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01
そこは美しい場所だった。
ただ、美しすぎて、ひどく寂しいように感じられた。
僕の故郷では、星が良く見えた。
空に輝く星達は、指でなぞって星座を作れるほどに近く、仲が良さそうに見えた。
実際には地球から空に手を伸ばしても、星を掴めないのと同じように、星々はどれも遠く離れていたことを知った。
02
「誰もいなくなってしまいましたね、マスター」
ふと声がして振り返れば、ロボットのアインスが立っていた。
動きは人間のようだが、それでも彼はロボットだった。
「そういうことは、口に出して言うものではないよ」
「そういうものですか」
「そういうものだよ」
僕が頷くと、彼は納得しているのかどうか分からない顔で口を開いた。
「ここは酸素が薄くて危険です」
「分かってる。時々、外に出たくなるだけだよ」
そう返して壊れた宇宙船の中に入った。