異世界行ってもぼっちはぼっち
これは灰簾の作品「魔王の日常」の続編となる作品ですが、読んでいなくても安心して楽しめる内容となっています。
異世界行ってもぼっちはぼっち
俺の名前は如月夏月。ちなみに俺は中学二年生だが、友達の数…なんと0人!中学入ってから二年以上も経つのに友達がいない…
生徒A「あいついつも一人だよな。」
生徒B「確かに。」
俺の両親は何年も前に事故で命を落とした。そこから俺は完全に孤独になった。
生徒C「またあいつ一人だよ。」
生徒D「ぼっちだよ。」
俺は小学校から一人だった。中学校では無視、仲間はずれなどささらかないじめに遭っている。
放課後
夏月「やっと学校終わった…早く飯買って帰ろ。」
夏月はいつも通っている近道の路地裏を通っている時…
夏月「ん?何だこれ?」
夏月の前には魔法陣があった。
夏月「もしかしてこれに触れたら異世界に行ったりして…そんなわけないよな。」
夏月が魔法陣に触れた瞬間、夏月は知らない平原にいた。
夏月「もしかしてここは…異世界⁉︎…誰もいないけど…」
夏月「もしかして異世界でもぼっち…は流石にないよな…」
俺が辺りを見回すと夏月から少し離れた場所にスライムが三体いた。
夏月「あれはスライム!」
もしかしたらあれを倒せば、強くなったり…
夏月「何か武器になるものは…あった!」
夏月は落ちていた石を拾い、スライムに投げた。
夏月「くらえ!」
スライム「?」
石はスライムをすり抜けて、地面にぶつかった。
夏月「全然効いてない…」
スライムは悲しそうな目で俺を見ていた。俺にはわかる…この目は哀れみの目だ。
夏月「くらえ!」
俺はそこらへんに落ちていたたくさんの石を拾い、投げた。しかし全ての石はスライムをすり抜けた。
夏月「このままじゃ駄目だ…一旦街へ行って装備を整えよう。」
そして俺は近くにあった街へと向かった。しかし…
門番「おい!ここを通るには通行料銀貨5枚を払え!」
夏月「でも俺、お金ないんですけど…」
門番「だったら帰れ!」
夏月が諦めて帰ろうとした時…
???「あの〜俺がこいつの分払うので通らせてもらえませんか?」
門番「ふむ、それならいいぞ。合計で銀貨20枚だ。」
横を見ると、黒髪のマントをつけた人が代わりに払ってくれた。
夏月「いいんですか?」
黒髪の人「うん!全然…」
その人は財布を見ながら苦い顔をして答えた。
夏月「本当に大丈夫ですか…?」
黒髪の人「ぜ…全然大丈夫。」
夏月「あっ…ありがとうございます。ところで名前は…」
黒髪の人「う〜ん、名前ねぇ…」
黒髪の人が悩んでいると、後ろから白髪の人と大柄な人が来た。
白髪の人「どうしますか?」
黒髪の人「俺は別にあるけど、お前らはあるのか?」
白髪の人「私はそのままで。」
大柄な人「俺は、今思いついた。」
夏月は自分だけ話から外されているような気がして、無理やり話に入った。
夏月「あの〜名前は…」
黒髪の人は『あっ…まずい。』と言わんばかりに急いで夏月の方を向いた。
ラムク「あっ、俺はラムク!よろしく!」
グランド「私はグランドと申しますぞ。」
夏月「ぞ?」
ムライサ「俺はムライサ!よろしく頼む!」
ラムク「ところで、お前の名前は?」
夏月「俺は如月夏月です。」
ラムク「名前めっちゃかっこい!」
ラムクさんは目を輝かせて俺を見ていた。
夏月「そうですか?」
ラムク「それはそうと…」
ラムクさんはムライサさんの方を向いた。
ラムク「おい、ムライサ、ちょっとこっち来い。」
ムライサ「ん?わかった。」
ラムクさんとムライサさんは少し離れたところで話し始めた。
ラムク「ごにょごにょ…」
ムライサ「ごにょごにょ…」
夏月「何話してるんだろう…」
一方ラムク達は…
ラムク「おい…ムライサって…く、くくっ…」
ラムクは必死に笑いを堪えて言った。
ムライサ「ぐっ…必死に考えた方だぞ。馬鹿にするな。」
ラムク「いや、でも、ふふっ…」
ムライサ「お前…」
ラムク「いや、ごめんな。でもな、その名前はどうかと…」
ムライサ「別にいいだろ。」
ラムク「まぁ、いいや。夏月が心配してそうだし、そろそろ戻るか。」
そしてラムク達は夏月のところへ戻った。
ラムク「待たせたな。夏月。」
夏月「別にいいですよ、それより…」
夏月が話そうとした時、夏月のお腹がぐぅ〜と鳴った。
ラムク「確かに、俺も腹が減ったからな、飯にするか。」
ムライサ「そうだな、クラ…ラムク!」
夏月「ラムクさん、おすすめのお店ってあるんですか?」
ラムクは少し悩んだ顔をして言った。
ラムク「いや〜それが、俺もここに来るの初めてなんだよ。」
グランド「私、いいお店を知っていますぞ。」
ラムク「グランド、いい店知ってるの?」
グランド「はい。偵察で何度か来てますので。」
ラムク「そういえば、ちょくちょくいなくなってたな。」
ラムク「それで、その店は何て言う店なんだ?」
グランド「確か…『ムールの蔵』という店ですぞ。」
ラムク「それ他の冒険者が言ってた店だ!」
グランド「人気の店ですので、早く行かないと混みますぞ。」
ラムク「早速行くか!夏月も来るだろ?」
夏月「はい!」
俺に初めての友達…いや、友人ができた。ラムクさん、グランドさん、ムライサさんだ。
ラムクさんは優しいくて、そして面白い。グランドさんはしっかりしていて、何でもできる。ムライサさんはいつも笑っていて、一緒にいると楽しくなる人だ。
グランド「着きました。ここが『ムールの蔵』ですぞ。」
『ムールの蔵』は創業五十年を超える老舗の店らしい、その雰囲気は、少し日本の店に似ているような気がした。
ラムク「早くいこうぜ!」
ムライサ「そうだな!」
夏月達は『ムールの蔵』に入った。
店員「いらっしゃいませー。席はご自由にどうぞー」
ラムク「じゃあ、あそこにするか。」
四人のテーブル席がちょうど空いていたので、そこに俺達は座った。
ラムク「どれにするか?」
ラムクはメニュー表を開いて言った。
グランド「では、私は『マトマ飯の卵かけ』にします。」
ラムク「じゃあ俺は『ネギタマとキャッベのスープ』にするか。」
ムライサ「じゃあ俺は『ポクの肉揚げ』にするか。」
ラムク「夏月は?」
夏月「俺は『トモロとキャッベ、キャロの和物』にします。」
店員「かしこまりました。」
店員に注文してから、数分が経った。
店員「お待たせいたしました。」
ラムク「うまそ〜!」
グランド「暖かい内に召し上がりましょう。」
ラムク「じゃあ行くぞ。せーの。」
夏月達は手を合わせた。
全員「いただきます。」
ラムクは真っ先に料理を食べた。
ラムク「うまっ!」
それに続き夏月達も食べ始めた。
グランド「美味しいですね。」
ムライサ「確かに、うまいな。」
夏月「美味しい…!」
ラムク「ふぉうふぃふぇふぁ、ふぁふぇふぅふぁ、ふぁんふぇふぉふぉふぃふぃふぁんふぁ?」
夏月「飲み込んでからしゃべってください…」
ラムク「どうして夏月はここに来たんだ?お金もないのに。」
夏月「実は気づいたら知らないところにいて、そこの近くにこの街あったので…」
ラムク「ふ〜ん」
ラムクは夏月の話を聞きながら。考えていた。
ラムク(気づいたらここに?もしかしたら、こいつは…)
夏月「ラムクさん、どうかしましたか?」
ラムク「ん?いや、何でもない…」
ラムクは思いついたように言った。
ラムク「そうだ!やることないんなら、冒険者になればいいじゃん。」
夏月「この世界って冒険者あるんだ…」
ラムク「ちなみに冒険者にはランクがあってな、下から銅等級、銀等級、金等級、白金等級がある。そして俺は白金等級、グランドは金等級、ムライサは銀等級だ。」
夏月「等級…」
等級…何それ!かっこいい!
夏月「俺も冒険者になりたいです!」
ラムクは笑いながら言った
ラムク「夏月ならそう言うと思った。じゃあまずは…武器だな!」
そして、ご飯を食べ終わった後、武器屋に向かった。
武器屋
ラムク「そういえば、夏月は何か使いたい武器はあるのか?」
夏月「そうですね…できれば剣を使いたいです。」
ラムク「わかった。剣だな。」
ラムクさんは奥にある水色の剣を持ってきた。
ラムク「これはどうだ?」
夏月「これは…」
ラムク「ミスリルの剣だ。」
夏月「ミスリル⁉︎それって高いんじゃ…」
ラムク「大体白金貨1枚だ。」
夏月「白金貨?」
ラムク「そういえば説明してなかったな。」
そう言って、ラムクさんはお金の話を始めた。銅貨1枚が約一円で、銅貨100枚で銀貨1枚、銀貨100枚で金貨1枚、金貨100枚で白金貨1枚、そして白金貨100枚で黒金貨1枚らしい。ということは、白金貨1枚ってことは…百万⁉︎
夏月「そ、そんな高いの俺買えませんよ!」
ラムク「いや、俺がお前のために買うんだぞ?」
夏月「いやいや!そこまでお世話になれませんよ!」
ラムク「でも、夏月、お金もってないだろ。」
夏月「うっ!確かに、それはごもっともです…」
ラムク「とりあえず貰っとけ。」
夏月「は、はい…」
夏月はミスリルの剣を買ってもらい、冒険者協会へ向かった。
受付の人「はい!冒険者登録ですね!では、この魔力石に触れてください。」
俺が魔力石に触れると、魔力石は白色に光った。
受付の人「属性は…白色?見たことないですね。まぁ、大丈夫でしょう。」
夏月&ラムク&ムライサ&グランド(それでいいのか?)
その後、色々手続きを済ませて、冒険者になった。
受付の人「まずは銅等級からです!冒険者協会へようこそ!」
ラムク「これで、お前も俺達のパーティーの一員だな!」
夏月「ラムクさんのパーティーに入ってもいいんですか?」
ラムク「当たり前だろ?」
夏月「ありがとうございます!」
ラムク「じゃあ、早速依頼を受けようぜ!」
ムライサ「それじゃあ、これはどうだ?」
グランド「『洞窟の中のゴーレム討伐』、ですか、いいですね。」
夏月「最初から難易度高すぎじゃないですか…」
ラムク「危なくなったら、俺が助けるから安心しろ!」
そして俺たちは依頼を受けて、洞窟へと向かった。
夏月「それじゃあ行きましょう。」
ラムク「待て、まず宝箱を探してからだ。」
夏月「確かに、宝箱は大事ですね。でもどうやって見つけるんですか?」
ラムク「カゲ、もう持ってきてるだろ?」
カゲ「はっ!」
忍者のような服の人がどこからともなく出てきて、ラムクさんの前に宝箱を置いた。
夏月「この人は…?」
ラムク「紹介が遅れたな。こいつはカゲ。俺の仲間の一人だ。」
夏月「なんか忍者みたいですね。」
ラムク「そうだろ?確か楼閣って言う国から来たらしい。」
夏月「なんでラムクさんが誇らしげなんですか…」
ラムク「まぁ、それはともかく宝箱の中身は…」
ラムクが開けた宝箱には緑の宝石が埋め込まれた腕輪が入っていた。
夏月「これは…腕輪?」
ラムク「これは…『身体能力増加の腕輪』だな。」
夏月「おそらく、着けると名前の通り、身体能力が増加する物ですね。」
ラムク「これは夏月がもらっていいぞ。」
夏月「いいんですか?」
ラムク「別に俺はいらないからな。」
夏月「ありがとうございます!」
夏月は腕に腕輪を着けた。
ラムク「じゃあ洞窟に入るぞ。」
夏月「はい!」
そうして僕たちは洞窟に入った。
夏月「あれは…ゴブリン!」
ゴブリン「ギィィ!」
ラムク「それじゃあ、夏月。お前が倒してみろ。」
夏月「えっ⁉︎」
ラムク「まぁ剣振っときゃ勝てるから頑張れ!」
夏月「いやいやいや!無理ですよ!」
ラムク「とりあえず行ってこい!」
夏月「は、はい…」
そして僕は剣を抜き、ゴブリンの前に立ちはだかった。
ゴブリン「ギィィ‼︎」
夏月「はぁぁ!」
僕は思いっきり剣を振った。
ゴブリン「ギィィ…」
ゴブリンは僕の前で力なく倒れた。
夏月「た、倒した…?」
ラムク「あぁ、しっかり倒してたな。」
夏月「それで、この後どうすれば…」
ラムク「さっきゴブリンがいた場所に石が落ちてるだろ。それを拾うんだ。」
僕がさっきゴブリンを倒したところを見ると、紫色の綺麗な石が落ちていた。
夏月「もしかしてこれは、魔石?」
ラムク「そうだ。それを冒険者協会に持っていかないと報酬貰えないからな。ちゃんと回収しとけよ。」
夏月「はい!」
そして、僕たちは魔物を倒しつつ、進んで行った。
ラムク「夏月、この短期間ですごい成長したな。」
夏月「そうですか?」
夏月は前を見ずに魔物を切った。
ラムク「いや、絶対成長してるだろ…」
夏月「クラムさん、この先がボス部屋なんですよね?」
ラムク「そうだ。」
俺たちは洞窟の途中にあった3つの分かれ道グランドさんとムライサさんと分かれた。
ラムク「夏月、着いたぞ。」
夏月「これが、ボス部屋…」
その部屋は洞窟とは思えない広い部屋で、その真ん中に巨大な岩があった。
ラムク「あれがゴーレムだ。」
夏月「見るからに固そうですけど、倒せるんですか?これ。」
ラムク「とりあえず見とけ。」
ラムクさんはゴーレムに近づいて行った。
ラムク「『ハンマークラッシュ』!」
ラムクさんは剣の平たいところをゴーレムに振った。するとゴーレムは粉々に砕け散った。
夏月「……⁉︎」
ラムク「夏月、終わったぞ。」
俺は数秒ほど思考停止した
夏月「…は、はい!」
ラムク「じゃあ帰るぞ。」
夏月「グランドさんとムライサさんはどうするんですか?」
ラムク「一緒に連れて帰るぞ。無属性魔法『ワープ』。」
夏月「えっ?えっ?」
ラムクさんと俺の足元に紋章が現れた。
ラムク「ワープで帰るからな。」
夏月「聞いてないですよぉ‼︎」
ラムク「言ってないもん。」
そして俺達は戻ってきた。
冒険者協会
受付の人「討伐おめでとうございます!こちら、報酬の金貨10枚です!」
ラムク「金貨5枚は夏月、お前にやる。」
夏月「いいんですか?」
ラムク「いいぞ、お前も頑張ってたからな。」
ラムク(本当は欲しいけど、仕方ない。)
夏月「ありがとうございます!それでなんですが、ラムクさん達に折り入ってお願いがあるんですけど…」
ラムク「ん?なんだ?」
夏月「修行をつけてもらえないでしょうか。」
ラムクさんは数秒考えてから言った。
ラムク「別にいいよな。グランド。ムライサ。」
グランド「はい。私も特に用事はないので。」
ムライサ「俺も別にいいぞ。」
夏月「ありがとうございます!」
そして俺は、朝はクラムさんの剣の修行、昼はグランドさんの魔法の修行、そして夜はムライサさんの体術の修行を三日空けにやってもらった。修行、休み、クエスト、休み、修行。このルーティーンを始めてから、二ヶ月が経った。クラムさんの剣の修行の時に、時々、無属性魔法と言うものも教えてもらった。
夏月「これまで、修行をつけてありがとうございました!」
ラムク「一応、明日までだからな。」
ラムクさん達は旅を続けるたため、明日この街を出る。
夏月「はい、それは分かってます。もうお別れなんですね…」
ラムク「安心しろ、いつか必ず会える。」
夏月「はい…あの、一つラムクさんに質問があるんですけど。」
ラムク「ん?」
夏月「適正属性と使える属性って違うんですか。」
ラムク「どうだろうな、そこまで詳しいことは俺にも分からないからな。」
ラムクさんの適正属性は火だとグランドさんに教わった。でも、ラムクさんは水も雷も風も使えている。まさかラムクさんは…
夏月「やっぱり異世界じ…」
ラムク「異世界じ?」
夏月「な、なんでもありません!明日まで修行、お願いします!」
ラムク「おう。」
そして別れの日
夏月「ラムクさん、グランドさん、ムライサさん、今までありがとうございました!」
ラムク「あぁ、またな夏月。」
グランド「悲しいですな…」
ラムク「泣いてる⁉︎」
ムライサ「達者でな!夏月!」
夏月「はい!」
こうして俺はラムクさん達と別れた。楽しかったな…
夏月「う〜ん、これからどうしようか…」
俺はラムクさん達と別れる時にもらった地図を開いた。
夏月「とりあえず今いる場所がサバル王国って場所だから…」
俺はサバル王国の北にある村を見た。
夏月「ここのゴッカン村って場所に行ってみようかな。」
そして俺はゴッカン村へと向かった。
その頃ゴッカン村、ヒエヒエ山では…
???「クックックッ…もうすぐドラゴン復活の儀式の準備が整う…これで私の野望が叶うわ!」
そして一週間後…
夏月「やっと着いた…ゴッカン村!」
そこはとても賑やかで寒そうな村だった。
夏月「寒っ!さすがゴッカン村って名前なだけあるな…」
村人「こんにちは。あなたは初めてこの村にいらっしゃる方ですね。ごゆっくり。」
夏月「はい。ありがとうございます。」
夏月は辺りを見渡した。
夏月「とりあえず、観光でもするか。」
ゴッカン村は何かの祭りをしているようだった。
村人「おい、知ってるか?最近あそこのヒエヒエ山でドラゴンを復活させようとしてるらしいぜ。」
村人「本当かよ、信じられねぇ。そんな奴がいるんだな。」
村人「なんでも、ヒエヒエ山の山頂近くの洞窟にいるって噂があるんだと。」
夏月(この会話、生で初めて聞いた…)
しかし、その情報は気になる、後で行こうかな。
商人「よう、そこの兄ちゃん。これ、買ってかないか?」
夏月「なんですか、これ。」
その商人は赤色の魔石のようなものを売っていた。
商人「これは火の魔石だ。これを投げると爆発する。もし買うんだったら扱いには気をつけろよ。」
夏月「ください!」
商人「一つ銀貨10枚だ。」
とりあえず、火の魔石を10個買った。何かに使うかもしれないし。
夏月「洞窟、行ってみようかな。」
夏月は洞窟を目指して山を登りに行った。
その頃ヒエヒエ山では…
???「いでよ、アイスドラゴン!」
アイスドラゴン「ガァァァァ!」
???「これで私の野望が…」
アイスドラゴン「ガァァァ!」
アイスドラゴンはアイスブレスを吐いた。
???「えっ?」
アイスドラゴン「ガァァァ!」
アイスドラゴンは暴れた、そして、そばにいた少女を追いかけた。
???「いや〜!」
アイスドラゴン「グァァァ!」
???「誰か助けて〜!」
その頃夏月は…
夏月「やっと着いた…火の魔石持ってきといて良かった…」
道中で火の魔石を9個も使ってしまった。残り一つ、大事にしないと…
夏月「よし!入るぞ!」
中は真っ暗で先が見えなかった。でも、こんな時は…
夏月「光魔法『フラッシュ』!」
この魔法はグランドさんに教わった魔法だ。グランドさんは光属性を使うことができて、光属性の魔法や魔法のあれこれを教えてもらった。
そして夏月が進むこと小一時間…
夏月「なんか広そうなところがある…ここが例の場所かな?…ん?」
???「助けて〜!」
アイスドラゴン「グァァ!」
夏月「???」
女の子がドラゴンに追いかけまわされてる?なにこの状況。え?と、とりあえず女の子を助けないと。
夏月「火の魔石、行け!」
夏月はアイスドラゴンに向かって火の魔石を投げた。その魔石はアイスドラゴンの胴体に命中し、爆発した。
アイスドラゴン「グァァァァ!」
怒ったアイスドラゴンは夏月に向かって突撃した。
夏月「五属性魔法『カラフル』!」
アイスドラゴンは夏月の技を食らい、怯んだ。
夏月「これでトドメだ!全属性魔法…」
???「待って!」
少女はアイスドラゴンの前に立った。
夏月「なんで君が止めるんだ。こいつは君を襲おうとしてたんだぞ。」
???「わ、私はただ、このドラゴンと友達になりたくて…」
夏月「そうだったのか…でも、襲われてただろ?」
???「そ、それは、そうだけど…」
アイスドラゴン「さすがだ…」
アイスドラゴンは口を開けて確かにそう言った。
夏月「喋った⁉︎」???「喋った!」
アイスドラゴン「我はアイスドラゴン、氷を司るドラゴンだ。」
夏月「それは見た目からしてわかる。」
アイスドラゴン「我はその娘に呼び出された。」
アイスドラゴンは少女を指さした
夏月「そうなの?」
???「うん。」
少女は頷いた。
アイスドラゴン「我は貴様に負けた。我のできる範囲ならなんでも叶えよう。」
夏月「う〜ん、そうだなぁ…。あ、そうだ。人の姿ってなれる?」
アイスドラゴン「なれるが…そんなもので良いのか?」
夏月「後もう一つ。そして、この子と友達になってくれ。」
???「え?」
夏月は少女の方を向いた。
夏月「そういえば、君の名前って何?」
アスイ「私はアスイ。」
夏月「ありがとう。じゃあ、アスイと友達になってくれ。」
アイスドラゴン「承知した…」
すると、アイスドラゴンは光に包まれ、少年の姿に変わった。
アイスドラゴン「これでいいか。」
夏月「うん。それで…名前も考えないとね。」
アスイ「私、ドラゴって名前がいい。」
夏月「いいね、その名前。その名前にしよう。」
ドラゴ「ドラゴ…良い名前だ。」
ドラゴは少し嬉しそうに言った。
夏月「そういえば、アスイ達はこれからどうするの?」
アスイ「そうね…あなたと一緒に冒険しようかしら。」
夏月「別にいいよ。」
アスイ「そういえば、まだあなたの名前、聞いてなかったわね。」
夏月「俺は夏月だ。」
アスイ「夏月ね!よろしく!」
夏月「よろしく。」
そして俺たちは村へと戻った。
夏月「そういえば、アスイ達は魔法は使えるの?」
アスイ「一応使えるわよ。水属性の魔法。」
ドラゴ「僕は水…というより氷属性だな。」
アスイ「逆に聞くけど、夏月はなんの魔法が使えるの?」
夏月「火と水と風と雷と後は…」
アスイ「それもう全部じゃない?」
夏月「そうかも。」
ドラゴ「全属性か。今まで100年ぐらい生きてきた…いや、一回死んだが、聞いたことないな。」
夏月「ふ〜ん。」
アスイ「ふ〜んで済ませられることなの…?」
夏月「そういえば、ドラゴの一人称、変わったね。」
ドラゴ「こっちの方が使いやすいからな。」
一週間後
夏月「さて…そろそろ次の場所に行こうかな。」
アスイ「それなら、ドリム王国って場所がいいわよ。」
夏月「ドリム王国?」
アスイ「ここ、サバル王国の南東にある島国よ。そこで一年くらい前に勇者が召喚されたの。」
夏月「勇者…会ってみたいかも…」
アスイ「じゃあ決まりね。まずはサバル港に向かいましょう。」
ドラゴ「僕がドラゴンになって飛んでいくのはダメなのか?」
夏月「絶対ダメ。討伐される。」
ドラゴ「確かに…」
夏月「じゃあ一回、僕が最初に来た村に向かおう。無属性魔法『ワープ』。」
ドラゴ「え?」アスイ「え?」
夏月達の足元に魔法陣が現れた。
夏月「じゃぁ行くぞー!おー!」
ドラゴ「おー!」
アスイ「お、おー…?」
最初の町
夏月「戻ってこれた…?」
アスイ「速っ!」
ドラゴ「一瞬だったな。」
夏月「それじゃあサバル港に向かおう。」
ドラゴ「そういえば、夏月ってなんで全属性が使えるんだ?」
夏月「なんでって言われても…師匠達に修行してもらったから?」
ドラゴ「師匠?」
夏月「ラムクさんとグランドさんとムライサさんって言うんだけど。」
アスイ「ラムクって人の名前なら聞いたことあるわ。なんでも最速で白金等級になったとかなんとか…」
その頃ラムク達は…
ラムク「なぁあの時さ、冒険者名忘れてただろ、お前。」
ムライサ「確かに忘れてたが、偶然思いつた名前が冒険者名と一緒だったのは奇跡だったな。」
ドラゴン「ガァァァ!」
ドラゴンはラムク達に咆哮をあげた。
ラムク「ちょっと黙ってくんない?」
ムライサ「というかお前も忘れて馬鹿にしてただろ。」
ラムク「そうだっけ?」
ドラゴン「…」
ドラゴンはラムク達の話している姿をじっと見ることしかできなかった。
話は戻り、夏月達は…
夏月「着いた!サバル港!」
ドラゴ「結構近かったな。」
夏月「よし!それじゃあ行くぞ!」
アスイ「船はどうするの?」
夏月「使わないよ?」
アスイ「それじゃあどうやって…」
夏月「無属性魔法『海渡』。」
ドラゴ「まさか…」
夏月「ゴー!」
アスイとドラゴは夏月に担がれ、夏月は海の上を滑るように走った。
アスイ「速い速いー!」
ドラゴ「景色が全く見れん!」
夏月「もうちょいスピード上げるか。」
夏月はさっきよりも速いスピードで海を渡った。
アスイ「きゃあー!」ドラゴ「うわー!」
四時間後
アスイ「うう〜…」
ドラゴ「うっ…」
夏月「二人とも大丈夫か?」
アスイ「これが大丈夫に見える…?」
夏月「いや、見えないな。ごめん。」
夏月達は気分が良くなるまで海辺で休んだ。
アスイ「ふぅ…災難だったわ。」
ドラゴ「夏月、もうこんなことはやめてくれ…」
夏月「わかった。反省するよ…」
アスイ「少し良くなったから、出発しましょう。」
夏月「ああ。」
そして夏月達は、ドリム王国の王都に向かった。
夏月「賑やかだな。」
今まで見た村より賑やか…これが王都…
ドラゴ「人間が大量に…」
ドラゴは少しよろめきながら言った。
夏月「ドラゴ、大人数の人が苦手なの?」
ドラゴ「少しな。何より僕は大勢の人間によって殺されたからな。」
夏月「なんか…ごめん。」
ドラゴ「謝る必要はない。話していなかった僕にも責任がある。」
夏月「ありがとう。」
衛兵「皆の者!勇者様のお通りだ!」
その声が聞こえた瞬間、街を歩いていた人々が道を開け、跪いた。夏月達もそれにならい、跪いた。そしてその空いた道を一人の人物が通った。
夏月「あれが…勇者…。」
その勇者は白金の鎧を着て、腰には剣が下がっていた。勇者は、周りの人達に手を振りながら、夏月の前を通過し、そのまま道を通って行った。そして街はすぐに元の状態へと戻った。その強さは本人を見なくても感じ取れた。
ドラゴ「あれが勇者か…。すごい闘気を感じる。」
アスイ「夏月。変な真似はやめてよね。戦うとか…」
夏月「戦ってみたいな…」
アスイ「言った側から!」
夏月「よし、王城に行ってみよう!」
アスイ「やっぱりこうなるのね…」
王城
衛兵「ダメだ。」
夏月「なんで⁉︎」
アスイ「そりゃそうでしょ。」
衛兵「そもそもなぜ、勇者様と戦おうなどと思うのか…」
夏月「それはもちろん、強そうだったから!」
衛兵「なんでそうなるんだ…」
???「まぁいいじゃないか。」
衛兵「勇者様!」
そう背後から声がして、夏月が後ろを振り向くと、そこにはついさっき見た勇者がいた。
夏月「あなたは…」
シュウ「名乗るのを忘れてたね。僕の名前はシュウ。見ての通りの勇者だ。」
夏月「あっ。ハイ。」
やばい、コミュ障が発動した。今までは大丈夫だったのに…
衛兵「勇者様、此奴が勇者様と勝負をしたいと申しておりまして…」
シュウ「ふ〜ん…」
夏月「あっ、え〜と。」
なんか答えないと、ただの不審者として終わってしまう…
シュウ「…よし、分かった。」
夏月「えっ、いいんですか?」
シュウ「ああ、僕も少し、君の力が気になるし。」
そして僕たちは戦うために王城の近くにある第一演習場へと向かった。
第一演習場
シュウ「試合の合図はどうしようか。」
夏月「よ〜い、ドン!でお願いしてもいいですか?」
シュウ「分かった。」
シュウと夏月は剣を構えた。
シュウ「じゃあ行くよ、よ〜い…」
シュウ「ドン!」夏月「ドン!」
掛け声と共に二人の姿は消え、二人の剣が衝突した。
シュウ「はぁ!」夏月「はぁ!」
シュウ「なかなかやるね、君。」
夏月「どうも。」
二人が短い会話を交わした後、戦いがさらに激しくなった。攻撃を剣で防ぎ、夏月は反撃する。しかしシュウはそれをしゃがんで躱し、剣で足を狙う。一進一退の攻防が凄まじい速度で行われた。
アスイ「あれが、勇者…夏月と互角…」
ドラゴ「凄まじいな。」
一方、試合をしている二人は…
シュウ「僕も少しだけ本気を出そうかな。」
そう言った瞬間シュウの周りの空気が変わった。
夏月「っ!…夏月流剣技『赤花 芽』!」
夏月は訳も分からず演習場の壁に激突した。
夏月「っ…かはっ…」
危なかった。剣で攻撃を受け流さなかったら、死んでいたかもしれない。
シュウ「っ…!」
夏月「ヤバッ!」
夏月は急いで壁から離れ、シュウから距離を取った。さっきまで夏月がいた壁は真っ二つに切れていた。
夏月「あれ、シュウさんは…」
シュウ「戦闘中に考え事かい?」
シュウはいつの間にか夏月の背後にいた。
夏月「『赤花 蕾』!」
シュウ「これも防ぐのか…」
夏月はシュウの攻撃を間一髪で防いだ。
夏月「『赤花 開花』!」
やられっぱなしじゃダメだ。反撃に出ないと!
シュウ「!」
シュウはギリギリのところで高く飛び上がり、避けた。
夏月「避けられたけど…狙い通りだ!『魔力剣』!」
夏月は空いている右手に魔力の剣を出した。
シュウ「魔力の剣か。でも、これで終わりだ!『神剣 全能』!」
シュウの聖剣は眩い光を纏い、まるで神を彷彿とさせる神々しさがあった。
夏月「『ヤマタノオロチ 虹龍』!」
夏月は二つの剣をシュウに振りかぶり、まるでヤマタノオロチの八つの頭が襲いかかってくるような、斬撃を出した。二人の技は互いに打ち消し合い、その後には何も残らなかった。
夏月「…降参します。もう無理です。」
シュウ「そうか。君、すごく強かったよ。」
夏月は手を挙げてそう言った、シュウは小さく頷いた。その後、シュウは夏月に回復魔法をかけた。
夏月「すごいですね。回復魔法。体が軽いです。」
シュウ「とりあえず、中で話そうか。」
シュウは夏月たちを連れて王城の中にあるシュウの部屋へと向かった。
夏月「…なんと言うか、意外と普通なんですね。」
シュウの部屋には机と椅子、ベッドと本棚があるだけの簡素な部屋だった。
シュウ「僕はあまり派手なのは好きじゃないんだ。それはさておき、君に聞きたいことがある。とりあえずそこに座ってくれ。」
シュウは自分の椅子に座り、夏月達にベットに座るように促した。
夏月「え〜と、それで何の話なんですか?」
シュウ「君が使った『夏月流剣技』と言う技についてだ、正確には『赤花』のことだけど。」
夏月「それがどうかしたんですか?」
シュウ「その技、ラムク、という人に教わったんじゃないのかい?」
夏月「え⁉︎なんでわかったんですか⁉︎」
シュウ「実は、ラムクとは友達でね。僕の生き方を見つめ直すきっかけになった人なんだよ。」
夏月「そうだったんですか…」
夏月とシュウが話している時に扉の方からノック音が聞こえた。
???「入ってもいいか?」
シュウ「いいよ。」
その声は、夏月もシュウも聞き馴染みのある声だった。
ラムク「よっ。シュウ。ん?夏月もいるのか。」
夏月「ラムクさん!」
シュウ「久しぶりだなクラム。」
夏月「え?シュウさん、今、ラムクさんのことなんて呼びました?」
シュウ「ん?クラムだけど。」
クラム「あっ、夏月、俺の本名クラムだから。」
夏月「えええええええ⁉︎」
クラム「そんなに驚くことかよ。」
夏月「驚きますって!今までそれが本名だと思って生きてきたんですから。あれ、ということは、ムライサさんもグランドさんも…」
クラム「ムライサの本名はデビル、グランドはグランドだ。ちなみにあれは冒険者の時に名前な。」
夏月「グランドさんはそのまんまなんですね。」
クラム「そういえば、ここにくる途中、マホとタンに挨拶しようと思ったけどいなかったな。シュウ、あいつらどこいったんだ?」
シュウ「ああ、あの二人ならダンジョンに行ってるよ。」
夏月「クラムさん。マホさんとタンさんって誰ですか?」
クラム「そうだな。簡単に言うなら、シュウのパーティーメンバーだな。」
夏月「そうなんですね。」
クラム「それで、どこのダンジョンなんだ?」
シュウ「シマシマ諸島のダンジョンだ。」
クラム「夏月、シマシマ諸島って分かるか?」
夏月「知りません。」
シュウ「シマシマ諸島は、ドリム王国の北東の位置する小さな島々のことだ。」
アスイ「ええと、私たちも話に混ぜてもらっていい?」
アスイは遠慮がちに言った。
クラム「ああ、すまんすまん。いや、名前がわかんないから、どう呼べばいいかわかんなくて。」
アスイ「私はアスイ、この子がドラゴよ。」
ドラゴ「よろしく。」
クラム「よろしくな。」
それから、五人で次の方針について話した。
クラム「…という訳で、俺たちはマホとタンがいるダンジョンへ行くことにした!」
シュウ「僕は仕事が溜まっていてね…はぁ。」
夏月「クラムさん、今から船で行くんですか?」
クラム「いや、ワープで行くよ。」
夏月「やっぱりそれなんですね。」
クラム「よし、それじゃ行くぞ!」
シュウ「ちょっと待ってくれ。」
クラム「どうした?シュウ。」
シュウ「君に一つ言いたいことがある。」
そう言ってシュウは夏月を見た。
夏月「なんですか?」
秋「改めて自己紹介をさせてくれ、僕の名前は望月 秋。ドリム王国の勇者だ。」
夏月「分かりました。ありがとうございます。」
その後、夏月一行は、シマシマ諸島へとワープした。
夏月「やっぱり便利ですね。この技。」
クラム「そうだろ、そうだろ。」
クラムは誇らしげに頷いた。
デビル「ん?夏月じゃないか、久しぶりだな!」
グランド「夏月様、お久しぶりですぞ。」
夏月「ムライ…デビルさん!グランドさん!」
デビル「クラム、お前…」
クラム「面倒くさいから教えた。」
デビル「お前な…はぁ、もういい。改めて、よろしくな、夏月。」
夏月「よろしくお願いします!」
クラム「それじゃあ行くぞ!」
全員「おー!」
その頃、ダンジョンの中
スライム「キュー!」
???「『ファイヤーボール』!」
スライムはファイヤーボールで消滅した。
???「そういえば、今何階層だ?」
???「60階層」
???「最下層までまだまだか…」
二人はダンジョンの奥へと足を進めていた。
話は戻り、ダンジョン入り口
クラム「よし、じゃあ行くか。」
それから俺たちは順調に10階まで進んだ。
夏月「そういば、ここのダンジョンって何階層まであるんですか?」
クラム「100。」
夏月「え?」
クラム「だから、100階層。」
夏月「長ー。やる気なくしますよ。」
クラム「すぐ着くから大丈夫だって。」
10階層のボスはゴーレムだった。でも、クラムさんは早く下に行きたいのか、速攻倒された。20、30、40、50…恐らくフロアボスであろう魔物達は、僕たちが攻撃する間もなく、クラムさん達が倒した。
そして、65階層
???「クラムじゃないか!」
???「げっ…魔王。」
僕たちは大きな盾を持った大男と赤いローブを着た小柄な女の子と出会った。
クラム「久しぶり。タン、マホ。元気してたか?」
タン「ああ、もちろんだ。」
マホ「一応。ところで、後ろにいるのは誰?」
クラム「紹介する。」
そう言って、クラムさんは全員の紹介をした。マホさんとタンさんはデビルさんとグランドさんも知らない様子だった。
夏月「よろしくお願いします。そういえば、マホさんってクラムさんのこと嫌いなんですか?」
マホ「まぁ、そうね。一応あいつ魔王だし。」
夏月「魔王なんですか。」
マホ「そうだけど、あいつ言ってなかったの?」
夏月「はい。」
マホ「はぁ…そういうところが苦手なのよ。」
夏月「そうなんですね。」
マホ「そういえば、あなたそんなに驚いてないわね。」
夏月「まぁ、クラムさんですから。」
マホ「実際それで済んじゃうもんね。」
その後、俺たちはマホさんとタンさんと別れ、70階層のフロアボスのところに来た。フロアボスはただの小さいスライムだった。
夏月「ここに来てただのスライム…?」
いや、そんなはずはない、何かあるはず…思いあたるスライムを考えた。キングスライム、メタルスライム。いずれも当てはまらない、そう考えていると…
クラム「夏月、避けろ!」
俺の目の前に水の塊のようなものが飛んできていた。
クラム「『ワープ』!」
俺はクラムさんによってクラムさんの近くへとワープさせられた。さっきまで俺がいたであろう場所はドロドロに溶けていた。
クラム「強酸か!」
夏月「強酸⁉︎」
グランド「クラム様、ここは私が。」
クラム「任せた!」
グランド「『陰切者 新月』!」
グランドは強酸スライムを真っ二つにした。
クラム「なんか必殺技変わった?」
グランド「はい、新月、三日月、満月の三つがありますぞ。」
クラム「すごいな…」
そうして、夏月達は99階層の最後に来た。
夏月「次が最後…」
クラム「でも、とりあえず休みたいな。」
アスイ「そうね。」
グランド「それでは私達の城でお休みになられてはどうですか?」
クラム「いいな、それ。」
夏月「それって、魔王城ですか?」
クラム「そうだ。あ、掃除するからちょっと待ってくれないか?」
夏月「え?あ、はい。分かりました。」
10分後
クラム「終わったー!じゃ行くぞ!」
クラムは夏月達を自分の城へワープさせた。
夏月「おー!」
アスイ「広い…!」
ドラゴ「壮大だな。」
クラムさんが住んでいる城は思っていたよりとても広く、豪華な装飾がついていた。
クラム「いや〜。四人で使うには広すぎてさ〜。困ってたんだよね。」
夏月「四人?クラムさんとグランドさんとデビルさんと…カゲさんですね。」
アスイ「カゲ?」
クラム「カゲ。」
クラムさんがカゲと呼ぶとクラムさんの目の前に黒い人影が現れた。
クラム「紹介する。こいつはカゲ。俺たち魔王軍の一人だ。」
ドラゴ「カゲか、よろしく。」
カゲ「…」
クラム「ごめんな。こいつ、そういうの得意じゃないんだ。」
ドラゴ「そうか。分かりました。」
その後、夏月達はゆっくりと休んだ。
次の日 ダンジョン99階層
夏月「やっとですね。」
クラム「そうだな。」
100階層のところには、一つの大きな扉があった。
夏月「これは…扉ですね。」
グランド「罠はなさそうですぞ。」
クラム「それじゃあ開けるぞ。」
クラムが扉を開けるとそこは大広間だった。
夏月「すごいですね。」
その大広間は、まるでさっきまで人が住んでいたかのような、生活感のある広間だった。
そして、その広間の真ん中に黒髪に黒い鎧、黒い剣を携えた男が立っていた。
グランド「あの見た目…もしや。」
クラム「グランド、こいつ知ってるのか?」
グランド「はい。恐らく『漆黒の英雄』かと。」
クラム「漆黒の英雄って誰?」
グランド「漆黒の英雄とはドリム王3世の頃に発生したスタンピードで多大な功績を上げたとされる人物ですぞ。」
クラム「ヘぇ〜。」
グランド「そして、漆黒の英雄が持っている『ブラックカイザー』という剣は魔法を吸収すると言われていますぞ。」
クラム「なんか攻略本みたいだな…」
夏月「それじゃあ最終決戦といきましょう。」
クラム「ああ!」
クラムは地面を強く蹴り、漆黒の英雄に拳を振り下ろした。しかし…
クラム「避けられたか!夏月!」
夏月「はい!『ヤマタノオロチ』!」
夏月は背後から剣を振り下ろしたが、漆黒の英雄はそれを剣で受け流した。
アスイ「『アイスバレット』!」
ドラゴ「『ドラゴンクロー』!」
デビル「『暗黒間』!」
グランド「『陰切者 三日月』!」
夏月達は各々の必殺技を使ったが、漆黒の英雄にはかすり傷一つもつかなかった。
クラム「一体どうすれば…」
夏月「クラムさん。」
クラム「なんだ?」
夏月「作戦があるんですけど…」
夏月はクラムにある作戦を話した。
クラム「…わかった。それ、面白そうだな。」
夏月「グランドさんにもお願いが…」
夏月はグランドにも作戦を話した。
グランド「承知いたしました。」
夏月「では。やりましょう!」
クラム「分かった!『赤花 芽』!」
夏月「『赤花 蕾』!」
クラム「『赤花 開花』!」
夏月とクラムは交互に斬撃を繰り出した。
夏月「夏月流剣技…」 クラム「魔王流剣技…」
夏月「『赤花 乱咲!』」 クラム「『赤花 千本桜』!」
漆黒の英雄「っ…!」
漆黒の英雄は体制を崩した。
夏月「今です!グランドさん!」
グランド「『陰切者 満月』!」
漆黒の英雄「ぐあっ!」
グランドの攻撃によって、漆黒の英雄は壁に激突した。
夏月「これでとどめです!『ヤマタノオロチ 虹龍』!」
夏月は漆黒の英雄に剣を振り下ろした。
漆黒の英雄「これぐらいなら余裕で合格だな。」
漆黒の英雄は胸に剣が突き刺さった状態で声を発した。
夏月「まだ、生きてる…というよりしゃべった⁉︎」
夏月は慌てて距離をとった。
漆黒の英雄「ふぅ、今はドリム王国何代目だ?」
漆黒の英雄はまるで何もなかったかのように剣が刺さったまま立ち上がった。
クラム「しゃべったぞ、こいつ。」
夏月「グランドさん、分かりますか?」
グランド「今は…15代目ですぞ。」
漆黒の英雄「そんなに時間が経ったのか…時の流れってのは早いもんだな。」
アスイ「この人、結局なんなの?」
ドラゴ「不気味だな。」
漆黒の英雄「そうそう、お前らに一つ頼みたいことがあるんだ。」
夏月「なんですか?」
漆黒の英雄「また、魔族と人間が共存できる世界を作ってくれないか?」
クラム「『また』?」
漆黒の英雄「ああ、それはだな…おっと、時間か。」
漆黒の英雄の体をよく見ると下から少しずつ黒い霧になっていた。
夏月「体が…」
漆黒の英雄「話せる時間があまりないから端的に言わせてもらう。これは僕の妻の夢なんだ。俺はここから外には出られないから、お前達に任せるしかない。」
クラム「難しいけど、まぁ面白そうだしやってみるか。」
夏月「クラムさんがそういうなら。」
漆黒の英雄「感謝しよう。そういえば、僕の名前を名乗って無かったね。僕の名前はと…」
その時、漆黒の英雄の全身は黒い霧になって消えた。
クラム「名前、聞けなかったな。」
夏月「そうですね。」
クラム「じゃあ帰って情報整理するか。」
夏月「はい!」
異世界行ってもぼっちはぼっち 終わり
こんにちは、作者の灰簾です。次の投稿に約一年もかかってしまってすみません!期待しないでくださいとは言いましたが、まさかこんなにかかるとは…。一年間なんか色々あって全く書く暇がなかったです!次回作ももしかしたらこれくらいになるかもしれない…でも、次は頑張って早く書こうと思います。次回作もご期待していただければ幸いです!




