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正直に告げるⅡ

放課後が近づくにつれ、俺の動悸は増していた。それはもう破裂するんじゃないかと思うくらいには。おかげで涼太との会話もままならず、怪訝な目で見られるばかりだった。


そして放課後。篠田さんが瑠衣を連れて俺の席まで来た。


「それじゃ、よろしくね柴野くん」

「お、おう……」

「……」


相変わらず篠田さんはニコニコしていて、瑠衣は黙ったまま。俺もぎこちない返事をして文芸部部室まで歩く。その道中の空気は重苦しく、誰も言葉を発さなかった。


「失礼します」

「陽介くん、お疲れ様〜えっと、昨日の子達だよね?」

「こんにちは。篠田 三稜です」

「……猫又 瑠衣」


染谷先輩に声を掛けられ、自己紹介をする篠田さんと瑠衣。しかし、瑠衣は先輩に対して素っ気ない態度で名乗る。先輩だと分かっているのか?いや、でも先輩は気にしてない様だし黙っておこう。


「それで陽介くん。大事な話って?」

「っ……」


話を切り出す先輩。その言葉に身構える瑠衣。この異様な空気を無視して俺は口を開いた。


「まずは昨日の告白の事。嬉しかった、ありがとう。そしてその返事なんだけど……3人の事を知ってからにしたいと思う」

「……どういう意味?」


俺の言葉に一番最初に反応したのは瑠衣。その表情はどこか寂しそうにも見えた。俺は瑠衣、篠田さん、染谷先輩を順に見て話を続ける。


「1人ずつ話をして…………あれ?それから先は考えて無かったな……」

「柴野くん。1人ずつデートしたらどうかな?」


言葉に詰まっていると、篠田さんが助け舟を出してくれた。俺は彼女に同意してみる事にした。


「それもいいかもな……」

「じゃあ……あーしにもチャンスがあるって事?」

「そうとも言えるな」


瑠衣の表情が少しずつ明るくなっていく。もしかして、俺にフラれると思って落ち込んでたのか?さすがにそんな事は言えないが、そんな気がする。


「じゃあ、デートの順番決めましょう?」

「私も賛成」


染谷先輩も篠田さんも賛成してくれて、後は3人で決めてもらった方が良いか?そんな事を考えていると、瑠衣が近づいてきた。


「陽介も……一緒に考えてよ」

「え、俺も?3人で決めた方が良いんじゃないのか?」

「それもそうね〜。後は女の子同士で決めましょ?」


染谷先輩に背中を押されて部室を出る。さすがにここからは口を出す訳にはいかないからな。俺はすぐに部室前から立ち去った。


「……後で瑠衣からメールとか来るだろ。それか明日の朝か」


一応、瑠衣の連絡先は知っている。とは言ってもメールアドレスとメッセージアプリだが。まぁ、気長に待つとするか。



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