明らかになった事Ⅱ
あれから俺は自宅に帰り、自室で考え込んでいた。3人は何故俺を好きになったのか。他にも男なんているだろう。何もこんなオタク男でなくてもいいはずだ。
しかし、これを涼太に相談しよう物なら「だから言っただろ」と言わんばかりの反応をされるに違いない。けれどこんな事を相談出来るのも涼太しかいない。
「あー……もしもし涼太?」
「どうした陽介~とうとう告白でもされたか~?」
「ぐっ……」
電話をかければ数コールした後、涼太は出た。開口一番言われた言葉が当たりすぎていて俺はなんとも言えなくなり口を噤む。すると涼太は電話越しに「マジかよ」と笑っていた。いや、こっちとしては笑い事じゃないんだが。
「笑い事じゃねーんだわ……」
「というと?」
「瑠衣と篠田さん、それと染谷先輩から同時に告られた」
「いや冗談止めろ?」
「冗談じゃねーんだって!」
俺の言う事を全く信じようとしない涼太だったが、ガチトーンで返事をしていたらようやく信じてくれたようで笑うのは止めてくれた。
「で、陽介は誰選ぶんだよ」
「誰って……」
考えて見れば、俺は篠田さんしか見ていなかった。瑠衣と染谷先輩の事をよく考えずに返事をするのは失礼な気がする。
それを涼太に話せば、納得して相談に乗ってくれた。ただの雑談がいつの間にか恋愛相談に発展している。男同士で恋愛相談ってなかなか無いから、どこか気まずさがある。
「まぁ、3人にもその話を簡潔に話して納得してもらう事だな」
「だよなー……篠田さんと染谷先輩はともかく瑠衣なんだよ」
「猫又さんも納得するんじゃないか?」
涼太はそういうけど、最近様子のおかしい瑠衣にこの話をするのは気が引ける。何が引き金となって怒り出すか分からないからな。
「俺は納得すると思うけどな」
「そうか……?早速明日、部室に瑠衣と篠田さん呼び出すか……」
「それがいいかもな」
それだけ話して涼太との電話を終えた。スマホを置いてベッドに仰向けになる。この時何故か俺は瑠衣の事を考えていた。勿論、恋愛的な意味ではなく怒らせないように話をするにはどうしたら良いのか。いくら考えても答えは出ず、仕方ないのでもし怒らせたらその時に対処すれば良いか。などと投げやりな答えを出してリビングへ向かった。
「あら陽介。ちょうどご飯出来たわよ」
「さっそく食べるよ。いただきます」
ドアを開ければ母が夕食の支度を終えた所だった。栄養士の資格を持っている母の手料理は美味しいので冷めない内にいただく事にした。
「最近瑠衣ちゃんはどう?」
「ぐっ……急になんだよ!?」
危うく米が突っかえる所だったぞ。しかも何で瑠衣の話をするんだ。訝しんで母を見ると、変わらずニコニコして俺を見ていた。
曖昧に答えれば「瑠衣ちゃんに冷たくない?」と言われたがスルー。あいつの話は今はしたくない。俺はごちそうさまと言って食器を片きて部屋に戻った。
明日の為にも今日は早く寝よう。俺はすぐにベッドに入って眠りについた。




