2. いつか俺にもチートがあらわれる・・・・はず!
どうもこんにちは。改めまして、乙女ゲームの悪役令嬢の息子に異世界転生したエルアードでっす!
前世を思い出してから三日が経っていた。
俺、本当に異世界転生したんだなぁ・・・・・
違う世界に転生したという事実にまだ実感がわかない。
前世の平々凡々な俺とはいろいろ違いすぎて、この体にもまだ馴染めていない。
まあ、そのうち慣れるだろう。これは俺だという認識はきちんとあるので前世のラノベであった憑依とかではなく、転生で間違いはないと思う。
もし憑依だったら全くの別人だということが母さんに申し訳なくて顔も見れないところだった。
今の俺は、前世ノリと勢いで17年間生きてきた『俺』とまだまだ親に甘えたいけど、生活費を稼ぐために毎日忙しい母さんになかなか甘えられなくて寂しい『僕』が融合したような感じだ。
だけどハッキリ言って、前世を思い出してからはほぼ前世の『俺』になってしまったように思う。
『僕』の甘えたい気持ちは変わらず残っているが、前世の17歳の『俺』によってそれがほとんど抑え込まれてしまった感じもする。
ぶっちゃけ見た目7歳でも精神年齢は10歳も上だしな。仕方がないとも言える。
でもそのおかげで前まで感じていた寂しさは消えたから、不安定だった心も安定している。
今のところ、何も問題はない。いや、一つだけ問題がある!
異世界転生といったら、やっぱチートでしょ!
この世界には魔法があるんだし、転生ボーナスとかで俺にもチートがあるかもしれない。
神様が俺のことを哀れに思ってくれたのなら、なんかしら与えてくれている筈だ!(思い込み)
早速試してみよう。
「大いなる炎の精霊よ、我の名の下に力を与えたまえ!」
お世辞にも綺麗とは言えないこの家にこの世界では高価な本なんて置いてないため、当たり前だが魔法については全く知らない。
なのでとりあえずそれっぽいことを唱えてみたものの、何も起こらない。当然っちゃ当然だ。
次。
「ファイアーボール!」
単純に一言。何も起こらない。
3回目。
「炎の球よ、出でよ!」
ファイアーボールを言い換えて唱えてみる。何も起こらない。
4回目。
「燃え盛る灼熱の炎よ、我の前に顕現せよ!」
俺はめげずに試す。が、何も起こらない。
・・・・・・・・・・
な、なぜだーーーー!
チートがない、だと!?
ここは大きな炎がぶわっと俺の手から出て、この家を破壊してしまいそうになり、なんだあの子は!?あんなに大きな魔法を使える子供なんて見たことないぞ!って騒がれるところだろう!?
これじゃあ魔法がある意味が無いじゃないか!(暴論)
コホンッ! ま、まだこれではチートなしという証拠にはならない! 他のも試してみようじゃないか。
「万物を凍えさせし氷塊、我を傷つける者を閉じ込めよ!」
「キュッ・・・・!?」(←ネズミ)
「ウィンドランス!」
「穢れなき光の乙女よ、尊き汝の癒しを我が侵されし場所に届けたまえ!」
・・・・・・・・・・
何も起きない・・・・・
いい加減、厨二言葉を叫び続けるのが恥ずかしくなってきた。
前世でまさに中学2年のときの黒歴史を思い出してしまった。
ま、まあ、いつかその時になれば俺にもチートがあらわれる、はず!
・・・・俺の精神はボロボロだよ・・・・・・ぐすん
それよりも、明日は気を取り直してこの世界のことを調べてみよう。村の人に聞けば何か分かるかもしれない。
『僕』はあまりこの家から出たことがないため、そもそもこの世界の常識についても知らない。
過保護なのか、まだ小さいからなのか、母さんにだめだと言われていた。だから村の子どもたちがよくやっている木刀を使った剣ごっこを窓から羨ましそうに見ていたとエルアードの記憶にはあった。
だが一人だけ、幼馴染のような子がいる。いつも大体昼前にこの家に来るのだが、何故か昼飯もこの家で食べていくのだ。
母さんも、毎日やってきて昼も我が家で食べることを見越しているのか仕事に行く前に二人分を作り置きしてくれている。
今日は朝から魔法の詠唱に夢中、もうすぐで昼になる頃だ。
いつもの通りならそろそろ来るだろう。
「エールー!! 来たよー! 開けてー!」
ドンドンとドアが叩かれる音がする。
見事に予想通りだったな。
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