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明らかになった事Ⅰ

放課後。部活が無いと聞いたのでどこか寄り道でもして帰ろうか。だが、前方の2人から謎のチラチラとこちらを伺う様子が視界に入ってしまってはそんな事を考える余裕も無い。


「えーと……2人共今日どうしたんだ?」

「べっ別にあーしはっ……」

「落ち着いて、瑠衣ちゃん」


いたたまれなくなって声をかけるも、何故だか逆ギレしようとする瑠衣とそれを宥める篠田さん。


今日の2人はどこか違う。やたらと俺に絡んでくるというか。


「あーしはっ……陽介の事っ……」

「るっ、瑠衣ちゃんっ……」


俺の事が、何だ。嫌いなのは分かりきってるぞ。そんな風に思いながら言葉の続きを待っていると、予想外の言葉が飛び出して来た。


「すっ……好きっ……なんだけど!?」

「……は?」


何で。何で俺は逆ギレされながら告白されているんだ。戸惑っていると、隣にいた篠田さんからも同様の言葉が聞こえてきたのにさらに驚いた。


「私もっ……柴野くんの事が好きっ……」

「……え?」


幸い、教室には俺たち3人しか居なかった為この会話を聞かれる事は無い。と、この時は思い込んでいた。


突然染谷先輩が現れるまでは。


「は~い。私も陽介くんの事好きよ~」

「そ、染谷先輩まで!?……一体今日は何なんだよ……」


俺は呆れてそれしか言えない。しかも3人から同時に告白?これ何かのドッキリじゃないのか?


そう思い3人を見るも、3人共真剣な眼差しで俺を見ている。という事はつまり。


「ドッキリ……じゃない、だと……!?」

「はぁ!?陽介あーしの事なんだと思ってる訳!?」

「篠田さんや染谷先輩はともかく、お前は本気だと思ってなかった」

「ぐっ……それは……あーしが悪い……」


何だと思ってるってギャルだと思ってるよ。俺とは相容れない、な。告白された手前そんな事言えないから本気だとは思わなかった事だけ告げる。すると反省しているようで、何やら考え込んでいる。


「陽介くんとはまだ少ししか一緒に居ないけど、私も本気で好きよ?」

「先輩……」


染谷先輩は3年で、俺は1年。確かに俺も篠田さんの事好きになってるし。その気持ちは分からないでもない。しかしなぁ。


この状況で篠田さんを選んだら、角が立つのでないか?もしそれで彼女と瑠衣の仲が悪くなったら?染谷先輩と気まずくなったら?


「……返事は必ずする。だから、今は考えさせてくれ……ください」

「……分かったわよ」

「うん。ありがとう柴野くん」

「それなら私も待つわ~」


3人からの了承は得た。ならば、これからはとことこん3人と向き合おう。それで納得の行く結論を出そう。


俺はとにかく考える為にも先に学校を出た。

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