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「行ってきます」

「ほんのちょっと、旅をしてくるね」

僕は、そう部屋の住人である物達に声をかける。

そう、ほんのちょっとした旅。

多分、すぐに帰って来るだろう。

でも気が変わったら、長い長い旅になるかもしれない。

気が変わったら、だけれど、ね。

何だか、嫌に僕にしては感傷的だと思う。

けれど、声をかけずには、いられなかった。

お気に入りの家具。可愛い小さな冷蔵庫。座り心地の良い椅子。

最後に、この部屋のもう一人の主である、大きな大きなテディベア。

この子に留守を頼もう。

「よろしく頼むよ、相棒」

気のせいかな、相棒が頷いたように見えて、僕は小さく微笑んだ。

戸締まりは、まあ、盗んでも価値がある物はそうないと思う。

が、性格上確認していくことにする。


「さあ、行こうかな」

玄関口に立って、もう一度だけ、小さな部屋を見回す。

相棒は、ちゃんとベッドの上でこちらを見てくれていた。

僕は小さく手を振る。


「ちょっと行ってきます」


光差す、扉の向こうへと僕は足を踏み出した。


玄関の、扉は、静かに閉まった。

お読み下さり、本当にありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] まほろさん きれいな景色を観て、美味しい物を食べてきてくだいね(^^) そして、楽しい旅から帰ってきた時には、「やっぱり家が一番だなぁ」と思える場所を皆さんが用意して待っていると思いま…
[良い点] 癒えるまで 良き旅を──
[良い点] 行ってらっしゃい。 晩ごはんまでには帰ってくるのよ。(。・ω・)ノ゛ コロナに気をつけて。 ( ・∀・)=b グッドラック!
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