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関係修復?

しばらく瑠衣と陽葵が話しているのを聞き流しながら読書をしていた。とは言っても主に漫画やライトノベルなのだが。


気がつけば時刻11時30分を回っていた。それに気づいた瑠衣が立ち上がった事に気づき、あぁ昼飯の用意をするんだなぁとなんとなく感じていた。


「よし!陽葵ちゃん、一緒にご飯作ろう?」

「え」


陽葵は声を掛けられ一瞬チラリと俺を見た気がした。だがすぐに視線をそらし何やら思案していた様子。数秒経った後、瑠衣を追いかけてキッチンに向かって行った。


「お兄、ちゃん……何食べたい……?」

「ん?あぁ、そうだな……」


普段俺の事は兄貴と呼ぶかそもそも呼ばない事が多い陽葵が珍しくお兄ちゃんと声を掛けてきた事に驚き、思考が一瞬停止した。だがすぐに頭を働かせる。


いけない、何が食べたいか考えないと。


「せっかくだし陽葵が食べたい物で」

「……分かった」


咄嗟に出てきたのがこれだった。下手に何かリクエストするよりも、作る人が食べたい物が良いんじゃないかと考えた結果だ。陽葵も納得して再びキッチンへと戻って行ったし、問題は無いだろう。その予想は当たっていたのか定かではないが、2人は仲良く料理を始めた。


しばらく本を呼んで待っていると、やがて良い香りがしてきた。この匂いは。


「オムライス、か」

「良く分かったね陽介!」

「まぁな」


見事当たっていたようで、瑠衣がご機嫌でお皿を運んで来たのでテーブルへと移動する。何故か瑠衣が右隣で、陽葵が俺の向い側。陽葵はいつも通りだが、瑠衣は何故隣に?


そんな疑問は瑠衣の行動によってすぐに解決する事となった。


「はい、陽介あーん」

「はっ!?いや、自分で食えるから!」

「遠慮しないで、ほら!」

「え……」


瑠衣はスプーンを手に取ったかと思えば、俺の分の皿からオムライスを掬うとどういう訳か差し出してきた。いわゆるあーんというやつだ。この光景を見た陽葵が向い側で呆然としている。そりゃそうだ。何も知らない人からすればカップルにしか見えない。


しばらくどうしようか考えていたが、諦める気配の無い瑠衣を見て俺は覚悟を決めた。


「……うん、美味い」

「マジで!?良かった~」

「嘘、でしょ……瑠衣ちゃんとお兄ちゃんって……」


スプーンを口に入れると、卵の優しい甘みとケチャップライスの旨味が広がりとても美味しい。素直に感想を言えば瑠衣は嬉しそうに、陽葵は未だに呆然としている。そんな中俺は陽葵がお兄ちゃんと言ったのを聞き逃さなかった。


「でも瑠衣ちゃんなら……」

「陽葵?」

「決めた。お兄ちゃんと瑠衣ちゃんの事、私応援する!」

「……え?」

「マジで!?ありがとう陽葵ちゃん!」


待て待て。一体どういう風の吹き回しだ?陽葵はそう高らかに宣言し、瑠衣は喜んでいる。


それから食事を終えた後、陽葵とは幼い頃のように仲良く接する事が出来るようになっていた。


結局、陽葵にどういう心境の変化があったのかは分からないままとなった。

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