格や名前、さらには世界観まで設定できる。キャッチフレーズは『あなたの理想の宝石コイビトを!』だ。そのフレーズに相応しく、ハーレムや逆ハーレムエンドは存在しない。その代わり、友情やNL、失恋ルートは勿論のこと、BLやGL、さらには主従やSMルートなんかも存在するのだ。全年齢対象だったため、一時期発売中止になりかけた。



 私は死んで、神様に会ってからこの世界に来た。


『あ、君かい? ゲームの世界に転生したいって女は。へえ、見るからにゲーム好きって感じだね。ああ、いや貶してる訳じゃない。僕様そういう奴等は好きなんだ。あ、僕様はアガミネ。娯楽の神だ。心の底からアガミネ様と崇めなさい』


 変な神様だったが、悪い神様では無かった。補正を購入するコンビニ(という名の超巨大ショッピングモール)、《UFO》からたった三つの補正を選ぶのはどうかと思ったが。

 まあもらう補正は決まっていたので、特に迷うことは無かった。その内の一つが『逆ハー補正 Lv.10』。



 ……だったのに


『じゃあ行ってらっしゃい。第二の人生を楽しんでね。あと、もし――』


 そう言われて薄れていく意識の中で聞こえた、


『あ、ヤベ。ミスった』


 という言葉に不安を感じた。


 ――そして、その不安は的中した。




 今世の私の名前は安威あい 世那せな。両親と双子の兄の四人家族だ。父は会社の社長、母は女優の美男美女夫婦。私は母似の少しウェーブがかかった茶髪にライトブラウンの目、兄は父似の漆黒の髪に同じ漆黒の目。双子にも関わらず、全く似ていない。



 転生を自覚して将来イケメンになりそうな少年たちに近づきまくって――気付いた。


 確かに逆ハー補正は付いている。



 ただし、兄に。そして私には――ハーレム補正。



 何でよ! 私は逆ハーを望んだのに! 何でハーレム補正なの!? あの神! 絶対間違ったわね!


 ――! そう言えばあの神言ってたわね。


『あと、もし補正が気に入らなかったら、補正を持った誰かを突き落とすといい。そうすれば、落ちた相手の補正で、自分が望んだものが手に入る』


 ――そして私は双子の兄、世哉せいやを階段から突き落とした。





「世那。今日俺様の家に来い」

「世那、ちょっといいですか?」

「世那ぁ~一緒に食べよぉ~」

「「僕たちもー!」」

「食べ、よう」


 ふふふ。ようやく逆ハーになったわ! これを望んでたのよ! 俺様会長もインテリ眼鏡副会長もチャラ男会計もワンコ書記も! 皆々! 私の物なのよ!


 世哉は重症を負って、昨日ようやく退院した。でも、逆ハー補正もハーレム補正も私にある以上、アイツには誰も興味を持たれない。


 残念だったわね! 私がこの世界のお姫様なんだから!!







 ……なのに


「ああ、き、綺麗なんだな。世那。ぼ、僕以外のだ、誰かが、き、君にふ、触れるなんて、ゆ、許せないんだな。やっぱり、ぼ、僕たちはい、一緒に、く、暮らす、べ、へきなんだな」


 これどういうこと?


 学校帰りで珍しく一人だった私は、後ろから布らしきものを当てられて意識が飛び、目を覚ますとベッドに寝ていた。そして辺りを見回していると、四肢を手錠で繋がれていることに気付いた。困惑している私に、部屋に入ってきた、脂がギトギトでそばかす・フケだらけのキモいオタクルックの男がさっきの台詞を言ったのだ。


「何なのよアンタ! 此処は何処なのよ! さっさと手錠コレ外しなさい!」

「は、ははは。ダメなんだな。こ、これからずっとこ、此処で暮らすんだな」

「何ですって!?」


 此処で!? このブ男と!?


「嫌よ! 私は皆と暮らすの! 私はお姫様なんだから!」

「た、確かに君はお、お姫様なんだな。た、ただし、ぼ、僕だけのなんだな。此処でぼ、僕と永遠にく、暮らすんだな。ああ。世那。愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる――」


 そう言って男は私の上に乗って私の胸に顔を擦り付けて私の私服を剥ぎ取り私の身体を触りまくり舐めまくり私を犯しつくしたのだ。



 そしてそれは今日も――



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