始まりの日
10年前、私がまだ6歳の頃だった。
私は柚家という魔法師の中で最も優れている十家と言われているうちの1家の長女としてせいを受けた。しかも本家の長女だったので、家督を継がせるために幼い頃からたくさんの修行を強いられた。
家督を継ぐのはいくつか決まりがあった。
1.本家の人間である
2.5歳と10歳と15歳に行われる儀を通り認められし者であること
3.1度でも家紋内の者に負けた場合はつくことができない
もし、本家より分家の人間が優れていた場合、その子を養子として迎え当主に据えること
男女とわず、本家で最初に生を受けたものが家督第1継承権を与える。が、ほかの者が勝てば家督継承権はその者に与えられる
とはいえ、本家の人間以外に渡ることを極力避けているため、本家の人間は大層大事にされ、特に第1継承権を持つものは5歳まであまり外の人間と触れ合うことさえ許されない。
5歳の儀までに誰にも負けない強さと教養全てを叩き込まなければならないからだ。
私も5歳となった時第1回継承権の儀が行われた。
5年ごとに行われる継承の儀はそのものの技量を計るためであり、本当に相応しいがテストするには丁度いいものだった。
今回の継承の儀は私が5歳の誕生日を迎えた日にやることになった。
相手は、本家の間つまり兄弟がいれば兄妹間での戦闘もといテスト、いなければ分家で次期継承権を渡せそうな次世代の優秀そうな者数名と行う。もし負ければ無論継承権の座は分家の者に渡る
今回は実践的な魔法師としてのテストだ。実践訓練というのが1番的確であろう。
私は分家の5歳以上の者3人と戦って見事勝利を収めた。
それから一年後、私が6歳の時だ。妹のねねが5歳になったので継承権の儀が行われた。
本家の人間は一応全員継承権の儀が行われる。
誰に素質があるか分からないからだ。もちろん、継承権は年功序列。妹は継承権2位だ。
妹の継承の儀の相手は、私。
今回は本家内ということで、柚家の大道場ではなく、本家の中庭で行うらしい
傍で両親、祖父母、大祖父が見ている
父が『始め!!』と手を振り下ろした
私と妹の戦闘が始まる
しかし、決着は直ぐについた。試合開始後程なく私は地面にふした。
妹は試合開始と同時に最大威力の魔力を放った。私は決して弱かった覚えはない。むしろ妹より魔法の才は秀でていた。しかし、魔法師の家では最も欠点と言われている魔力不足だった。