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JR北海道

JR北海道への今更な提言

作者: xoo
掲載日:2023/06/25

◎「冬こそ、JR」はいつの話?


 1990年代のJR北海道は、「冬こそ、JR」キャンペーンを張っていた。当時は道央自動車道登別室蘭インターチェンジが1986年に開通、同旭川鷹栖インターチェンジが1990年に暫定開通し、札幌から道内各都市への高速バスが充実したため、都市間交通におけるJRのシェアが徐々に削られている時期だった。特に札幌〜旭川は、道央自動車道が1月2月はほぼ毎日と言って良いほど通行止めになるため、定時性に優れるJRが十分戦える路線だった。他路線も特に冬季は札幌市内の渋滞多発で高速バスの遅延は常態化しており、安いけど所要時間が読めないバスにするか、数割高いが定時性が大崩れしないJRにするか、十分競争ができていた、と思う。

 これが崩れたのはいつだったか。1980年代1990年代に比べて2000年代は札幌圏の降雪が増えたのか重くなったのか、JRの運休が増えて、バスまたは自家用車で目的地に向かわざるをえないことが増えた。2020年以降は降雪への対応で(多分は新型コロナによる旅行需要低迷もあるためか)冬季は計画的な運休が増えた。札幌圏(小樽・北海道医療大学・岩見沢・苫小牧)より外の区間、ローカル線は除雪の手が回らないことを理由に数日運休することも毎冬ある。また夏においても、鹿などの野生動物との接触が毎日最低3件あるので(JR北海道のTwitterより)、旅客輸送、貨物輸送に影響が出ている。



◎JR北海道は解散してJR東日本に事業譲渡すべき


 現在のJR北海道はやる気がない。自然災害や旅客低迷で休止していた路線の廃止を進めている。札幌圏外の無人駅は軒並み廃止すると表明した。2030年度の北海道新幹線札幌延伸の際には、並行在来線は廃止する。鉄道貨物輸送は維持できるかどうか怪しくなっている。現状でJR北海道を支持するのは、葬式鉄+盗り鉄だけ。

 確かにJR北海道は不利である。エリアは広いし輸送密度は低いのでカネにならない。民営化して30数年、コスト削減で廃線するかもしれないローカル線の設備整備は後回しにされた。人が減らされたので、大雪や野生動物との接触事故に手が回らない。DMV開発は失敗した。現職社長と社長経験者の社員が自殺した。新幹線はまだこない。それでもJRの経営陣にはやる気も当事者意識も感じない。「国や地方公共団体の支援がなければ線路を維持出来ないし、しない」だけなら地域毎に分割民営化する必要はなかった。



◎そもそも北海道新幹線は必要だったのか


 2030年度末、北海道新幹線の札幌延伸がされることになっている。大きな課題だったニセコトンネルの巨大岩塊はどうにか破壊貫通できた。札幌市内はほとんど手がついていないが、開通スケジュールを遅らす要素は概ね解消されている。

 しかし札幌延伸しても、1時間に速達型1本+各駅停車型1本がせいぜいであり、航空路線(羽田〜新千歳)の需要を目論み通り奪えるかは難しい。一方では札幌〜函館の長距離区間だけでなく、在来線各駅停車が担っていた函館〜八雲〜長万部および小樽〜余市〜倶知安の近距離中距離ローカル区間は第三セクター化や並行在来線廃止で切り捨てられる。しかし新八雲駅や新小樽駅など需要に乏しい駅、東京方面からの旅客が実質的に見込めそうもない新幹線駅、新小樽駅は1日1100人の昇降客を見込んでいるが観光客は札幌に泊まるから新幹線を使わないし小樽市内からバスで30分かかるので札幌への通勤客も見込めない駅、は近い将来に廃止になるかもしれない。並行在来線で廃止となる余市駅や倶知安駅は昇降客1100人前後あるのにね。

 そもそも北海道新幹線は必要だったのか、と問われれば、需要予測が過大だった、北海道が陸続きになるために青函トンネルは必要だったから函館までは必要だったが札幌延伸は不要だった、と言える。少なくとも函館は、対岸青森との結びつきが元々あり、青函連絡船から鉄路に変わることでそれが強化されている。現在は所要時間57〜62分、通勤通学も可能である。函館と札幌も4時間が1時間15分になれば通勤通学圏内には入るが、函館は札幌に依存していないので日常の交流が強化されることはないと考える。



◎在来線を標準軌化すべきだった


 在来線を標準軌化すべきだった。少なくとも函館〜札幌間は高速新線としての新幹線ではなく、在来線の標準軌化でミニ新幹線またはフル新幹線とすべきだった。そうすれば1時間2本の新幹線のために在来線のローカルネットワーク機能を切り捨てる必要がない。札幌〜長万部間は山線(函館本線)経由でなく海線(室蘭本線)経由とすれば、東室蘭駅、苫小牧駅、新千歳空港駅での中距離旅客需要を見込むことができた。また、鉄道貨物輸送機能を保全強化することもできた。札幌貨物ターミナル駅〜東青森駅(本来なら盛岡貨物ターミナル駅)間を標準軌のコンテナ台車とすれば、区間を跨ぐ場合にコンテナ積み替えは発生するが青函トンネル区間を含む経路は旅客新幹線並みに高速化できる。かかる経費も山線の高速新線を新設するためにトンネルを掘りまくっている現状よりずっと抑えられた可能性がある。



◎それでも作ってしまった新幹線を活用するためには


 JR北海道のTwitterには運行障害情報として野生動物との接触が毎日3件報告されている。たいていは鹿であるが、まれに(昨年度は26件)熊との接触もある。新幹線は人や動物が侵入しないように柵で区切られるだろうが、それでも150kgの鹿、250kgのヒグマ(記録上の最大は520kg)と高速で接触したら、被害は甚大である。また、世界有数のスキーエリアにして豪雪地であるニセコや赤井川の雪は融雪設備では除ききれそうもないので、除雪車両が必要になる。ならば最初から、シェルターで覆って野生動物と雪の害を防ぐ方が良い。外が見えない?どうせ区間の70%はトンネルなのだし、窓や車室内のモニタに外の景色を投影することだって、今は出来る。

 札幌市営地下鉄南北線の南平岸駅〜真駒内駅は地下鉄なのに地上の高架区間で、シェルターに覆われている。計画段階では除雪車も検討されていたそうだが勾配対策でゴムタイヤを履いてることもあり上手くいかず、地上区間全線をシェルターで覆った、とのこと。発想の転換であるがこれにより除雪設備を省略できている。


 札幌〜新千歳空港間の延伸は早期に行うべきである。鉄道と空路はシェアを奪い合うだけの存在ではないし、お互いに補完することでより強みを発揮することができる。東京〜札幌間の航空輸送を新幹線が奪えるかどうかは難しい。東京〜ニセコ・倶知安はそもそもが限られる。たとえ海外からの旅行客でも、オーストラリアからシンガポールから中国から成田空港羽田空港から入国して東京駅を経由して倶知安駅、よりも新千歳空港から乗り継いで、の方が利便性が高い。国内客においても、東京より離れた地域であれば新千歳空港から入ってくる。現状でも新千歳空港〜札幌間の需要は高い。連絡バスも多数あるし、新千歳空港から快速エアポートに乗ると、札幌まで通して乗る方が多い。北海道観光は出入りの空港が違う旅行者も珍しくないので、空路と鉄道を連携させた方が利便性が高い。新小樽も少しは使いどころが見つかるかもしれない。



◎それでも北海道新幹線は南回りで作るべきだった


 山線は沿線人口が少なく、需要は限られている。これが南回りであれば、人口が数倍あるので道内の中距離移動需要、苫小牧または室蘭から八戸仙台東京などへのフェリー貨物需要、札幌圏・近郊から新千歳空港への移動需要が充てられた。

 さらに机上の空論であるが、森町〜室蘭市をケーソン埋設工法による海中トンネルとすれば、内浦湾周囲の人口が少ない地域を大部分パスすることが出来、所要時間も山線と大差なくなったと考える。ただしアイディアとして提唱されたことはあるが、実現性については精査されていないため、あくまで机上の空論である。



◎並行在来線の活用案(小樽〜余市〜仁木)


 並行在来線のうち函館本線の長万部〜倶知安〜余市〜小樽は廃線となる見込みである。これは需要が少ない(といっても現在、ローカル線を利用するのは通学する高校生にほぼ限られる)こともあるが、沿線自治体が第三セクターかの金銭負担・経営責任負担を嫌がってバス転換に逃げたためである。ただし、需要は少ないとはいえ倶知安や余市の昇降客は新幹線新小樽駅の予測数を上回っている。

 長万部〜倶知安間は人口が少ないこともあり、鉄路存続は全く俎上に上がらなかったようである。倶知安町は新幹線駅ができるので域外からの観光客を見込めると思考停止、周辺町村も同様であると考えられる。また、倶知安の高校に通う高校生は、現在でもバスを利用しているものが大多数であるようだ。倶知安〜余市間は静狩峠を越える路線なため、元々交流が薄いのに加えてコストがかかることが予想される区間なため、ここもバス転換ありきだった。倶知安エリア内、余市エリア内は元々バスが主体である。余市〜小樽は朝晩は通学需要が多いが、倶知安〜小樽へは通学者がわずかなためバス転換後は取りこぼされる可能性が高い。小樽市内は元々、蘭島駅と塩谷駅のみで駅周辺人口は元々少ないため、小樽市は関心を示さなかった。このような利用者がない、周辺自治体が関心を持たない状況であれば、鉄路存続は極めて難しいと考えられる。ここで小樽市内に新規駅を設置すれば需要が創出できるのではないか?山線の小樽市内は住宅地・商業地から離れたところを通っている。唯一、駅を設置して需要がありそうなのは長橋、それでも近隣高校まで1Km歩くことになりバスに対する優位性は低いため、1日の昇降客は100人に満たない。


 観光路線としては、余市・仁木にはめぼしい観光資源が無い。なので、「乗ること」自体を観光資源として小樽〜余市〜仁木に馬車鉄道を走らせてはどうだろうか?。観光の馬車鉄道は国内に2例あるようだが、施設内のトラムの規模を超えて公共交通レベルの鉄道は日本はおろか、世界的にも皆無である。イギリスだって鉄道の初期に使われたが、動力車に転換されてからは絶滅している。北海道産の馬、ばんえい競馬に使われている種類の馬を充てて、今の技術なら客車に電動アシスト機能を組み込めば塩谷の山を越えることができると考える。少なくとも蘭島〜余市〜仁木であれば、馬だけで行ける。

 問題は、馬の排泄物による衛生面・臭いの問題をどうするか(客だけでなく住民が許容できるか)、馬を用意できるか(飼う人がいるか)、馬がヒグマに食われないか(経路上に鹿が出没するので、捕食者としてのヒグマが出ても全く驚かない)、かな。


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[気になる点] >JR北海道は解散してJR東日本に事業譲渡すべき  営業利益が半減することになるような吸収合併をしてJR東日本に何の得が? >在来線を標準軌化すべきだった  北海道でしか使用しないよ…
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